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「BLAME!」弐瓶勉×瀬下寛之インタビュー "ハードSFとウエスタンの融合"で新たな弐瓶ワールドが展開

舞台は人類が違法居住者として駆除される遠い未来。無限に増殖し続ける階層都市で霧亥(キリイ)は1人、階層都市の中心部にアクセス可能な存在“ネット端末遺伝子”の持ち主を探して旅をしていた。

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――おふたりの関係というのは『シドニアの騎士』がやはり大きかったのでしょうか。

瀬下
そうですね。2012年の夏に初めてお会いして、そこからご理解をいただき一緒に密に作らせていただきました。気づいたらもう5年近い付き合いですね。

――瀬下監督は弐瓶先生と会われる前からものすごい量の設定画を描いていたんですよね。

瀬下
ええ、弐瓶先生とお会いするどころか、僕たちが作品を作るということも決まってない状態から、うちの田中直哉(プロダクションデザイナー)と片塰満則(ディレクター・オブ・フォトグラフィー)のふたりと一緒に昼休みを使ってずっと描き続けました。ポリゴン・ピクチュアズはホワイト企業ですので(笑)1時間単位で工程の管理をしています。ですから仕事以外のことをするには昼休みを使うしかありません。弐瓶先生にお会いしたときに半年くらいかけて描きためたものをお見せしたら「僕がOKを出してもいないのに、何やってるんですか」と(笑)。

弐瓶
やる気がすごく伝わりましたし、熱意に押されました。あの時、「ちょっと会ってみようかな」と思ってよかったです。結局ここまで来ましたから。

瀬下
弐瓶先生の描く世界観は魅力があるし、CGとの親和性もいいのではないかと最初から思っていたんです。


弐瓶
『シドニアの騎士』がポリゴン・ピクチュアズの日本国内で初めてのテレビシリーズですよね。

瀬下
ポリゴン・ピクチュアズは1983年に設立され、2014年4月の『シドニアの騎士』TV放送時には創立31年となっていました。長編セルルックCGアニメーションとしては、スタジオの記念すべき初元請け作品です。

弐瓶
ちょうど3DCGの技術も確立してきてロボットだけではなく、キャラクターも含めて全てを3DCGで描ける時代になった。加えて、瀬下さんがおっしゃったように原作との親和性の高さもいい具合に作用したと思います。

瀬下
我々の武器は3DCGで空間を作り込むということなんです。徹底的に空間づくりにこだわり説得力を与える。弐瓶先生の作品は『シドニアの騎士』もそうですが、その空間に人が住んでいることが感じられる。その場面で実際に描かれているもの以外のことが考えられていると感じられる漫画ってなかなか無いのですが、弐瓶先生はセットや空間全体にこだわっている。弐瓶先生の作品であれば、我々が武器としているところを活かせるだろうと睨んでいたのですが、まさにバチッとハマりました。

弐瓶
それにロボット(※)のデザインも直線で構成されたものだったので、それも相性がよかったのかなと思っています。

(※衛人/モリト=『シドニアの騎士』に出てくる人型兵器の総称)


瀬下
弐瓶先生は実体感のあるデザインを採用されていますよね。「大量生産するものだから複雑な形にならないはずです」とおっしゃっていて、モノが生まれるプロセスを考えてらっしゃると思いました。実際に3DCGでモデルを作っていくときに僕らが大事にしている思想が原作にも入っていると伝わってきてうれしかったです。

弐瓶
メンテナンスしやすいデザインを考えると自然とそうなるんです。トゲトゲしたデザインだと折れた時に(作中に登場する)職人さんが直すのが大変じゃないですか(笑)。そういうことを考えてアンテナなどを少なくしました。(職人さんに対する)愛なんですよ。それが結果的に3DCGを作る人にも繋がったわけです。

瀬下
それにシドニアの中も素晴らしいですよね。人間生活には上水・下水含め配管というのが必要不可欠です。シドニアの町もあらゆる箇所が配管されている。どの風景を作ろうとしてもSF的な生活感が出るので「CGで絶対イケるよ!」とみんなで騒いでいました。
《細川洋平》
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