コンテンツの違法アップロードは、長年、権利者のあいだで深刻な問題としてその対策が協議されてきた問題だ。2002年に設立され、2009年に一般社団法人となった「コンテンツ海外流通促進機構(CODA)」は、コンテンツの海外展開の促進とともに、違法アップロードをはじめとした海賊版対策を推し進めてきた団体である。2013年には経済産業省の呼びかけのもと「出張海賊版対策有識者委員会」を設置するなど、さらなる取り組みがなされてきた。このたびCODAの働きかけにより、著作権法違反の疑いで中国のウェブサイト「愛漫画」の責任者3人が逮捕された。「愛漫画」は2009年に開設されたウェブサイトで、漫画作品を無許諾でアップロード可能であったという。『ONE PIECE』や『NARUTO -ナルト-』といった日本をはじめ、韓国やアメリカなどの6000作品が掲載されていた。この違法サイトにより、運営元の「深セン市漫游文化科技有限公司」には、180万元(約3,600万円)もの売上があったと見られている。CODAは出版社5社にこのサイトに使用許諾を与えていないことを確認したのち、成都公安局に通知書を提出。それを受けて、公安局の特別捜査チームが責任者3人の逮捕に至った。なお、中国では海賊版が野放しになっているというイメージが根強いが、中国政府も対策には積極的だ。このたびの捜査にも、エリアを超えた捜査を認める「指定授権書」や特別予算が与えられている。海外における違法アップロード対策には、現地の政府機関の協力が不可欠である。CODAでは海外との協力関係を強化しつつ、今後も対策の強化を図るとしている。
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