「魔法の天使 クリィミーマミ」キャラクターデザイン・高田明美さんインタビュー “いつも、ホームグラウンドのように心の中に。” | アニメ!アニメ!

「魔法の天使 クリィミーマミ」キャラクターデザイン・高田明美さんインタビュー “いつも、ホームグラウンドのように心の中に。”

『クリィミーマミ』のキャラクターデザインを手がけた高田明美さんにインタビューを敢行。マミ誕生秘話や描く際に気をつけているポイント、など様々な話を伺った。[取材・構成:細川洋平]

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2013年にテレビ放送開始30周年を迎えた『魔法の天使 クリィミーマミ』。ぴえろ初のオリジナル作品として生み出された本作は、幅広い層から支持を集め、最終回では視聴率20%超を記録。人気、内容共にエポックメイキングな魔法少女アニメとして、現在に至るまであらゆるメディアでパッケージ化されてきた。そして2014年5月にはついにBlu-ray Boxでのリリースとなる。
『クリィミーマミ』のキャラクターデザインを手がけたのはイラストレーターの高田明美さん。アニメ版『機動警察パトレイバー』、『うる星やつら』、『きまぐれオレンジ☆ロード』など、多くのキャラクターデザインで知られる高田さんにとって、『クリィミーマミ』は初めて手がけるオリジナルアニメ作品だった。
この度、高田明美さんにインタビューを敢行。マミ誕生秘話や描く際に気をつけているポイント、そしてBoxにこの度初めて収録されたオーディオコメンタリーのことや「かわいい」とは何か? といったところまで、様々な話を伺った。
[取材・構成:細川洋平]

高田明美(たかだ・あけみ)
イラストレーター/宝飾デザイナー。タツノコプロを経てフリー。主なキャラクターデザインに『魔法の天使 クリィミーマミ』、TVアニメ『うる星やつら』、『機動警察パトレイバー』、『魔法のステージ ファンシーララ』などがある。

■ オフィシャルブログ
/http://ameblo.jp/angel-touch/
■ クリィミーマミ関連情報Facebook「CreamyMami's MagicalStar」
/https://www.facebook.com/pages/CreamyMamis-MagicalStar/227677953913100

「魔法の天使クリィミーマミ」30周年記念 高田明美原画展&プレミアムショップ
OSAKA マンガ・アニメフェスティバル in ATC 4月19日(土)~4月30日(水) アジア太平洋トレードセンターITM棟 5階 特設会場
マルイシティ渋谷  5月23日(金)~6月15日(日)  マルイシティ渋谷9階特設スペース

■ ぴえろのつながりから始まった『クリィミーマミ』

―アニメ!アニメ!(以下、AA)
まず『魔法の天使クリィミーマミ』という作品に関わられた経緯をうかがいたいと思います。

―高田明美(以下、高田)
『クリィミーマミ』を作ったぴえろの布川ゆうじさん(※1)とはタツノコ時代からのお知り合いでした。ぴえろでは『うる星やつら』や、もっと遡ると創業したばかりのぴえろのパイロットフィルムでキャラクターデザインもしていました。そうしたつながりや「少女ものをやるんだったら、デザインは女性がいいのでは」と声をかけていただいたんだと思います。

abesan―AA
キャラクターデザインが決定するまでは苦労されましたか。

―高田
絵が決まるまでは長い道のりでした。ラフスケッチから描いては持って行って、打ち合わせを重ねます。そこから新しいパターンを出してと繰り返します。打ち合わせに何度も通っていたのは、ぴえろ側からは私と伊藤(和典)さん(※2)だけでした。私はキャラクターデザインを、伊藤さんは設定のアイデアを煮詰めるために通いました。

―AA
デザインを練る期間は、どのくらいかかったのでしょうか?

―高田
なにしろ30年以上前ですので(笑)。描いては持っていって持ち帰るというのを4、5回ぐらいでしょうか? それ程時間があった訳ではなく描いては打ち合わせだったじゃないかなとは思います。
ただ、先日ラフスケッチがうちでごっそり出てきたんです(※3)。厚さだけでも5センチくらい。

―AA
すごい量ですね。

―高田
ええ。出てきたのは『クリィミーマミ』の絵だけじゃないんですけど、それでも当時ラフはかなりの量描きました。

■マミの髪のシルエット、色が決まるまで

―AA
キャラクターデザインでやはり目を惹くのはマミの髪の毛です。あのシルエットや紫(藤色)はどういった経緯で決まったのでしょうか。

―高田
いろんなパターンを描いていく中で、ある時踊りながら歌っている絵を提出したんです。ふわっと髪の毛がなびいた絵だったのですが、驚いたことに「この感じがいい」と言われたんです。瞬間を描いた絵だったのですけど、「これがいい」と(笑)。その後、三面図に起こすのがすごく大変でした。
髪の色も並行して決めて行きました。マミはオレンジ色や黄色で塗ったパターンもあるんです。いろんな色の中で「(薄紫色が)一番変わってる」ということで選ばれたのかもしれません。
今にして思うと、青緑(優の髪の毛)と薄紫色(マミの髪の毛)というのは一緒に並べても違和感のない組み合わせで、その後描く時にも非常によかった。着せる服の色もたくさんあるんですよ。ピンクにも黄色にも、水色にも合うんです。その後の『ファンシーララ』ではそういった経験を忘れていて、物語の世界感に併せてリアル目の色にしたので、ララとみほを一緒に描く時に服の色との組み合わせには苦労しました。

―AA
デザインや髪の毛、色の最終決定はどなたがされたのですか?

―高田
バンダイの女児玩具部の方です。ステッキやコンパクト、マイクといったアイテムのデザインがそもそもバンダイさんですから、おそらくその組み合わせで色なども選んだのではないでしょうか。ピンク色のアイテムが多かったですから。

fd


《animeanime》
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