高畑勲が語る『Long Way North』の魅力 TAAF2017開催発表 | アニメ!アニメ!

高畑勲が語る『Long Way North』の魅力 TAAF2017開催発表

7月28日(木)、アンスティチュ・フランセ東京にて、3月に開催された「東京アニメアワードフェスティバル2016」のコンペティション部門・長編アニメーションでグランプリを獲得した、レミ・シャイエ監督作『Long Way North』の上映会および「TAAF2017」開催発表が行われた。

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7月28日(木)、アンスティチュ・フランセ東京にて、3月に開催された「東京アニメアワードフェスティバル2016」のコンペティション部門・長編アニメーションでグランプリを獲得した、レミ・シャイエ監督作『Long Way North』の上映会および「TAAF2017」開催発表が行われた。

『Long Way North』(原題『Tout en haut du monde』)は、フランスとデンマークによる共同制作作品で、19世紀のロシアを舞台に、北極探検線の艦長だった祖父を追って、孫娘・サーシャが帆船で極北へと旅に出る冒険譚。流氷を砕きながら進む帆船の様子を細部までとらえる描写力や、吹雪の繊細かつ荒々しい表現など見どころが盛り沢山のアニメーション映画だ。

また本編上映後には、『火垂るの墓』や『かぐや姫の物語』で知られるアニメーション監督の高畑勲が登壇し、応援スピーチを披露した。
高畑が強調したのは「アニメーションの嘘」の付き方だ。たとえば痛み止めとしてペニシリンを使うシーンがあるが、この時代にはまだ発明されていないもの。この作品にはそうした嘘が散りばめられているが、その嘘の付き方が気持ちいいと激賞した。
またミシェル・オスロ監督のアニメ映画『キリクと魔女』を引き合いに出しながらストーリーの単純さが持つ力強さが、韓国の李成疆(イ・ソンガン)監督のアニメ映画『マリ物語』やジャン=フランソワ・ラギオニ監督のアニメ映画『ブラックモアの島』を引きながら色トレスの表現が、また日本のアニメの伝統を参照しながら省力化の美学が語られ、本作の魅力が幅広く紐解かれた。
そして、そんな魅力あふれる本作にいまだ日本での配給がついていない現状を、繰り返し残念がってみせた。

最後に、TAAFのフェスティバルディレクターである竹内孝次から、「TAAF2017」の開催発表が行われた。開催は2017年3月で、これまで同様コンペティション部門には、60分以上の長編アニメーション部門と、30分未満の短編アニメーション部門があり、国籍やプロ・アマ・学生を問わず応募可能。募集は8月中旬より開始され、グランプリや優秀賞には賞金も贈られる。

なお、関連企画として、7月31日(日)には東京芸術大学横浜校地馬車道校舎にて、優秀賞を受賞した『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』の3D上映と、ティエン・シャオポン監督によるトークセッションも開催される。
《深井孔》
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