高浩美のアニメ・マンガ×ステージ 「K」「逆転検事」「テニスの王子様」 | アニメ!アニメ!

高浩美のアニメ・マンガ×ステージ 「K」「逆転検事」「テニスの王子様」

高浩美のアニメ・マンガ×ステージ 第174回

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高浩美のアニメ・マンガ×ステージ
第174回

■舞台『K -Lost Small World-』

人気シリーズの第3弾、今回は原作でも人気のあるキャラクターである八田美咲と伏見猿比古の出会いと別れの物語である。
2人が中学生の頃に遡る。八田美咲は勉強はイマイチだが、気のいい、男気のある奴だ。しかし、そんな性格にクラスメイト達がつけこみ、利用する。一方の伏見猿比古は転校生、無口でちょっと変わった性格、家が裕福なので、彼もまたクラスメイト達の標的にされ、金を巻き上げられたり、暴力を振るわれたりしていた。ちょうど伏見猿比古がからまれているところに八田美咲が通りかかり、正義感が強い八田は伏見を助けるが、結局2人ともボコボコにされてしまう。
閉塞感や無力感でやるせない毎日、性格も生い立ちも違う2人が共鳴し合うのに時間はかからなかった。「お前とだったら世界を乗っ取れる気がする、世界をひっくり返せる」と言う下りは、2人が何か大きなものに憧れる心情を表現する。
”Small World”、ささやかであるが、この中では自由な2人、しかし、それはうたかたの夢であった……。様々な事件が起こり、決別してしまうのは、運命なのだとしかいいようがない。すれ違いつつも、別れつつも、実は心の奥底で互いを思いやる。それは誰しもが持っていたかもしれないある種のノスタルジックな淡くもちょっと苦い思い出、2人の”Small World”は其々の心の底に深く沈んでいく。八田を演じる植田圭輔と伏見演じる安西慎太郎の息のあった芝居、その他の俳優陣もいつもとちょっと違う世界観であるが、上手く物語の中に溶け込んでおり、納得の出来映え。『K』の物語に入る前の”過去”、という設定なので、『K』の風景とはちょっと異なるが、この未来の物語『K』を感じることが出来る。アナログ的な手法の演出がこの過去の”Small World”にはよく合っていた。

さて10分という短い休憩の後は『BLACK DOG LIVE~from アイドルK』、アンサンブルの面々がまずはタキシード姿で登場、それから白い燕尾服の夜刀神狗朗役の荒牧慶彦が張り切って登場、そこに映像だけであるが、存在感たっぷりの松田凌も出てくる。そしてオールスターキャスト、歌って踊る、このショーだけにかき下ろされた楽曲もあり、30分ばかりの短い時間ではあるが、かなり密度濃くし上がっていた。

【公演データ】
舞台『K -Lost Small World-』 
原作:GoRA×GoHands  
『K -Lost Small World-』- 原作:壁井ユカコ(GoRA)
東京: 2016 年 7 月 22 日(金)~7 月 24 日(日) AiiA 2.5 Theater Tokyo
京都 :2016年7月30日(土)・7月31日(日) 京都劇場
http://www.marv.jp/special/stage -k/
(C)GoRA・GoHands/k-project
(C)GoRA・GoHands/stage k-project

■舞台『逆転検事 逆転のテレポーテーション』

大人気ゲーム『逆転裁判』、舞台化のみならず、映画化もされ、ゲームを知らなくても作品名は広く知られている。今回は今迄のシリーズとは異なり、検事の 御剣怜侍が主軸となり、事件を解決していく。ゲーム『逆転検事2』に収録予定だった幻のエピソードをベースにした舞台脚本として完全リニューアルされたストーリー。さらに舞台のみのオリジナルキャラクターも登場する。
まず、客席通路から主要キャストが登場、それから映像を使っての登場キャラクターの紹介、まずは劇場全体を温めてからのスタート。今回の物語の舞台はかなり田舎、ダム建設に反対する住民が立てたプラカードが見える。そんな田舎にスタジオを作って番組収録、これは”訳あり”な匂いがプンプン。番組収録の最中に、なんと番組の責任者の黒乃小雪が……死んでいた!しかもスタジオで!一同、大騒ぎ。 御剣怜侍、糸鋸圭介、矢張政志ら、おなじみのキャラクター達が、難事件に挑んでいく。

この逆転シリーズは基本的に会話劇である。ひとつひとつのやり取りの中で人間関係や思惑が見え隠れする。怪しげな地上げ屋や、一風変わった天間椿、テンション高い飛鳥井友郎らが物語をもり立てる。一見、スタジオで殺されたかに見えて実は違うと言う御剣怜侍。ジグゾーパズルのようにひとつひとつの”証拠”を丹念に集めて事件の解明に向かっていく。そんな状況でもお構いなしな大場カオルはここぞというタイミングで御剣怜侍を困らせる。またいい奴だが、ちょっとズレてる矢張政志やおっちょこちょいで頭の回転が遅い糸鋸圭介らが、イマイチ役に立たないのは”お約束”。ファンのツボを押さえつつ、キレのあるダンスを見せてくれるところもあり、エンターテイメント。悪人はおらず、基本は人情劇で歌舞伎でいうなら世話物、ラストは決してハッピーではないが、ホロリとさせられる。もちろん推理の要素はキッチリの1幕もの、サブタイトルの意味もラストで明らかに、もちろん、御剣怜侍の「異議あり!」の台詞も聞ける。和田の御剣怜侍は、まさに当たり役、脚本・演出は齊藤栄作。

【公演データ】
舞台『逆転検事 逆転のテレポーテーション』
2016年7月15日~24日
東京・六行会ホール
http://gyakutensaiban-stage.com/gyakutenkenji/
(C)CAPCOM / ADK Arts

■ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs氷帝

いよいよ待ちに待った氷帝登場、部員は約200名、その頂点に君臨するのが部長の跡部景吾だ。オールラウンダー中のオールラウンダーで凄腕で自信家、決め台詞は「俺様の美技に酔いな」。また、この公演で青学キャストが”卒業”、2015年2月から始まった3rdシーズンを支えてきた青学キャスト達の集大成となる。
公演時間はおよそ3時間弱の3幕、この氷帝戦の下りは見どころが多い。にわかダブルスを組むことになった菊丸と桃城、地道に練習を重ねてきた乾、身体が大きいパワフルな氷帝の樺地と対戦する河村等、楽曲とダンス、力のこもった台詞で表現する。跡部始め、個性的でめっぽう強い氷帝メンバーを相手に”死闘”を繰り広げる。ダンスも3rdステージの最初の頃から比べるとかなり難易度も上がり、細かい動きも多く、これだけ観ても圧倒される。

しかし、この回の最大のハイライトは手塚vs跡部だろう。1年生の頃、手塚は「青学の柱になれ!」、この言葉を託される。手塚はなんとしてもトップを目指さなければならないという気迫で跡部と真っ向から勝負する。勢いのあるナンバーとダンス、熱い言魂で表現するが、これこそが『テニスの王子様』の真骨頂と言えるだろう。もちろん、跡部も一歩も譲らない、互角の戦いは名場面、結果はどうであれ、ベストを尽くした者の表情は清々しい。 
今回も新曲がかなり”投入”されており、全部で11曲。氷帝メンバー、部長の跡部景吾役の三浦宏規、 2016年3月の公演『Dance with Devils』では立華リツカ表現役で華麗な舞を披露、この公演でも一分の隙もないダンスを見せてくれる。また対する手塚国光役の財木琢磨も、もう”手塚部長”にしか見えない。”スパイス的”存在の山吹中の面々もいつにも増して賑やかで楽しく、見応えのある氷帝戦であった。

【公演データ】
ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs氷帝
原作 許斐 剛『テニスの王子様』(集英社 ジャンプ・コミックス刊)
東京公演
2016年 7月14日(木)~ 24日(日)
TOKYO DOME CITY HALL
大阪公演
2016年 8月10日(水)~ 21日(日)
大阪メルパルクホール
名古屋公演
2016年 8月27日(土)~ 28日(日)
名古屋センチュリーホール
宮城公演
2016年 9月 3日(土)~ 4日(日)
多賀城市民会館 大ホール
福岡公演
2016年 9月10日(土)~ 11日(日)
福岡サンパレス
上海公演
2016年9月15日(木)~17日(土) 
美棋大戯院(MAJESTIC THEATRE)
東京凱旋公演
2016年 9月22日(木)~25日(日)
TOKYO DOME CITY HALL
公式HP http://www.tennimu.com/
(C)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト
(C)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会
《高浩美》
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