5月9日から全国公開となった長編劇場アニメ『百日紅~Miss HOKUSAI~』が早くも海外から注目を集めている。2015年のアヌシー国際アニメーション映画祭長編部門のコンペティション選出に続き、カナダのモントリオール・ファンタジア国際映画祭のオープニング作品にも選出された。モントリオール・ファンタジア国際映画祭は、今年で19回目を迎える北米最大のジャンル映画の祭典として知られる。『百日紅~Miss HOKUSAI~』はこの開幕を飾り、さらにオープンニングナイトには話題のマーベル映画『アントマン』が続く。対照的な2つの作品が映画祭を華やかに彩る。海外からの関心が高まるなかで、5月7日には東京・有楽町の日本外国特派員協会で本作の試写上映会が開催された。また上映後には、原恵一監督による記者会見が行われ、多数の質問がされた。海外でも注目される原恵一監督に、日本の伝統文化である「江戸」や「浮世絵」が題材になっていること、主人公がこれまであまり知られていない女浮世絵師であることなどが関心を惹いたようだった。原監督は主人公をお栄としたことについて、原作者である杉浦日向子へのリスペクトを語った。原作は北斎や善次郎を中心としたエピソードもある群像劇である。それをお栄にスポットを当てたのは、お栄が杉浦自身を投影しているのでないかと考えたためだという。また杉浦の原作について、これまでの時代劇では描かれなかった江戸庶民が楽しく生きている様子が伝わると話す。冒頭の音楽にロックを持ってきたのはなぜかとの質問には、お栄がロックな女性であることを示したかった、そして杉浦日向子がロック好きだったことも理由に挙げた。原作とやや異なった点は、妹・お猶のエピソードによりフォーカスした点だ。原作にない雪合戦のシーンの挿入について訊かれると、お猶のエピソードをクライマックスにしようと決めたことから、お栄とお猶の関係をより確かにしたいと描いたと語った。杉浦の原作の持ち味、原監督の演出の巧みさが見事の融合した部分だ。原監督は自らの映画づくりについて、こう語って締めた。「安心、安全に意味はない」「何かに挑戦したい」と。ファミリーキッズの『クレヨンしんちゃん』、文学的な香りを漂わす『カラフル』、実写映画『はじまりのみち』、そして今回の『百日紅~Miss HOKUSAI~』まで、変化自在の原恵一の映画の魅力はここにある。『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』5月9日(土)TOHOシネマズ日本橋、テアトル新宿ほか全国ロードショーhttp://sarusuberi-movie.com/
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