メディア芸術祭アニメーション部門大賞 「はちみつ色のユン」のユン監督 「自分を再生することができた」
第17回文化庁メディア芸術祭の受賞作品展が2月16日まで国立新美術館などで開催。展示に先がけ「はちみつ色のユン」でアニメーション部門大賞受賞のユン監督が記者の質問に答えてくれた。
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[川俣綾加]
「はちみつ色のユン」は、朝鮮戦争後の韓国からベルギーのある一家に養子として迎えられた「ユン」が、肌の色が異なる両親と4人の兄妹たちと生活を送る中で、自分が何者なのかを意識し始める――というユン監督の半生を描いたマンガをもとに、ドキュメンタリー映画を手掛けるローラン・ボアロー監督と共同制作した作品だ。
5歳でベルギーの家族の一員となったユン監督は、長らく自分が韓国出身であることを拒否しつつけてきたという。しかし作品を制作する過程で、監督自身に大きな変化が訪れたようだ。
「子どもの頃から絵で自分の内にあるものを表現していました。ストーリーは『自分はどこから来たか』などルーツを探る内容で、僕は自分の出自を拒んでいたと思います。今回、『はちみつ色のユン』という作品にしたことでこれまで自分が隠したいと思っていた生まれや育ちを受け止め、自分自身を再生させることができたと思います。今はとてもフリーな気持ちです」
日本の文化にも影響を受けたというユン監督は、18歳で初めて来日した時に『AKIRA』(大友克洋)を購入、ベルギーに持ち帰ると友人達の間でたちまち人気となり1カ月もしないうちに本がボロボロになってしまった、というエピソードを披露してくれた。
アニメでは宮崎駿監督と高畑勲監督の詩的な表現に惹かれ、「火垂るの墓」に大きな影響を受けたという。
今回の国立新美術館でのメディア芸術祭受賞作品展は、昨年のパネルで仕切られた画廊風の展示から、仕切りを排除した解放感ある空間に作品を展示している。会期は2月5日(水)から2月16日(日)までで、国立新美術館ほかで開催されている。
文化庁メディア芸術祭
/http://j-mediaarts.jp/
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