本作では、スポンジ・ボブたちが海の底の小さな町ビキニタウンから、世界を救うために海を飛び出す。これまで以上に楽しい冒険が飛び出しそうだ。
いつもテレビでファンが見るのは2Dのキャラクターだが、今回の『海のみんなが世界を救WOO(う~)~!』では3DCGアニメーションと実写が組み合わせられる。大物俳優のアントニオ・バンデラスが海賊バーガー・ビアードとなって、そのままの姿で敵役演じるのも話題だ。
そんな驚きが一杯の映画はどう創りだされたのだろうか?テレビシリーズでも活躍し、今回映画も監督したポール・ティビット氏が、『スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救WOO(う~)~!』をたっぷりと語った。
『スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救WOO(う~)~!』
5月16日(土)よりTOHOシネマズ、イオンシネマにて全国公開(一部劇場を除く)
http://www.spongebobmovie.jp

―どのような経緯で本作を監督することになったのですか。
ポール・ティビット(以下、P.T)
「スポンジ・ボブのテレビ番組を製作を担当していたときに、前回の劇場版を作ってから10年になるが、新作の劇場版を監督する気はあるか、と聞かれたんだ。
スポンジ・ボブの原案者であり、僕をこの仕事に推薦してくれたスティーヴン・ヒレンバーグと一緒にストーリーをどうするか話し合い始めた。当時テレビ用に検討していたストーリーで、もっと大きな話にできると感じたものがあったので、そのストーリーを練り上げていったんだ。」
―テレビシリーズの仕事から映画監督へ移行するのはどんな感じでしたか。
P.T
「何時間分ものエピソードを監督してきたので、それほど大きな飛躍とは感じなかったよ。確かに異なる側面もいくつかあったけれど、実質的にはテレビのスタッフを別の施設に移動させて撮影したんだ。」
―ストーリーと脚本作りには苦労しましたか。
P.T
(1話につき)11分のアニメ番組を85分の映画に引き伸ばすにあたっての課題、まず脚本の書き方が違うということだ。たとえば、テレビシリーズでは、意図的にほとんどのキャラクターをハイパーアクティブにしている。でも、そんな異常にテンションの高いキャラクターたちの長編映画で、観客をイラつかせないものなんてどう作ればいいんだ。
―アニメーションと実写を融合させるチャレンジには、どのように取り組まれたのですか。
P.T
「これまでにもアニメーションと実写の融合作品を作ってきたマイク・ミッチェルのサポートを得た。作品を二つに分けて、彼が実写部分の大半を撮影し、僕らがアニメとCGを作っていった。僕らが今までやったことのない作業では、マイクが大いに力になってくれた。ストーリーがまとまり始めてからは、本当に楽しかったよ。」

―メインキャラクターであるスポンジ・ボブの実写化が重要なポイントだったのでしょうね。
P.T
「その通り。でも幸いなことに、テレビシリーズの大ファンだったオーストラリアのCG制作会社Ilouraをはじめ、最高のスタッフがついていてくれた。最初は、実写のスポンジ・ボブがどんな風になるか多少不安もあったが、彼らはすぐに完璧なものを作ってくれた。最初の試作品を見た段階から肩の重荷が下りたよ。」
―今作を3Dで作るという決断に関してはどう思われますか。
P.T
「僕も3Dテストの結果を見るまではどうかな、と思っていたんだ。でも僕らの背景の描き方によって、予想もしていなかったような、とても豊かな作品になった。作品に奥行きが出たし、素晴らしい映像になった。
僕らは2Dの部分でも、番組とは違うものにするためにいろいろ取り組んだ。これなら映画館に来ないでテレビで見ればよかった、なんて思われないようにするためにね。照明のエフェクトを増やすといったことをしたんだ。」
―テレビシリーズのスピリットを映画でも保つことは重要なカギでしたか。
P.T
もちろん。パラマウントもそうすることに同意してくれた。映画化の際にいろいろな要素が失われないようにするのは難しいこともあるけれど、今回は番組のスピリットをうまく保つことができたと思うよ。
