高田明美さんインタビュー後編 “いつも、ホームグラウンドのように心の中に。”「魔法の天使 クリィミーマミ」キャラクターデザイン | アニメ!アニメ!

高田明美さんインタビュー後編 “いつも、ホームグラウンドのように心の中に。”「魔法の天使 クリィミーマミ」キャラクターデザイン

『魔法の天使 クリィミーマミ』のキャラクターデザインなどで知られる高田明美さんに『クリィミーマミ』について伺ったインタビューの後編。マミ誕生秘話や現代性などを語っていただいた。[取材・構成:細川洋平]

インタビュー
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『魔法の天使 クリィミーマミ』のキャラクターデザイン、アニメ版『機動警察パトレイバー』、『うる星やつら』、『きまぐれオレンジ☆ロード』などで知られる高田明美さんに『クリィミーマミ』について伺ったインタビューの後編。
マミ誕生秘話や、キャラクターの現代性などについて語っていただいた。
[取材・構成:細川洋平]

高田明美(たかだ・あけみ)
イラストレーター/宝飾デザイナー。タツノコプロを経てフリー。主なキャラクターデザインに『魔法の天使 クリィミーマミ』、TVアニメ『うる星やつら』、『機動警察パトレイバー』、『魔法のステージ ファンシーララ』などがある。

■ オフィシャルブログ
/http://ameblo.jp/angel-touch/
■ クリィミーマミ関連情報Facebook「CreamyMami's MagicalStar」
/https://www.facebook.com/pages/CreamyMamis-MagicalStar/227677953913100

「魔法の天使クリィミーマミ」30周年記念 高田明美原画展&プレミアムショップ
OSAKA マンガ・アニメフェスティバル in ATC 4月19日(土)~4月30日(水) アジア太平洋トレードセンターITM棟 5階 特設会場
マルイシティ渋谷  5月23日(金)~6月15日(日)  マルイシティ渋谷9階特設スペース

■ 現代にも通じるキャラクター

―AA
高田さんは長年『クリィミーマミ』の絵を描かれています。その中で画材やタッチの変化もあったと思いますが、『クリィミーマミ』を成立させる軸は何だとお考えでしょうか。

―高田明美(以下、高田)
やっぱり髪、でしょうか。シルエットにしてもふわりとした前髪と後れ毛があったらマミだと思ってくれますし、あとは何と言っても色ですね。他に同じ色のキャラクターがいないので極端に違うヘアスタイルにしても成立するんです。ファッションによって髪型を変えたりするんですが、それでもマミになる。紫というのは大きなポイントだったと思います。

―AA
キャラクター達の柔らかい色遣いは『クリィミーマミ』の世界観をよく表していますよね。

―高田
私にとっても初のオリジナル作品なので好みの色、パステル調というのがかなり出ていると思います。あと、アニメでは小林七郎さん(※4)による水彩の美術というのもかなり印象は大きいと思うんです。手描きの優しい美術があって、その上にキャラクターが乗る。もちろん美術というのは工程でいうとずっと後に出てくるものなので、デザイン上では意識したわけではないんですけど。

―AA
『クリィミーマミ』は今やファッションアイテムとしても人気が高く、原宿系といった若い女の子からの支持も集めています。

―高田
ファッションは周期で回ってきたりしますよね。サイクルも年々早くなっている印象があります。その中でも特に女の子の好きなパステルカラーがメインだったというのが人気の要因としてあるのでないでしょうか。
『クリィミーマミ』という作品自体かなりリピートが多くて、男性ファンの年齢層では30代、40代が多いんですけど、女性ファンは10代から40代までと広いんですよね。身近では、お母さんが連れていらした6歳の女の子が「マミちゃんかわいい~」って言ってて。マミのかわいさには普遍性があるのかなと思っています。

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■ かわいいとは、守りたくさせる何かをエレガントに外へ出したもの

―AA
マミのかわいさというのはどう意識して描かれているのでしょうか。

―高田
絵の“かわいい”“かわいくない”は、生まれつきなんじゃないかなと思っています。絵って心の中のものが出るんですよ。1人ずつ性格が違うように、心の中で「カッコいい絵が描きたい」とか「不気味なのがいい」とかありますよね。
マンガ描く人も、自分の心の一部がそれぞれ作品になってるわけですから。だから「マミがかわいい」と言っていただけると自分の内面を褒められているみたいで嬉しいです(笑)。

―AA
高田さんが投影されている、ということですね。

―高田
若い頃は何も考えずに描いて、かわいいねって言われていたんですけど、そのうち「じゃあその『かわいさ』というのはいったいどういうものなんだろう」と考えるようになりました。辿り着いたのは、「かわいさというのは、守りたくなるような弱さ、そういうものをエレガントに外に出したもの」ということ。私、戦闘系の美少女は描かないんです。美少女はそもそも戦わなくて済むと思うから。殴りかかろうとしても、相手がかわいい子だったら思わず止めちゃう。かわいいにはそういった平和な力があると思うんです。
世界を融和したい、みんなを明るい気持ちにしたいという平和な感情が「かわいい」には宿っていて、マミのような作品はずっと引き継がれていくのではないかなと思います。

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《animeanime》
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