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──「結城 理(ゆうき まこと)」という名前は、すんなりと決まりましたか?
秋田谷監督
シナリオ決定稿直前まで決まらず、このままだと、仮の名前でつけた「月太郎」のまま収録に入るかもしれないという状況でした(笑)。
結局、コンテに入るくらいまでは、「山田月太郎」でしたね。
──「月太郎」!?(笑)
秋田谷監督
(名前が正式に決まるまで)ひとまず仮名をつけていたんです。脚本の熊谷 純さんが、「誰も愛着が湧かないはずの名前をつけよう」と言って山田月太郎になったんですが、4~5ヶ月ほどその名前でシナリオを読んでたら、なんだか愛着が湧いてしまって。「このままでもいいんじゃない?」みたいな気持ちにもなりました。
──劇場で主人公が「月太郎」って呼ばれたら、見ている人はビックリしそうですね。
秋田谷監督
一度、公式Twitterでネタとして、「今は仮の名前「山田月太郎」でやってます」と報告したら、見てくれた方々が結構ノって下さって。
──すると、もしかしたら「月太郎」がそのまま採用されていた可能性も?
秋田谷監督
かもしれませんね(笑)。
──名前ひとつをとっても、今回の主人公に関しては慎重に煮詰められたんですね。
では、主人公の造形以外で、本作の制作で気を配った点はどこでしょうか。
秋田谷監督
今回の主人公は(見ていただいたとおり)積極的に行動する人間ではないんですが、ゲーム的には色んな仲間との絆を深めていくため、そのすり合わせが難しくもありましたが、逆に「どういう風に仲間たちと関わるのか」というのが本作の見どころでもありますね。
──制作中に起きた、印象深いエピソードなどがあれば教えてください。
秋田谷監督
今回は、「P4A」から引き続きのスタッフも多かったし、もちろん新規に加わったスタッフもいるんですが、皆さんのテンションが最後の最後になるまで落ちず、非常にいい現場でした。
ゲームのイメージを壊したくないから、という想いから、スタッフ側から「こんなのどうですか」や「こういう背景描きました」とか、個人個人がゲームを尊重しつつ、その上でアニメとしてどう表現すればいいのかという自発的な試行錯誤が、強いチームワークの下で行われていたのが印象的でしたね。
──チームワークも優れていたんですね。
秋田谷監督
そうですね、特別課外活動部に負けないくらいに。あ、綺麗にまとまっちゃいました(笑)。
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(C)Index Corporation/劇場版「ペルソナ3」製作委員会