松来未祐から広がる思い、愛悼イベント「サンキュー39!未祐ちゃん」で難病の周知をより多くの人に | アニメ!アニメ!

松来未祐から広がる思い、愛悼イベント「サンキュー39!未祐ちゃん」で難病の周知をより多くの人に

「未祐ちゃんが好きすぎて、未祐ちゃんに会いたくて始めたイベントです」

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「未祐ちゃんが好きすぎて、未祐ちゃんに会いたくて始めたイベントです」

9月11日(日)、科学技術館にて松来未祐愛悼イベント「サンキュー39!未祐ちゃん」が行われた。このイベントは非常に珍しい難病「慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)」を患い、2015年10月27日に満38歳でこの世を去った声優の松来未祐さんを偲んで開かれたチャリティーイベント。生前、松来さんの誕生日である9月14日の前後には、本人が企画プロデュースするバースデーライブが行われてきた。その思いを継ぐように親交の深かった儀武ゆう子さんや阿澄佳奈さんといった多くの声優仲間、そして多くの友人たちによって「松来未祐さん愛悼イベント」が実現した。

午前9時30分から16時30分まで、科学技術館展示イベント・ホール10号館では松来さんがバースデーライブやCDジャケットの撮影で着用した衣装の展示や、松来さんのさまざまな思い出写真、多くの友人から贈られたメッセージカード掲示などが行われた。また共演した多くの声優仲間からのビデオメッセージの放映、チャリティーグッズの販売、来場者から松来さんへのメッセージカードの受付などが行われ、数多くのファンが詰めかけた。展示スペースには午前中から行列ができ、一つ一つの展示をファンはじっくりと見つめていた。




■骨髄バンクの登録と献血の大切さ

午前11時半からは慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の理解を深める講演会が3回に渡って行われた。第1回目の登壇者は松来さんと同じくCAEBVを罹患しつつ、骨髄移植によって克服したプロスノーボーダーの荒井”daze”善正さんが登壇した。荒井さんはSNSで友人を介して病床の松来さんを知り面会を果たした。
体調不良を引き起こした荒井さんはいくつもの病院でハードな検査を経た後、それでも病名がはっきりせず、友人のすすめで、診察結果を別の病院の先生に見せ、意見を聞くという「セカンドオピニオン」を受けたことでCAEBVと診断されたのだという。病名が分かることでホッとする一方、そこで受けた説明は重いものだったという。それはEBウイルス感染症が欧米人にはかからない、アジア人特有の病気ということ。欧米で症例が見られないと言うことは研究が進まないということ。従って有効な治療法やクスリが開発されていないということ。5年後の生存率は0に等しいこと。ただ、骨髄移植を行えば、助かる確立が飛躍的に上がるということだ。
荒井さんは骨髄移植を行い、現在では完全に健康体に戻り、プロスノーボーダーとしての活動に加え、骨髄バンク登録者や募金を呼びかける活動も行っている。骨髄移植を待っていた松来さんと面会する度に、荒井さんが痛感したことは、自分には何もできないということ。救えるのは献血やドナーだけだということ。それを改めて強く訴えた。荒井さんは「本当なら松来さんとここで対談ができたらよかった」と語った。
最後に質疑応答が行われ、会場に詰めかけた数多くの人から熱心に質問が投げられた。特に骨髄バンクの登録を検討している人たちから、実際に移植することで体調不良になることはないか、という質問や、どんな手順で移植に至るのか、というより具体的な質問が寄せられた。ドナーは適合者が見つかると連絡がいき、8回前後の通院を通して面談や検査を行い、ドナーの健康状態やスケジュールを確認し、3~4ヶ月後に実施されるとのこと。また移植手術は腰骨に注射針を入れる形になるため、それによる痛みは生じるかも知れないが移植のための骨髄を採ることで体調が悪くなることはないとのことだ。講演会の参加者にはドナー経験者もおり「2回骨髄を提供しましたが、今もこの通り全く問題はなく、健康ですから、どうか心配しないでください」と話した。
ドナーであるには健康でなくてはならないが、「もし提供もできず、献血も難しい人はどうすればいい?」という質問が上がると、荒井さんは「募金いただくだけでも、その先のすばらしい活動に繋がると思います」と返答した。


■骨髄移植とは

骨髄とは骨の中心部にあるゼリー状の造血組織のことで赤血球、白血球、血小板といった血液はここで作られる。骨髄移植とは患者の冒されてしまった骨髄を全て破壊した後、健康な骨髄液を点滴し、正常な造血細胞を復活させること、とのことで、骨髄バンクを通して患者と提供者のマッチングが行われる。しかし、HLAという白血球の型が「A座、B座、C座、DR座」で全座一致しなくてはならず、兄弟姉妹間でも全座一致しているのは4人に1人。親になると他人と同じ条件になってしまい、全一致するのは数百人から数万人に1人の確立であるとのこと。また、一致しても、ドナーの健康状態や個人都合によって、提供が行われないこともあるということ。登録者が多ければ、それだけ移植を待つ人に届く機会が増えるということだ。さらに近年では医学の進歩により3座一致であれば骨髄移植が可能になっていると言う。なお、骨髄移植のドナーになれるのは2回までという規定がある。

《細川洋平》
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