山下
収録は1年ほど前になるのですが、吹き替え長編でメインキャラクターを演じるのはこれが初めてだったので、僕としてもチャレンジでした。アニメのアフレコだと画面に誰が喋っているのか表示されて、それに合わせて喋るのが一般的ですが吹き替えだとイヤホンで原音を聞きながらやるんです。
――耳で聞きつつ喋るのは難しそうです。
山下
色んなことに気を使いましたね。外画だと映像と合わせて、音声がすでにあるので、イヤホンで聞きながら「声以外ではこんな音が入ってるんだ」「BGMがここで入る」だとか、周りの音が大きいから小さな声で喋ると音がかき消されてしまう、など気にすることが違って。でもアフレコしてみて、俳優のみなさんが出している声よりも大きい声を意識しながらマイクに向かって喋ると、映像とアフレコ音声が合わさった時に良くなる、など色んな発見がありました。一番難しかったのは、オフのシーン。
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――喋っている人物は画面には映っていないけれど、喋っている声だけ入るシーンですね。
山下
そうです。音声だけで判断しなきゃいけないので、映像を見ていて「今喋ったの、誰!?」となったり、今かなと思って喋ると他のキャストさんの喋りとかぶってしまって「ああ~、ごめんなさい!」なんて。あとは、画面の中で動いているのは生身の俳優さんなので、アニメとは違った意識が必要でした。アニメだと振り向く時にブレスや「ん?」とひと声入れたりするのですが、吹き替えではそういったことはナシ。俳優さんのリアクションだけで伝わるところなので。
――10月23日からは『メイズ・ランナー2: 砂漠の迷宮』も公開されます。どんな話になるのか教えてください。
山下
世界がガラッと変わって、今度は砂漠が舞台。2を見たあとに『メイズ・ランナー』を見返すと「ああ、平和だな」って思っちゃいます(笑)。過酷な砂漠、そして他にも人間がいると思ったら……衝撃の展開で。全員命がけで走っていて、アフレコでも全員が走ってる芝居をするのでブース内の酸素がすごく薄かったです。アフレコの日は体力を使い果たしました。2から見ても楽しめますが、彼らがどんな風に絆を築いてきたのかを知った上で2を見るとより入り込めると思います。
――『メイズ・ランナー』ではどんなシーンが見どころでしょうか。
山下
みんなが無事脱出して、生き延びることができるのか。もう、その一点です。上から迷路を俯瞰して「こう行けばゴールできる」とわかるものでなく、目の前に巨大な壁が立ちはだかって、しかも変形する迷路。ゴールがあるのかもわからず、謎のモンスターまでいる壮大な脱出劇です。最後までみんなのことを見守って欲しいですね。その中で、ニュートは迷路の中でみんなと暮らしてきて、1人だけ表情も振る舞いも落ち着いている少年。目線や表情までじっくり見てください。
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――最後に、読者にメッセージをお願いします。
山下
アニメ好きの方は絶対に好きになる作品だと思います。そしてイケメンがいっぱいです!(笑) ザ・主人公なイケメンもいれば知的なイケメンもいれば体育会系イケメンもいて、目に嬉しい。きっと推しメンが見つかると思います。僕が声として表現できる部分とトーマス・サングスターさんのお芝居がマッチして、みなさんに楽しんでもらえたらとても嬉しいです!
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2015年10月02日発売(予定) 2枚組 希望小売価格 ¥3,990+税
(同時レンタル開始)
ブルーレイのみに収録、豪華特別映像
収録特典[ブルーレイ]
■未公開シーン集(ウェス・ボール監督による音声解説付き)
■迷路の世界:メイキング映像集
■チャック・ダイアリー
■NGシーン集
■VFXについて
■ショート・フィルム『Ruin』(ウェス・ボール監督による音声解説付き)
■ウェス・ボール(監督)と T・S・ノーリン(脚本)による音声解説
■スティル・ギャラリー
■オリジナル劇場予告編