アニメ!アニメ!(以下AA)
多くのかたが松本監督を20代でデビュー、若手として注目されています。これはどう考えられますか?
松本理恵監督(以下松本)
もともと早くやりたいというのがあって、早く、早くと。何でもそうなんですけれど、なるべく早い頃やって、老後は、山梨とか北海道でと思ったんです。
劇場で監督をやる時は、プロデューサーが私と仕事をしたことがあったかたで、それで気にかけて頂いて、松本にやらせたいと、それで結果的にやらせていただきました。すごいラッキーでしたね。
プリキュアの劇場の監督をやるということは、親孝行にもなりました。私も親が喜んでくれるというのはあったんですよね。プリキュアの劇場版を任された時は、すごくうれしかったです。
AA
優れた監督は多いのですが、20代で作るというのは決して多くないと思います。作品に世代感や、いまの自分でしか作れないものがあるといったことは感じられますか?
松本
行き当たりばったり感はあるかもしれません。経験値が低い時のほうが楽しめる事もあるのかもしれませんね。あまり計算をしないで。
中二病ってあるじゃないですか、いつまでも世界の終わりと自分のことを考えている。私は20代のうちに自分のなかの中二病はある程度突き詰めてみようかなぁ…と(笑)。世代というよりも個人の話ですね。すみません。
30代、40代になれば周りの世界が変わって来ると思うんです。なんだかんだ20代は閉塞的だと思うんですよ。10代の時は一人しかいなくて、20代になって少し増えたけれど、やはり閉塞は変わらない。そのなかで煮詰まるもの、あまり外に目が向かない状況だから作れるものはあるんじゃないかなと思います。そこはネガティブに考えずに、逆にポジティブに作れるといいのかなと思います。
■ キャラクターたちに落とし前をつけられるように
AA
最後にひとつ、本作品を作るうえで、これだけは成し遂げたかったというものがありましたら宜しくお願いします。
松本
キャラクターたちに一区切りをつけさせたかったんです。終わりない状態で作っていたので、あの人たちがほったらかしになる恐れがあったわけです。
いくら二次元のキャラクターとはいえ、作ったからには責任があるし死ぬまでは描けなくても3ヵ月位でも良い。それをひとつの区切りとしてきちんと完結させたかったんです。
『京騒戯画』というタイトルのついた、鏡都に住んでいる人々の話、それをシリーズとして始まりと終わりをきちんと作れるのがよかったですね。機会をいただけたのはありがたいという感じです。
ほったらかしにするのは、キャラクターに対する裏切り行為だと思うんですよ。無責任じゃないですか。言われたから作ったけれど、その後は、もう作る機会をもらえなかったから、君たちのことどうにもならないよというのはいけないと思うんですよ。
ほったらかしにせず、落とし前をつけられるようにやっています。
AA
ありがとうございました。
『京騒戯画』
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TOKYO MXにて毎週水曜日25時30分より放送中
BS朝日にて毎週金曜日 25時30分より放送中
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12月6日(金)より順次リリース
全6巻
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発売元:東映ビデオ 販売元:東映