舞台は人類が違法居住者として駆除される遠い未来。無限に増殖し続ける階層都市で霧亥(キリイ)は1人、階層都市の中心部にアクセス可能な存在“ネット端末遺伝子”の持ち主を探して旅をしていた。『BLAME!』は1993年から2003年にかけて「アフタヌーン」で連載された弐瓶勉のデビュー作だ。説明ゼリフを排し、圧倒的な世界観と高密度の描き込みで読者を魅了したハードSF漫画の金字塔。その作品が20年の歳月を経て映画化される。アニメーション制作はポリゴン・ピクチュアズ。弐瓶勉の世界観を3DCGでハイレベルに再現したTVアニメシリーズ『シドニアの騎士』に引き続きの組み合わせとなる。監督の瀬下寛之をはじめ、メインスタッフも続投する。劇場版『BLAME!』は見どころの多い作品だ。ハイクオリティな3DCG描写、映像演出をブーストする音響効果、プレスコによるキャストの演技、アクション、そして原作コミックから生まれかわったストーリー。原作者・弐瓶勉も全面的に参加した本作。その見どころのほんの一端を監督の瀬下寛之と弐瓶勉に語っていただいた。素晴らしい映像体験の予習として、ぜひお読みいただきたい。[細川洋平]『BLAME!』http://www.blame.jp2017年5月20日(土)全国公開(2週間限定)▽本文■「シドニアの騎士」からはじまった――『BLAME!』映画化のきっかけはテレビシリーズの『シドニアの騎士』だったとうかがいました。瀬下寛之(以下、瀬下)そうですね。テレビアニメ『シドニアの騎士 第九惑星戦役』第8話の劇中劇として作られました。物語の舞台、播種船・シドニアの中でも放送されているであろうアニメ番組を、主要キャラクターたちが見ているという形でした。――その時から弐瓶先生が監修をされていたのでしょうか。瀬下非常にありがたいことに監修どころかどっぷりと入っていただきました。弐瓶勉(以下、弐瓶)その時にしか出ないキャラクターを丸ごと描きましたし、主人公の霧亥(キリイ)もほぼ描き直したうえに3面図も描きました。――当時から霧亥を櫻井孝宏さんが演じていました。弐瓶櫻井さんになった経緯はよく覚えています。『シドニアの騎士』のプレスコ(※)の時に落合というキャラクターを演じていた櫻井さんが「重力子放射線射出装置」というセリフを言ったんです。それを守屋(秀樹/エグゼクティブプロデューサー)さんが聞いていて、「霧亥は櫻井さんがいいんじゃないですか?」と。僕も大賛成しました。(※プレスコ=プレスコアリングの略。先に音声を録音し、あとでそれに合わせて映像を作ること)瀬下キャラクター的にもハードコアでクールな主人公という意味でもイメージ通りだったので、今回も櫻井さんにお願いしました。
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