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──ちなみにゲームでは約1年を通した物語でしたが、今回の劇場版はサブタイトルにある通り、春までの物語となりました。先がありつつも1本の映画としてまとめるのは、大変だったのではないでしょうか?
秋田谷監督
第1章ということで、大きな流れで言えば起承転結の「起」を担当することになりましたが、元々のゲームがしっかりしていますし、またストーリーの着地点は決まっているので、そこを目指して作ろうと心がけました。
──なるほど。
秋田谷監督
エンディングに向かって、それぞれの監督がバトンを繋いでいくっていうのは、システム的にも面白い試みですよね。
──そんな試みが予定されているんですか!
秋田谷監督
ええ、そうなんです。あとは、シリーズ構成の段階で言うなら、1章の段階で主人公をどこまで成長させようかと打ち合わせて、主人公が「とある変化」を見せられるようになったらいいね、という話になり、それは見て頂いた通りの結果となりました。
──劇場版のラストで描かれた「あのシーン」が、とある変化なんですね。
秋田谷監督
ええ、そうです。主人公の心境の変化を、ぜひ劇場で楽しんでください。
──それは、劇場版ならではの魅力のひとつと言えますね。その他にも、ゲーム版にはない劇場だけの見どころなどはありますか?
秋田谷監督
ゲームとアニメでは楽しませ方がそれぞれ違うので、ゲームでは見られなかった別の選択肢の結果や他のキャラクターの心情などを描ける面もあるのかなと考え、ゲームが取りこぼした部分をうまく拾えればなと。それを見た時に、「ああ、そうだったんだ」と同調してくれる人がひとりでも多くいてくれれば嬉しく思います。
──難しい質問で恐縮なんですが、今回の映画を敢えて一言で表すとなんでしょうか。
秋田谷監督
ベタな言葉になっちゃいますけど、「友情」ですね。
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(C)Index Corporation/劇場版「ペルソナ3」製作委員会