『千年女優』という映画を鑑賞する現実としての私たち、その映画のなかで女優として映画を創り出す藤原千代子、さらにその映画が千代子の人生と交錯していく複雑な入れ子構造になっている。
『千年女優』の世界での現実は、主人公であり、伝説の女優として登場する藤原千代子の人生である。そして混ざり合っていく虚構は、千代子の演じてきた映画だ。
本編に登場する映画が、また魅力的だ。時代劇から青春もの、人間ドラマ、さらには特撮まで幅広い。映画は劇中劇であると同時に、そのエピソードが千代子の現実の人生と重なる。次々と走馬灯のように繰り広げる数々の作品が、『千年女優』を彩る。
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本作の重要な要素になっているこれらの映画だが、本編のなかにいくつものタイトルが登場している。そのタイトルや、設定が気になるファンも多いに違いない。
今回、『千年女優』のBlu‐ray発売にあわせて、この気になる劇中映画のために制作されたポスタービジュアルをお借りした。現実には存在しない映画たちのポスターである。
全て今 監督自身が描いたという貴重なものだ。
タイトルは、『あやかしの城』、『ギガラ』、『トラック大将 純情街道爆走編』、『めぐり逢い』、『化石の家』、『学舎の春』、『君を慕いて』、『傑作黒天狗』、『紅の華』、『女の庭』、『傷痍の勇士』、『真夏の水平線』、『雪の絶唱』、『千代子忍法七変化』、『島原純情』、『東京のマドンナ』、『遊星Z』。
これらをここで紹介したい。
これらのポスターは各作品に相応しビジュルを使っているだけでなく、それぞれに監督や原作者、共演者なども書かれている。さらにキャッチコピーまで添えられたものもある。
劇中映画のポスターをみながら、あらためて『千年女優』を振り返りたい。
次ページ以降、劇中ポスターを紹介!
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『千年女優』特集ページ展開中
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