■ 根っこは“青春もの”。悩み、傷つき、成長する“王道”の物語初日は『青の焔 覚醒編』。物語の導入には主人公・燐が自分は悪魔の落とし子と知る下りを冒頭にもってくる構成でわかりやすい。オープニングはアニメシリーズのイメージでキャラクターが登場し、タイトルロール、そして物語が進行する。素直に生きる燐、育ての親を失い、己のアイデンティティを探す苦悩、弟との関係等が描かれる。兄・燐とは正反対のクールで切れ者の弟・雪男。お騒がせだが、“いい奴全開”な兄を想う気持ちは人一倍。個性的なクラスメイトたちもそれぞれに悩み、弱みがある。燐は生い立ち故に孤独も感じるが同時に育ての親、弟始め周囲の愛を感じながらも運命に立ち向かう。エピソードも整理されてスピーディーに進行。初日は拍手が5分以上、手応えを感じたであろう。23日は『京都 不浄王編』の“初日”。封印されていた「不浄王の左目」が奪われる。犯人は藤堂三郎太。祓魔師なのだが悪魔落ちしたのだった。燐たちは封印されている「右目」の警護のため、京都出張所に赴く。京都出張所は構成員のほとんどが「明陀宗」という宗派に属しており、そこの頭首はクラスメイトの竜士の父・達磨。彼の行動は不可解で僧正家の宝生蝮は達磨に疑念を抱き、右目を藤堂に渡してしまうのだった……。自信喪失に陥る燐。達磨の手紙で父・獅郎と達磨、降魔剣とのつながりを知る。過酷な状況でもピュアな心を持つ燐。ちょっとおバカなところもあるが、そんな兄・燐と弟・雪男との関係が泣ける。竜士始め、クラスメイトたち、時には燐と反目しあうが、友情と絆は揺るがない。周囲にいるシュラ始め、京都出張所の面々も燐の良さがわかっている。ラストは自信を取り戻した燐が不浄王に立ち向かうところや、京都出張所の面々、雪男のアクションシーンは見せ場。雪男役の井上正大、公式プロフィールにはテコンドーが趣味と書いてあるが、キックの打点が高く、趣味の域を超えている、と見た。幕切れ近く、憎まれ口を叩く雪男には燐に対する愛があふれている。「青の焔 覚醒編」「京都 不浄王編」通して、メフィスト役の汐崎アイルの弾けっぷりが楽しい。「京都 不浄王編」では狂言廻し的な役割で舞台のアクセントに。燐役・崎本、雪男役・井上、どちらもファンを裏切らない“2.5次元ぶり”。コミカルな燐と冷静な雪男の息の合った掛け合いは仲の良さを感じる。クラスメイトたちもキャラクターを体現。アンサンブルはよく働き、アクション、ダンスと大活躍。動くセット、映像、イリュージョン、効果音、アクション、合わせるだけでも大変だったと思う。とりわけ、雪男のガンアクション、効果音もあるので、相当練習した後が伺える。友情・信頼・絆といったテーマが盛り込まれており、共感出来る。燐、雪男、そしてクラスメイトたち、獅郎、皆、悩みやコンプレックス等を抱えている。『京都 不浄王編』で燐は「自分はバケモノだ」と叫ぶ。そんな燐を抱きしめる杜山しえみ、悪魔の落とし子と知っても変わらない友情を体現している。ダークファンタジーであり、サスペンスホラーでもあるが、根っこは“青春もの”。悩み、傷つき、成長する“王道”物語である。舞台『青の祓魔師』「青の焔 覚醒編」「京都 不浄王編」6月21日~29日サンシャイン劇場/http://www.aoex-stage.com舞台『青の祓魔師』「青の焔 覚醒編」「京都 不浄王編」(C)加藤和恵/集英社・舞台「青の祓魔師」製作委員会
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