「ハリー・ポッター」映画公開20周年記念・小野賢章インタビュー「後世にも伝わっていくことは、作品にとって幸せなこと」【金曜ロードショー放送】 | アニメ!アニメ!

「ハリー・ポッター」映画公開20周年記念・小野賢章インタビュー「後世にも伝わっていくことは、作品にとって幸せなこと」【金曜ロードショー放送】

映画『ハリー・ポッター』シリーズで約10年間、ハリー役の日本語吹き替えを担当した声優の小野賢章さんにインタビュー。

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「ハリー・ポッター」映画公開20周年記念・小野賢章インタビュー
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  • TM & (C) 2005 Warner Bros. Ent. , Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R
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J・K・ローリングによる大人気ファンタジー小説『ハリー・ポッター』シリーズ。第1作目である『ハリー・ポッターと賢者の石』は1997年に刊行されると世界的ベストセラーとなり、2001年にはその映画が公開となった。

主人公であるハリー・ポッター役の日本語吹き替えを担当したのは、当時12歳だった声優の小野賢章さん。シリーズ完結作である映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』までの約10年間ハリーの声を務めた彼だが、その間には成長による“声変わり”に葛藤した時期もあったという。

少年から青年、そして大人となった現在、小野賢章さんにとっての『ハリー・ポッター』をあらためて振り返ってもらった。

[取材・文:吉野庫之介]

『ハリー・ポッター』は自分の声の成長記録


――映画『ハリー・ポッターと賢者の石』が公開されてから今年で20周年を迎えますが、当時の思い出を教えてください。

オーディションを受けた際には本もすでに大人気になっていて、両親が好きな作品だったので、ハリー役の吹き替えに合格した時は僕よりも両親の方が喜んでいました。

当時の僕は小学生で、吹き替えのお仕事もほぼ初めてだったこともあり、収録にも結構時間はかかったのですが、子どもらしくお芝居であることをあまり意識せずに楽しく役を演じていたと思います。

――12歳という年齢で世界的話題作の主役の吹き替えを務めたことによる生活の変化や、役づくりで大変だったことはありますか?

作品の収録も1年に1度くらいの頻度だったので、そこまで大きな変化はなかったですね。知らない中学生の先輩から「お、ハリーじゃん!」と言われるくらいで(笑)。役づくりに関してもダニエル・ラドクリフくんのお芝居をよく見て参考にしながら演じていました。

――第3作目『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』のころからは成長過程での声変わりも印象的でした。

それまで高音の歌も簡単に歌えていたところから思うような音が出せなくなっていき、フラストレーションは溜まりましたね。

「声変わりのタイミング次第ではハリー役の吹き替えを変えるかもしれない」という話も聞いていて、実は『アズカバンの囚人』の収録前にはボイステストもあったんです。同じくらいのタイミングでロン役の常盤祐貴くんも声が低くなり始めていたので、一人だけではなくてよかったなと思います。

――アニメ作品でも同じキャラクターの少年期と青年期ではキャストを変えることが多いですからね。声優としても稀有な経験だったのでは?

しかも声変わり前の音が残っているというのもすごいことだなと。今の声と『ハリー・ポッター』の時の声を比較すると、声変わり後の音でも今より高く感じるので、自分の声の成長記録が見られる作品があるというのは嬉しいですね。



いろんな世界との繋がりを20年前から提示していた


――シリーズ全体の中でとくに好きなエピソードを教えてください。

僕は『賢者の石』の最後のシーンで、ネビルがダンブルドア先生から10ポイントを与えられてグリフィンドールが寮対抗杯に優勝する流れがすごく好きなんです。

勇気を出して行動したことが評価されるということを子どもたちに伝えてくれる作品だと思いますし、夢がある世界の中で、このまま仰々しいことが起こらずに終わってほしいなと見るたびに思います(笑)。

現在では全シリーズをいつでも見ることができますが、もしも小学生の時に『謎のプリンス』や『死の秘宝』を見ていたら、きっと展開に耐えられなかった気がするので……。

――シリーズ後半は辛い展開が多いですからね……。私も『賢者の石』を初めて見たのは小学生の時だったのですが、ダーズリー家での導入からホグワーツに入学して才能を発揮していくハリーの姿にワクワクしたのを覚えています。

外にはいろんな世界が広がっていて、それぞれが輝ける居場所があるということをホグワーツで伸び伸びと生活するハリーを通じて知ることができましたよね。今ではYouTubeやSNSなどでいろんな世界と繋がりやすくなりましたが、この作品は20年も前からそのことを提示していて、今見ても違和感がないというのはすごいことだなと思います。

――登場人物の中では誰が好きですか?

僕はネビルやロンがとくに好きですね。ネビルは美味しいところを持っていって活躍するようなキャラクターですが、それは周りを見て行動できる観察力があるからこそだと思います。

ロンはすぐに調子に乗ったりするダメなところも愛せるキャラクターで、シリーズを重ねるごとに成長して大人になっていくところもいいなと。あとはやはりハリーとハーマイオニーとの掛け合いが好きですね。

――シリーズの途中からは3人の仲が少し険悪になったりもしましたが、そんな学校内での人間関係が丁寧に描かれている点もこの作品の魅力に繋がっていますよね。

思春期特有の心情の変化や、ハーマイオニーのことを異性として意識するからこその仲違いというか。もしも男3人組だったら好きな子がかぶったとかで喧嘩になると思うんですけど(笑)、仲良し3人組の中に一人だけ女の子がいることによって物語が動いていくところも絶妙で、この作品の大切な要素になっていると感じますね。



後世にも伝わっていくことは、作品にとって幸せなこと


――吹き替え版ならではの楽しみ方を教えてください。

吹き替え版には今も活躍されている声優さんが数多く出演しているので、「この人も出ていたんだ!」という発見をしながらエンドロールまでお楽しみいただけるのではないかと思います。僕自身も当時は声優さんをあまり知らなかったので、今見返してみると驚きがあって楽しいですね。

――たとえば、ダンブルドア役の吹き替えを担当されている永井一郎さんは国民的アニメのお父さんのイメージが強かったのですが、『ハリー・ポッター』ではまた違う印象のお芝居をされていて、当時演じられていることを知った時は驚きました。

僕の中で永井さんはとても優しいお芝居をされている印象があって、「なにかあったとしてもダンブルドア先生がなんとかしてくれる!」という器の大きさを声で感じさせてくれる存在で。

大人になった今だからこそ、永井さんの偉大さをより感じますし、もっとお芝居についてのお話や『ハリー・ポッター』のころのお話をしたり、いろんな作品でご一緒したかったなと思います。

――映画公開から20周年を迎え、『ハリー・ポッター』は小野さんにとってどのような作品となりましたか?

やはり『ハリー・ポッター』は僕の中で特別な作品なんです。シリーズ公開から20年が経った今でもファンの方から「ハリー・ポッター好きでした!」と言っていただくことがありますし、金曜ロードショーでも定期的に「ハリポタ祭り」のような放送があって、そのたびにTwitterでコメントが盛り上がっていたり。

この長い人気の背景には、きっと当時の僕のように小学生のころから『ハリー・ポッター』に触れてきて大人になった世代の方々が、今度は子どもたちと一緒に作品を楽しんでくださっているからなのだろうと思いますし、そうして後世にも伝わっていくことは、作品にとって幸せなことだなと思いますね。



『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』

11月26日 よる9時00分~11時24分 ※放送枠30分拡大

原作:J.K.ローリング
監督:マイク・ニューウェル
脚本:スティーブ・クローブス

[出演]
ハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ/小野賢章)
ロン・ウィーズリー(ルパート・グリント/常盤祐貴)
ハーマイオニー・グレンジャー(エマ・ワトソン/須藤祐実)
ベラトリックス・レストレンジ(ヘレナ・ボナム=カーター/高乃麗)
ルビウス・ハグリッド(ロビー・コルトレーン/斎藤志郎)
ヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ/江原正士)
セブルス・スネイプ(アラン・リックマン/土師孝也)
ジニー・ウィーズリー(ボニー・ライト/高野朱華)

【ストーリー】
世界の三大魔法学校が魔力を競い合う伝説のイベント“三大魔法学校対抗試合”の開催が決定した。“炎のゴブレット”が各校の代表選手を選び出す中、立候補すらしていないハリー・ポッターがなぜか代表の一人に選ばれてしまう。かくしてハリーは、ドラゴン、水魔、心を惑わす生きた迷宮などの試練に挑み、その裏に潜む「声に出して呼べないあの人」の存在を感じながら、やがて自らの因縁と対峙していくのだった。J.K.ローリング原作の『ハリー・ポッター』シリーズ第4作目となる本作では、これまでのシリーズとは一変。ハリー、ロン、ハーマイオニーは少年期に永遠の別れを告げ、かつて想像さえし得なかった巨大な何かに挑んでいく。


『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

12月3日 よる9時00分~11時24分 ※放送枠30分拡大

原作:J.K.ローリング
監督:デイビッド・イェーツ
脚本:マイケル・ゴールデンバーグ

[出演]
ハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ/小野賢章)
ロン・ウィーズリー(ルパート・グリント/常盤祐貴)
ハーマイオニー・グレンジャー(エマ・ワトソン/須藤祐実)
べラトリックス・レストレンジ(ヘレナ・ボナム=カーター/高乃麗)
ヴォルデモート(レイフ・ファインズ/江原正士)
アルバス・ダンブルドア(マイケル・ガンボン/永井一郎)
シリウス・ブラック(ゲイリー・オールドマン/辻親八)
セブルス・スネイプ(アラン・リックマン/土師孝也)
ドローレス・アンブリッジ(イメルダ・スタウントン/小宮和枝)

【ストーリー】
ホグワーツ5年生となったハリーを出迎えたのは、周囲の白い目と新聞のふざけた見出し。ハリーがヴォルデモートの復活話をでっちあげたと書きたて、ハリー・ポッターならぬハリー・プロッター(策略家)と糾弾する始末。更に悪いことに、魔法省大臣コーネリウス・ファッジが闇の魔術に対する防衛術の新任教師として送り込んで来たドローレス・アンブリッジの“魔法省お墨つき”の授業は、ホグワーツに迫り来る闇の魔術に対しては不十分であった。そこでハリーはロンとハーマイオニーに説得され、有志を集めて“ダンブルドア軍団”を結成、厳しい監視の目をかいくぐりながら、きたる壮絶な決戦に備えるべく秘密の訓練を開始する。


TM & (c) 2005 Warner Bros. Ent. , Harry Potter Publishing Rights (c) J.K.R
TM & (c) 2007 Warner Bros. Ent. , Harry Potter Publishing Rights (c) J.K.R
《吉野庫之介》
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