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「BLAME!」弐瓶勉×瀬下寛之インタビュー "ハードSFとウエスタンの融合"で新たな弐瓶ワールドが展開

舞台は人類が違法居住者として駆除される遠い未来。無限に増殖し続ける階層都市で霧亥(キリイ)は1人、階層都市の中心部にアクセス可能な存在“ネット端末遺伝子”の持ち主を探して旅をしていた。

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■『BLAME!』の見どころはパイプ?

――配管、パイプは『BLAME!』でも重要なオブジェクトとして登場します。『シドニアの騎士』を経て『BLAME!』も映画化すると聞いた時、弐瓶先生はどう思われましたか?

弐瓶
「これは本当に大変なことになった。……どうするんだろう」と思いました(笑)。たまたま『シドニアの騎士』の漫画連載が終わっていたので最初の会議から参加させてもらって。

瀬下
ちょっとやそっとの参加ではなく、毎週来てくれました(笑)。

弐瓶
2ヶ月くらいでしたよね?

瀬下
いや、2ヶ月どころではなく、企画から設定、脚本会議まで全部入れたら4~5ヶ月ですよ。

弐瓶
え、そんなにですか! でもそうですね、脚本が終わるまで参加していましたね。

瀬下
僕の中では「こんなに毎週いらっしゃるって、スタジオ所属のクリエイターなの?」ぐらいの感じでした(笑)。

弐瓶
僕は他の原作者の関わり方を知らないので普通だと思っていました。何の疑問も抱いてなかったです。

瀬下
他で聞いたことないレベルです(笑)。本作で弐瓶先生は「総監修」とクレジットされていますが、まさに純度の高い弐瓶作品になっていると思います。

弐瓶
関わったのは脚本の完成までですけどね。会議では毎週お土産のように設定画を描いて持参しました。それが溜まってしまって本を一冊出すことになりました。


――5月22日に刊行される『劇場版「BLAME!」弐瓶勉描きおろし設定資料集』ですね。

瀬下
それを見るとどれだけ前のめりだったか、完璧に分かります(笑)。

弐瓶
映画を見た後に開いてもらえるとすごくおもしろいと思います。

――企画・シナリオ段階から弐瓶先生自らドラマを再構成するというのはいかがでしたか?

弐瓶
『BLAME!』はデビュー作ですし20年前に描いたので技術もまだまだ足りず「こうしておけばよかったな」という思いが多く残った作品でした。今回そういう部分が修正できたのはうれしかったです。一方で、全体のストーリーをそのまま圧縮するのは絶対によくないと思っていました。それは(メインスタッフの)みんなが思っていたはずですが、一番最初に僕から言いました。

瀬下
先生ご自身が「難しい原作なので、簡単にしましょう」と言ってくださった。そのおかげで会議は一気に推進したんです。……ただ、今考えればそこで1回は「そんなことないですよ! 弐瓶先生」と言うべきだったかも知れませんね(笑)。

弐瓶
はははは、本当に誰も反対しなかったんですよ(笑)。みんなが「そうしましょう、そうしましょう!」って。ちょっとでも反対する素振りを見せてほしかったなというのは正直ありました(笑)。

瀬下
キャラクターに関しても「“づる”をかわいくしましょう」と先生はズバッと言ってくれました。とにかく弐瓶先生がとてつもなく前のめりで作ってくださった作品です。映画作家に転向するんじゃないか、と周りに誤解されるくらいでしたからね。


弐瓶
そんな噂が出てましたね。僕は『シドニアの騎士』の連載終了後、1年ほど漫画を描かなかったんです。その半年くらいは劇場版『BLAME!』にかかりっきりだったので、「どうも弐瓶は映像に行ったらしい」と噂が立ってしまい(笑)。

瀬下
僕もそう思いましたし(笑)、そのくらい(ポリゴン・ピクチュアズに)通ってくださって。

弐瓶
いや、本当におもしろかったんですよ。アイデアを出すのがおもしろい仕事ってあるじゃないですか。まさにそういう現場で、設定画を描くのも筆が乗りました。

瀬下
脚本を考えるのも楽しかったですね。

弐瓶
ええ、本当に。
《細川洋平》
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