12月12日(土)に開催された、トキワ荘PJ(NPO法人NEWVERY)主催のマンガディベロッパーズカンファレンス(MDC)では、小学館の漫画編集者・武者正昭さんを招き、漫画編集者の仕事や過去の経験から得た学びなどについて話した。武者さんは30年のキャリアをもち、人気を誇るコミック『うしおととら』の藤田和日郎さんなど、のちの大物漫画家となる新人を発掘し、共に作品を世に送り出してきたベテラン編集者。その武者さんが語る漫画編集者の仕事や漫画づくりへの考え方を聞きくため会場には漫画家、編集者などが集まった。これまでの経験から導き出した武者さんは「仕事のパートナーとしてだけでなく、メンターとして漫画家を支えることが大切」。新人漫画家を発掘する際は自信をもって歩み出せるようトレーニングすること、単純にヒットを出せばいいわけではなく、精神面でも安心して作家業を続けられるよう漫画家をサポートすることが大切だという。漫画をみていく中で最も大切にしているのはセリフ。「うまいセリフをかく人は、最初はどんなに絵が下手でものちに必ずヒットを出している」と武者さん。うまいセリフをかけることは、キャラクターや構成もうまくできていることとイコール。そのキャラクターのセリフが「ね」「だよ」「か」で終わるのか、その一字一句で違いが出てくる。その主人公が言いそうなことをきちんと言えているか、読者が「このキャラクターはこういうことを言うのか?」と疑問をもつことなく納得してもらえるのか。全てのセリフが決め台詞だと強調。 もう一つの漫画制作のポイントは「聞く耳を持つ人は強い」。この「聞く耳」とは人の意見を聞きすぎることなく、それでいて必要だと思われる意見はしっかり取り入れるしなやかさのこと。自分のアイデアだけで作品を作り続けると同じパターンになってしまったり、新しいものを出し続けることが難しくなるため、柔軟でいることが作家人生を変えていくと話した。今回のセミナーも時間いっぱいになるまで来場者からの質問が次々と出され、漫画家や編集者らが新たな考え方や手段・方法を知れる、貴重な機会となった。 [川俣綾加]MDC:マンガディベロッパーズカンファレンスhttp://www.manga-dc.jp/[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載]
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