映画「カイト/KITE」原作者:梅津泰臣インタビュー“原作へのリスペクトに溢れた実写化” 2ページ目 | アニメ!アニメ!

映画「カイト/KITE」原作者:梅津泰臣インタビュー“原作へのリスペクトに溢れた実写化”

日本アニメの傑作が海外で実写映画化された。『カイト/KITE』が4月11日より全国公開する。公開に先立ち、原作者の梅津泰臣さんに映画の見どころ、実写化の意義などを聞いた。

インタビュー
注目記事
■ 『A KITE』の位置づけ

――今回ハリウッドの実写映画化で、あらためて梅津監督の海外での人気を感じました。ご自身的には海外の評価をどうとらえていますか?

梅津
『A KITE』の何が気に入って実写化したのか? 僕の原作・演出のどんなところに反応したのか? 実のところ自分ではよく分かりません。

――海外ファンからのリアクションはいかがですか?

梅津
当時からファンレターはときどきいただいて、よく彼らは「クールだ」という表現をされます。また仕事で北米の方たちと一緒に仕事をするときも、必ずと言っていいほど『A KITE』の話がよく出て「クールだ」と評価される。ただ、我々が使うクールとは少しニュアンスが違っていて「日本語に訳せない」らしく、そのあたり難しいところです。

/

――梅津監督というと、18期禁向けの『A KITE』や『MEZZO FORTE』(00)のような「セックス&バイオレンス」といったイメージを持つファンも多いと思いますが、ご自身的にはいかがですか?

梅津
『A KITE』や『MEZZO FORTE』に関しては、18禁アニメの場合、「エロ」という要素を踏まえれば企画を自由につくることができる。そういう「条件」のもと僕のオリジナルを発表したというだけなんです。でも作品のインパクトが強過ぎた、ということですよね。『MEZZO FORTE』はエロの要素を抜いても成立する作品で、のちに続編としてTVシリーズ『MEZZO-メゾ-』(04)をつくりました。

――近年も『ガリレイドンナ』(13)や『ウィザード・バリスターズ~弁魔士セシル』(14)のように、オリジナル作品を意欲的に作られています。

梅津
『ガリレイドンナ』と『セシル』で20代のファンの人たちが増えきました。ただ、『A KITE』や『MEZZO-メゾ-』を見てきたファンからは、ああいったもっと過激でアグレッシブな作品をもう一度見たいと言われますけど(笑)。

/

――今振り返って、梅津監督にとって『A KITE』はどのような作品でしょうか?

梅津
とても重要な作品ですよね。OVAということもありクオリティとして満足につくれたわけではないですが、当時自分がやりたいと思っていたテーマ、要素を詰め込められたオリジナル企画だったので。

――では最後にあらためてメッセージをお願いします。

梅津 
映画『カイト/KITE』は、原作アニメで描かれたテーマやニュアンスがちゃんと織りこめられています。サワ役のインディア・アイズリーも可愛らしく魅力的なので、生身の人間が演じる実写ならではの世界観を楽しんで欲しいです。

映画『カイト/KITE』
4月11日(土)全国ロードショー
http://kite.asmik-ace.co.jp/

[出演]
インディア・アイズリー、サミュエル・L・ジャクソン、カラン・マッコーリフ
監督:ラルフ・ジマン
原作:梅津泰臣「A KITE」

/
《沖本茂義》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集