「舞台 増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和」チープなセットで、リアルに笑えるギャグマンガの世界 | アニメ!アニメ!

「舞台 増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和」チープなセットで、リアルに笑えるギャグマンガの世界

連載・コラム

『舞台 増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和』(c)増田こうすけ/集英社 (c)「舞台 増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和」製作委員会
  • 『舞台 増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和』(c)増田こうすけ/集英社 (c)「舞台 増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和」製作委員会
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『舞台 増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和』シュール、理不尽、チープなセットで、リアルに笑えるギャグマンガの世界

高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 連載第143回
[取材・構成: 高浩美]

■ シュールで理不尽な展開がツボ、の『ギャグマンガ日和』

『ギャグマンガ日和』は一話完結型でサブタイトルが『増田こうすけ劇場』。『月刊少年ジャンプ』において2000年1月号から連載開始、休刊となる2007年7月号まで連載され、その後は『ジャンプスクエア』において2007年12月号から現在まで連載中。話数カウントは”第○幕”。2015年1月号からは『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GB』に改題されている。
2002年には『ジャンプフェスタ』で制作されたアニメが話題を呼び、2005年にはテレビアニメがキッズステーションで放送され、2006年には第2弾、2008年には第3弾が放送された。また2008年の夏休みに全15回、冬休みには全3回のWEBラジオが配信され、2010年には第4弾が『ギャグマンガ日和+』として放送された。
歴史的偉人や有名人たちが多数登場するが、だいたいがネガティブで卑屈な性格だ。安易なネーミング、理不尽な展開、とかなり特異でシュールな世界観。

舞台版には実際に誰が登場するのか、キービジュアルには聖徳太子、小野妹子、うさみ、クマ吉等のキャラクターがいる。
主演・普通田ふつお役(元は平田平男)にミュージカル『テニスの王子様』や『エア・ギア』等に出演歴がある鎌苅健太、舞台のオリジナルキャラクター・テンテンは原作の売れない歌手、牛山サキがモデル、演じるは新井ひとみ、1998年生まれで東京女子流の最年少メンバーで副リーダー。聖徳太子には西山丈也。ミュージカル『テニスの王子様』の金色小春役でデビュー、主に舞台で活動している。また、小野妹子役には橋本祥平、『ハイキュー!』に出演が決まっている。その他、舞台経験豊富な俳優陣が多数出演、どんな舞台になるのか、予測不能な期待感に満ちている。

■ 自分を捨てて、渾身の捨て身の演技、客席は笑いの連続!

ゲネプロ前に演出のなるせゆうせいが舞台に上がり、挨拶。「どうやってやるんだ~と言われ続けまして、チケットは(おかげさまで)完売いたしまして、ようやく初日を迎えることが出来ました……ゲネプロの方が緊張します。面白いところがあったら笑ってください」とコメントし、それからゲネプロが始まった。

出だしは普通田ふつおの独白なのだが、スポットライトが当たらない。当たらないどころか、スポットライトが当たっても大柄な男が前に立って「被ってるじゃないか~!!!」と絶叫。最初から、もう笑いの連続だ。セットのチープ感が作品世界にマッチ。この舞台版はなんと、ストーリーがある。
普通田ふつおはテンテンに恋をするが、その恋物語が主軸となる。お約束のキャラクターはどんな状況で登場するのか、普通田の夢だったり、突然出てきて絡んだり、原作も”なんでもあり”だが、こちらも負けないくらいに”何でもあり”だ。シュールで不条理な展開、○○○(放送禁止用語)の襲来により世界が終わる、という状況にも関わらず、普通田にとってはテンテンとつき合えるのか、ということが最大の関心事なのだ。奥手の普通田、テンテンにアプローチするも、上手くいかないどころか、状況はあらぬ方向へ、しかもかなり理不尽だ。
普通田の家族もなかなかにシュール。特に父親は、会社を辞めて、こちらも、”もうなんだか~”の方向へ。ファンならよく知ってる”ギャグ”、ちくわ大杉(かおり、みゆき、かずみが映像で出てくる)、アマンダさんと普通田の掛け合いは、原作そのもので、バカップルの頭かち割り、もはや”お約束”、聖徳太子と小野妹子が遣隋使で煬帝(実はタコタコ星人)に会ったり、また、うさみちゃんの名推理(?!)炸裂、クマ吉くんの”犯罪”(盗んだものは、もちろんスクール水着)等、原作を知ってるファンなら”あるある”を俳優陣が全力で”表現”する。普通田は、あるもの(もちろん、魚類)が刺さって、それがもとで絶命するも、成仏出来ずにウロウロ。地球は刻一刻と滅亡の時が迫っているにも関わらず、地上は危機感ゼロだ。

『ギャグマンガ日和』の世界を舞台で再現するための俳優陣の奮闘はもはや感動的。全力でお馬鹿をやるのは、なかなか大変なこと。もう全身で、自分を捨てて、渾身の捨て身の演技。ゲネプロにも関わらず、客席は笑いの連続だ。
だが、最後の台詞にははっとさせられる。「何かが終われば、何かが始まる」笑って、笑って、ラストはちょっとホロリ。面白い、可笑しいだけでない『ギャグマンガ日和』となっていた。なお、完売につき、9月19日の夜公演は全国19カ所の映画館でライブビューイングが実施される。

それにしても登場するキャラクターの多いこと。ざっとこれだけのキャラが登場するので、これから観劇するファンはもちろん、チケットが取れなかったファンは、これで”想像”してみて欲しい。
普通田ふつお(原作モデル・平田平男):鎌苅健太/テンテン(原作モデル・牛山サキ):新井ひとみ(東京女子流)/聖徳太子:西山丈也/小野妹子:橋本祥平
普通田父之介(原作モデル・ヨガ教室のお父さん):宮下雄也/うさみ:真凛/普通田ふつこ(原作モデル・魔法少女):中江友梨(東京女子流)/アマンダ:磯貝龍虎/クマ吉:ボン溝黒(カナリア)/男子トイレの精:真佐夫/鶴:才川コージ
式神ニャンコ:岡田地平/ラヴ江:小野由香/チンピラ:服部ひろとし/女王:佐藤蕗子(mizhen)/煬帝:ナカムラアツシ
フィッシュ竹中:安藤ヒロキオ/死神:市川刺身(そいつどいつ)/大林一郎:シカトホクト(ギャンブルグルーヴ)/ラーメンの精:山本成美。小振りな博品館劇場が笑いの渦に、濃密な空間なので、どっぷりと『ギャグマンガ日和』の世界に浸れること、間違いなし、21日までしか公演がないのが残念ポイントだ。

『舞台 増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和』
(c)増田こうすけ/集英社 (c)「舞台 増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和」製作委員会
《高浩美》
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