「ネト充のススメ」放送中にDVD全巻発売、異例の試みのワケは? comico平良聡Pに訊く | アニメ!アニメ!

「ネト充のススメ」放送中にDVD全巻発売、異例の試みのワケは? comico平良聡Pに訊く

2017年10月より放送スタートするTVアニメ『ネト充のススメ』より comico平良聡プロデューサーにインタビューを敢行。本作の見どころやはTV放送期間中にパッケージリリースを完了させてしまうという試みのワケを訊いた。

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三十路、独身、ニート……人生をドロップアウトした盛岡森子がネトゲを通じて夢や希望を再び手にしていく。10月クールの新番組TVアニメ『ネト充のススメ』はそんな物語だ。原作者・黒曜燐によってマンガ・ノベルアプリcomicoに掲載され人気を博した同タイトルがアニメ化となった。
comicoは『ReLIFE』や『ももくり』、『ナンバカ』などでメディア展開も盛んに行っており、工夫を凝らした放送戦略や販売方法など、作品を多角的に盛り上げようという気概が伝わってくる。特に『ネト充のススメ』ではTV放送期間中にパッケージリリースを完了させてしまうという。どうやってこの企画が実現したのかを糸口に、本作の魅力などをcomicoプロデューサーの平良聡氏にうかがった。
[細川洋平]

『ネト充のススメ』
http://netoju.com/
2017年10月7日(土)GYAO!にて先行配信スタート

10月9日(月)TOKYO MX,読売テレビにて放送スタート
10月10日(火)AT-Xにて放送、ニコニコ生放送(http://ch.nicovideo.jp/netoju )にて配信スタート


――comicoさんで連載している『ネト充のススメ』がいよいよTVシリーズでスタートします。まずはどういった経緯で本作がTVアニメ化へと至ったのでしょうか。

平良聡プロデューサー(以下、平良)
comicoでは現在、公式で367作品の漫画作品を公開しています。私どものチームはその作品群をメディアミックス化させるために各社さんに売り込んでいくわけですが、そのなかでフライングドッグのプロデューサーが『ネト充』ファンだったということがわかったんです。

――それは心強いですね。

平良
その他に声をかけた各社のプロデューサーさんも偶然にも『ネト充』ファンでいらして、結果『ネト充』ファンで製作委員会ができたという状態です。


――委員会のみなさんは本作のどういったところに惹かれたのでしょう。

平良
「アニメ好き」は今でこそオープンにできる時代となってきましたが、30代、40代と上の世代の人たちはオープンにできなかったと思うんです。森子までいかないにしろ、社会に対して後ろめたい気持ちを持っていた。そういう感情からか「ゲームを通して社会に対して前向きになっていくという物語に共感した」という人は多かったですね。
またネットゲームを含めたインターネット特有の本音によるコミュニケーションを魅力に挙げる方もいました。本作は『ReLIFE』などcomicoの他作品と比べるとファンの年齢層が少し高めです。ある程度社会経験のある人が共通点を見出しているのかなと思っています。

――本作ではTV放送中にDVDとBD-BOXのパッケージリリースが完了するというニュースに驚かされました。

平良
まずはcomicoとしても『ReLIFE』ではTV放送前に全話配信したりとチャレンジングなことをしてきました。今回も委員会ではさまざまなアイデアが出ましたが、その中で、「配信」が作品とファンとの距離感を縮める一方、「パッケージ」は変わってないな、と思っていたんです。TV放送終了後、数ヶ月してやっと手元に届く。じゃあ放送を見た直後の一番熱量が高い状態の時にすぐ買えるという、ある種のIT的な手法がアニメビジネスにインパクトを与えるのでは、と。幸い製作委員会のみなさんは、元々同じ考えをもたれていたフライングドッグさんをはじめとして、一緒にチャレンジしてくれる会社さんばかりということもあり実現しました。


――アニメーションの制作フローも通常のスケジュールでは到底成り立たないと思いますが、制作現場との調整はいかがだったのでしょうか。

平良
制作スタジオに依頼をする前に、パッケージの販売スケジュールプランは決まっていたので、アニメーション制作を担当するSIGNAL.MDさんからも「このスケジュール感でできます」という回答はいただいておりました。突然前倒しにしたわけではないので問題なく進んでいます。
アフレコも2016年12月にスタートして今年の2月いっぱいで録り終えていますが、「現実世界」と「ネトゲ世界」が連動してドラマが展開するので、キャラクターを演じる声優さんの演技を踏まえてから作画に入ろうと。なのでコンテ撮の状態で音声を先に収録し、それから作画に入りました。

――作画に関してはパッケージリリースのタイミングでリテイクをする場合も多いですが、そういったことは難しくなるということでしょうか。

平良
通常アニメを作る際は「V編(ぶいへん/ビデオ編集の通称)」という最終確認の工程をみんなでチェックをして、どうしても直したいところはリテイクをして完パケとなります。今回はV編前に「仮仮V編」「仮V編」といった風に2回挟み、可能な限り直してから完パケになるので、TV放送の段階から満足行くクオリティーでお届けできると思います。
また、作画面でのこだわりとして、シーンごとのアニメーターさんの個性が出るようなフィルム作りをしているので、若い人には新鮮に見えるでしょうし、90年代アニメを見ていた世代からは懐かしさも感じられておもしろいと思います。


――DVDはリーズナブルにもかかわらずコメンタリーが付いてくるという点で驚きました。

平良
これはDVDとBD-BOXでターゲットを明確に分けようというところから始まりました。普段からたくさんアニメを見ていて、「映像のクオリティーにもこだわりたい!」、という方や、、「もっとネト充の世界を楽しみたい!」というコアファンの皆様には、TVでは放送されない番外編(第11話)やドラマCDも入ったBlu-rayを。DVDの方は普段アニメのディスクなどにはあまり縁のない、ライト層が気軽に買えるように。また声優ファンの方々にも向けてオーディオコメンタリーはマストで付けた、という経緯があります。DVDは1巻あたり2,400円(+消費税)で、グッズを買う人たちからすればクリアファイルを3セット買うのと同じくらい。グッズ感覚で手にとってほしいと思っています。
《細川洋平》
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