【インタビュー】「イデオン」から「ダンバイン」まで、湖川友謙が語る“作画の心得”とは? 4ページ目 | アニメ!アニメ!

【インタビュー】「イデオン」から「ダンバイン」まで、湖川友謙が語る“作画の心得”とは?

『伝説巨神イデオン』、『戦闘メカ ザブングル』、『聖戦士ダンバイン』など80年代サンライズを代表する名作ロボットアニメを富野由悠季監督とともに作り上げた名アニメーター・湖川友謙。

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――イラストを描く時というのはどんなイメージをもって取り組まれたのでしょうか。

湖川
何でしょうね。白い紙を見ていると描きたいものが出て来ちゃうんでしょうね。一番いいのは何の指定もなく「イラストを一枚描いてください」というもの。そうしたらこっちで「こんなのかな?」と出てくる。描く前に散々考えるから何枚も描かないですね。感覚的だし、言ってみれば「適当」っていうことです(笑)。

――これだけ数多くの印象的な絵を残されているので、我々の知っている「適当」とは違う意味合いかも知れません……。

湖川
この画集も本当なら描いたものが全部揃っている中で俺が選択できたらと思ったんですけど、最初に言ったようにそうもいかなかったですね。でも(串田)編集長が「豪華本で出したい」と言ってくれたこと、それから「出してほしい」というファンの人たちの声。そういう思いがあってここまで来たというのはすごくうれしいです。自分にとっても今まで描いたものを集める本なんて初めてですからそういう意味ではうれしいんです。「下手くそで恥ずかしいな」という自分の気持ちと感謝が一緒になってますね。

――今取り組まれているお仕事や今後のことなどもお話しいただけますか? まず『ふるさとめぐり 日本の昔ばなし』では7分という短編を丸々手がけられています。

湖川
編集まで立ち合っていて、画面に関わることは全部自分でやってます。撮影だけは打ち合わせまでで後はお任せ。すごく短い原作ものをやっていて、シナリオからやってます。『桃太郎』(第208話A)ではラストに違う結末を付けたんだけど、女房も気に入ってくれたみたいで(笑)。

――『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』にも参加されていますね。

湖川
また頼まれて、明日打ち合わせですよ。

――おお、ということはもしかしたら第7章まで参加されるのでしょうか?

湖川
ズォーダーが出るかぎり。俺が描くズォーダーは誰も手を入れない、というのが条件で描いてます。

――以前羽原監督に取材した際にもアオリカットは湖川さんにお願いしていて、と話されていました。

湖川
描ける人がいないから。本(『アニメーション作画技法』)を出してずいぶん経ってるのになかなか描けない。顎や顔の中心の角度を理解しないで、未だに描けない人が多くて悲しいですね。もっと観察してごらんよって。日本人もアメリカ人も中国人もいろんな角度から見て。勉強ですよ。本を読むだけじゃダメ。俺のアオリは普通に描いてるだけだから。当たり前にやってるだけですよ。本当にそうだから。

――「アオリ」に対して、正しく浸透してほしい、という思いをお持ちなのですね。

湖川
もちろん。本当はあってもなくてもどうでもいいことで、これがなきゃダメとは言ってないし、(『アニメーション作画技法』の)文章にも書いてある。ただ何かをやるときには必ず役に立つよ、ということですよ。


――現在、湖川さんはチャリティー活動やオフィシャルブログにおけるファンとの交流というものを非常に大事にしていらっしゃいますが、今後はどのような展望をお持ちでしょうか。

湖川
昔ファンレターをもらってうれしかったくせに返事を書けなかった俺がいたんです。だからブログではそれができるかなあと思って全部に返事をしてます。どんなコメントにも全部書いてます。それから、年々仕事をしてる人たちから会いたいって言われることが増えて、会って元気を付けるんです。40代とかで元気がない自信がないって聞くと心配になっちゃって。いろいろ話してちょっと明るい顔で帰ってもらえるとこっちも安心するんだよね。若い子は守らないと。あ、年上の変な奴はやっつけます。

――(笑)。

湖川
後は最近お芝居をするようになったんだけど、お芝居もうまくなっていきたいって思ってるんです。もちろん仕事も、人間としての勉強も続けていきますよ。

【17年4月24日新宿・喫茶室ルノアール 新宿3丁目ビッグスビル店にて】
《細川洋平》
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