さらに第1部のレンタル配信が9月16日よりスタート、10月2日にはBlu-rayとDVDが発売となる。
2009年に発表されたティーン向けSFスリラー小説を元にした本作は、全世界55カ国で大ヒットとなった。若者たちのアドベンチャーを描き、魅力的なキャラクターに溢れている。その一人、本作で重要な役割を果たす少年・ニュートを演じている山下大輝さんに、作品の魅力やアニメのアフレコとの違いについてお聞きした。
[取材・構成=川俣綾加]
『メイズ・ランナー』
http://video.foxjapan.com/release/mazerunner/special/
――変形する巨大迷路に閉じ込められる、という衝撃の世界を描いた『メイズ・ランナー』。アフレコ前にご覧になって作品をどう感じましたか?
山下大輝(以下、山下)
主人公のトーマスが突然グレード(広場)に放り込まれるシーンからスタートして「一体何が起きたんだ!?」と見ている人も思うはず。何もない原っぱで、周りは鉄壁に囲まれていて、自分は名前すら思い出せなくて……。「もしも自分がこんな世界に閉じ込められたらどうなるんだろう」と想像が膨らんで、ドキドキしましたね。すごく追い詰められた状況で
少年たちが協力しあって生活しているのはワクワクもすることでもあるし、この先どうなってしまうのか目が離せなくなりました。
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――もしも山下さんがこの巨大な迷路に閉じ込められたら、どんな風になると思いますか?キャラクターもそれぞれ色んな受け止め方をしていましたよね。
山下
どうなっちゃうんだろう? トーマスもすごく戸惑っていたし、僕もあんな状態になると思います。やっぱりパニックにはなりますよ、あんな場所にいきなり連れてこられたら、怖いです(笑)。もし中高生の頃に見ていたら今以上に感情移入して「こうなったらこう!」みたいなシミュレーションをしていたかも。
――山下さん演じるニュートは、トーマスよりも先に連れてこられてこの生活に慣れているというのもありますが、この状況でも非常に冷静な少年です。どう演じようと考えましたか?
山下
最初に映像を見たときは、中性的で可愛らしい顔立ちだなと。ニュート役のトーマス・サングスターさんの声は、少年から青年の間にある、どちらかというと男らしいナチュラルな声。けれどこの役がなぜ僕にきたのかを考えると、少年らしさを出すほうがいいんじゃないかと思いました。僕の声は高音域なので、低くするよりは地声に近いか、少し低いくらいがいいかな、と。
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――ニュートはこの少年たちの中ではどんな性格?
山下
彼は腕っ節が強いタイプではないんですよね、華奢だし。そう考えると、知的な参謀タイプなんだと思います。みんなで作戦を考えるときも一番冷静で、みんなが冷静じゃない状況でも1人だけ第三者の目線で見据えることができる人。少年ですが、精神面ではきっと一番大人です。少年たちも色々なタイプがいて、アルビーのような誰からも頼られる兄貴タイプ、ギャリーは本当は気が弱いのに相手を力でねじ伏せる、ジャイアンみたいなタイプですね。ミンホは考えるより先に体が動く切り込み隊長で、チャックはマスコットキャラクター(笑)。トーマスも思わず心を許してしまうほど。
――テレサは唯一の女性で、ちょっと異質な存在というか。
山下
テレサはミステリアスな登場の仕方でしたよね。そして美女! すごく素敵です。トーマスとテレサが迷路にやってきたことで物語が大きく動くので、そういった意味でも注目な人物です。
――こんな美女が少年たちの中に放り込まれたら、戦いが起きてしまう! と思いました(笑)
山下
そうですよね、普通なら奪い合いが始まってしまいます(笑)。目が覚めたテレサがパニックを起こして、みんなに石を投げつけながら「来ないで!」というシーンはすごく好きです。少年たちが慌ててちょっとコミカルで、シリアスなシーンが多い中ほんわかするシーンでした。そういった意味でもみんなの気持ちを動かしたのはテレサかもしれません。
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