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「銀の匙 Silver Spoon」吉田恵輔監督インタビュー:酪農と青春はいかにして映画になったのか

3月7日、映画『銀の匙 Silver Spoon』が全国公開となる。実写映画化に挑んだのは近年注目を増している吉田恵輔監督である。吉田監督に映画のはじまりから現在までを伺った。

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吉田恵輔監督
  • 吉田恵輔監督
  • 映画『銀の匙 Silver Spoon』(C)2014 映画「銀の匙 Silver Spoon」製作委員会 (C)荒川弘/小学館
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■ 家畜は、こちらの時間に合わせない

-アニメ!アニメ!(以下AA)
今回は、ほぼ北海道ロケですか?

-吉田恵輔監督(以下吉田)
全部です。

-AA
普通よりも時間がかかっているのですか?

-吉田
かかっています。けれど、出てくるシーンは少ないです。同じ場所が結構多いですから。学校もあるので、まとめて撮りやすいのはありましたが、動物が絡む場面は時間はかかりました。
基本的には、夜があまりないんです。だから朝は早くて、飲み屋が始まった頃にちょっと飲んで寝るという作業を繰り返していました。すごく健康的な(笑)
家畜の時間帯に合わせないと駄目なんです。

-AA
家畜が稼働してくれないみたいな感じですか?

-吉田
こちらの都合で餌をあげられないんです。乳を搾る時間もその時間に合わせてです。酪農って朝早いんですよ。そのタイミングに撮るから、準備はそれより前です。
朝の6時前から準備します。「9時にそれしません?」っていうのはできないので、すごい早起きです。

■ いろいろやってみたうえで、自分のやりたいものを選択すればいい。

-AA
前作の『麦子さんと』では、サブカルチャーぽいテーマで映画を撮られています。監督自身にオタク的なポイントはあるのですか?

-吉田
自分がオタクかどうかは分からないですけど、アニメはすごく好きです。
『麦子さんと』では、自分の作りたい萌え系アニメをプロダクション I.Gに作ってもらって、それが劇中に出てきます。女の子が出てくるアニメは、すごく好きですね。

-AA
今後もっとハッチャけたエンタテインメントの映画を考えられたりしますか。

-吉田
いや、逆ですね。今回はこういう風にやったので、真逆に行きたくなります。それをやったらまた戻りたくなるのだろうけど。同じものをやるのが飽きっぽいので、いまはエンタテインメントの真逆を行きたいです。

-AA
今回の『銀の匙』は、自身のキャリアの中で、どう位置付けられますか?

-吉田
あまり考えてないです。巡り合わせだと思っています。ただやったことのないことを、やるチャンスだったので、『銀の匙』をやったことで見え方もだいぶ変わったと思います。
原作のある全国区の映画を経験したうえで、また小さい映画をやるのか、またこういう映画をやるのかと考えることが出来ます。

-AA
自由自在ですね。

-吉田
そうですね。やったことないのを「やんなくていいや」というのでなく、いろいろやってみたうえで、自分のやりたいものを選択すればいいなと思っています。

-AA
今後の活躍を期待しております。どうもありがとうございました。 


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『銀の匙 Silver Spo』
2014年3月7日全国東宝系ロードショー
/http://www.ginsaji-movie.com

監督:吉田恵輔

〔出演〕
中島健人
広瀬アリス 市川知宏 黒木 華/上島竜兵 吹石一恵 西田尚美 吹越 満
哀川 翔 竹内 力 石橋蓮司/中村獅童

主題歌: ゆず「ひだまり」(セーニャ・アンド・カンパニー)
原作: 荒川 弘「銀の匙 Silver Spoon」(小学館「週刊少年サンデー」連載)
《animeanime》
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