高浩美のアニメ×ステージ&ミュージカル談義[取材・構成: 高浩美]■ どれだけ魅力のあるキャストが揃ったかを是非、見て欲しいですねあの熱いロボットアニメ『天元突破グレンラガン』がGAINAX全面協力で初の舞台化となる。キャストは全てオーディションで選出、なかなかチャレンジャーな舞台であろう。応募総数はなんと約2000通!その中から選ばれたキャスト、キャラメイクビジュアル公開ではそのクオリティの高さが話題になった。演出はIZAM。2008年に演劇ユニット、ベニバラ兎団を旗揚げし、既成概念にとらわれない活動をしている。今回の舞台化は実はプロデューサーとしても名を連ねている。このオーディションはかなりエキサイティングだったようである。「キャストオーディションでは、2,000通もの御応募を頂き驚きました。オーディションは個性が出ますが終始、爆笑の2次面接オーディションとなりました。その後は一般投票数の多さにも驚きました。そして苦労というよりも、熱意のあるキャスト達を選んで落とさなくてはいけないという当たり前のことが苦しかったですね。でも、その後の全国投票戦をくぐり抜け、勝ち抜いたキャスト達がそれまでの沢山のキャストの想いを背負い舞台に立ちます。どれだけ魅力のあるキャストが揃ったかを是非、見て欲しいですね」と語ってくれた。2000人から選ばれたキャストの頑張りもさることながら、演出・プロデュースのIZAMの熱い想いのこもった舞台創りも見逃せない。■ 映像はアニメのものを使用、俳優陣のクオリティの高さ名台詞で劇場は『天元突破グレンラガン』の世界に!舞台セットはいたってシンプル。まず、カミナとヨーコのラブシーンから始まり、それからオープニング。こういった作品は派手な殺陣を見せてからオープニング、というパターンが多いが、冒頭からしっとりとした場面というのはなかなか心憎い。しかものっけから名台詞「10倍返しだ、戻ったら10倍返しだ。覚えとけよ」、さらにあの楽曲とキャラクター達が登場すれば客席はヒートアップ、作品世界へと観客を導く。ファンならよく知っている物語・エピソード・台詞でストーリーが進行する。オーディションを勝ち抜いたキャスト達はかなりのクオリティ。シモン役の伊藤孝太郎とカミナ役の本川翔太、その2.5次元ぶりはファンも納得の出来映え。1幕後半のカミナ、シモンの見せ所は、もうアニメの映像が脳内にダブってしまう程。それ以外のキャストもそのはまりっぷりがいい。オネエなリーロン役の澤田拓郎、キタン役の千葉誠太郎、ロシウ役の高崎俊吾はもう、“キャラ”そのものな佇まい。2幕に登場する螺旋王・ロージェノム役の藤井陸平、戦うシーンの型にキレがありしかも形もキマっており、流石の格闘家、もう舞台に出て来ただけで“強そう”。他の2.5次元舞台でもむちゃくちゃ強い悪役を是非とも演じて欲しい。映像はアニメのものを使用。舞台にする場合は映像を舞台向きに新たに創ったりするのだが、アニメのシーンを上手く俳優の動きに合わせており、イメージを踏襲することに成功、アニメを観た時のワクワク感と興奮を観客に与えている。もちろん、原作と同様に友情、仲間を信じる心、希望、夢といったメッセージもよく伝わり、作品をしらない観客にも興味が持てるようになっている。随所に『天元突破グレンラガン』ならではの名台詞が散りばめられ、それだけでもファンは嬉しい限りであろう。俳優陣の熱演はエネルギーとなって客席に伝わる。アクションシーンも健闘、演出家の構想2年の想いが結実、GAINAXとの強力なタッグを組んでの舞台化、出来れば続編を是非ともやって欲しい。ロビーでの原画展もなかなかレア、劇場に足を運んだらこちらも要チェック。舞台『天元突破グレンラガン~炎撃篇~』2014年10月22日~27日全労済ホール/スペースゼロhttp://officeendless.com/sp/gurrenlagann/舞台『天元突破グレンラガン~炎撃篇~』(C)GAINAX・中島かずき/アニプレックス・KDE-J・テレビ東京・電通 (C)天元突破グレンラガン~炎撃篇~製作委員会.
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