中国企業のエグゼクティブが語る中国のアニメビジネスの現状とメディア展開の未来 | アニメ!アニメ!

中国企業のエグゼクティブが語る中国のアニメビジネスの現状とメディア展開の未来

Happy Elementsが主催する「Happy Elements 日中デジタルエンターテインメント サミット」が2015年11月6日(金)には東京ミッドタウンにて開催された。

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頼喜満氏
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  • リー・ハオリン監督
中国・北京で2009年に創業したHappy Elementsは、創業からすぐさま日本進出を果たし、現在では北京、上海そして東京と京都に拠点を持つ企業へと急成長した。主にスマホアプリゲームを開発しており、配信アプリ「アニポップ」は中国では4億ダウンロードを記録するなど急伸企業だ。
そのHappy Elementsが主催するビジネスセミナーが開催された。2015年11月6日(金)には東京ミッドタウンカンファレンスルームにて日本企業が中国展開する際の課題や解決案を示すことを目指したサミット「Happy Elements 日中デジタルエンターテインメント サミット」だ。日中を熟知している企業として場を提供した形だ。

セミナーは2部制になっており、第1部では中国企業の幹部を招いて中国における現状を届けた。まずは主催者としてHappy Elements Asia Pacific 株式会社の代表取締役である頼嘉満氏よりあいさつがなされ、続いてマッキンゼー・アンド・カンパニーのグループリーダーを務めるジェイソン・リー氏、Entbrainsの創業者であるデヴィッド・ガオ氏、淘米のVice Presidentであるワン・ヤオ氏、繪夢動画CEOのリー・ハオリン監督の4名が代わる代わる登壇した。

出席したのはマッキンゼー・アンド・カンパニーのグループリーダーを務めるジェイソン・チー氏、Entbrainsの創業者であるデヴィッド・ガオ氏、淘米のCEOであるワン・ヤオ氏、繪夢動画CEOのリー・ハオリン監督の4名。

ジェイソン・チー氏は「中国デジタルコンテンツ産業が急成長している背景と収益性」という題名のもと、中国国内がいかに成長しているかを解説。中国ユーザーはハングリーであり、好みの変化におけるダイナミズムが日本とは比べものにならないくらい大きいということだ。
また2012年から2015年にかけて急成長したモバイルゲーム業界になぞらえ、アニメーション業界も同様の成長を見せるのではと予測した。中国では140億以上にのぼるオンライン小説がアップされていることも明かされ、ビジュアルを伴わないIPが豊富にあることもわかった。日本企業と手を組み、豊富なIPを映像化することが今後は可能では、と見解を示した。

デヴィッド・ガオ氏は「中国政府が海外のコンテンツホルダーに対して実施している政策」をテーマに登壇。中国エンタメ業界の現状を、人材が不足しており、制作されている作品数は多いが上質なものが少ないと分析している。そのため日本など高度な技術を持つクリエイターなどとの提携を進めることで中国の技術の底上げを図りたいと語った。
ワン・ヤオ氏は「中国におけるIPコンテンツのクロスメディア戦略」という講演を行った。講演でワン氏は日本の所持するIPを中国で制作し、広大な中国市場で展開させることや、中国および日中共同でIPを開発し、コンテンツ制作を日本で行い展開は世界市場へといった、相互の協力体制を敷いた新しいクロスメディアモデルを探ることが必要ではないだろうかと語った。

ハオリン監督の講演は「中国におけるアニメーション制作の特徴」というテーマだ。ネット配信アニメ『雛蜂 -BEE-』などを制作してきた実績をもとに、アニメーション制作の実情を語った。中国は当局の規制によって放送よりもオンラインの方が普及している。中国においてアニメーションのニーズが急増したのは2013年下半期からだという。
繪夢動画では年間10作のアニメーションを制作しているが、人材育成は追いついていないと語る。日中韓で協力体制をとり、作品の品質を上げると共に、高品質アニメーションの魅力で人材をひきつけられたら、と展望を語った。

日本企業が中国に進出する際には、文化や国民意識の違い、また急成長しているが故の需要・ニーズの急激な変化などに対して、さまざまなリサーチが必要であると同時に、中国企業と手を組むことで見つかる打開策もある。そう実感させられる有意義なサミットとなった。
第2部は日中企業のトークセッションとなったが、それはまた別個でレポートする。
[細川洋平] 

[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載]
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