新感覚アニメ「京騒戯画」生みだした新世代の演出 松本理恵監督インタビュー 2ページ目 | アニメ!アニメ!

新感覚アニメ「京騒戯画」生みだした新世代の演出 松本理恵監督インタビュー

『京騒戯画』を高く評価する声があちらこちらから聞こえてくる。さらに本作の監督の松本理恵さんはいまだ20代だという。一体、松本監督は、いかにして『京騒戯画』を創りだしたのだろうか?立ち上がりから、最新のテレビシリーズまでについてお話を伺った。

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(C)東映アニメーション/京騒戯画プロジェクト
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■ むしろ、王道が作りたい

アニメ!アニメ!(以下AA) 
本作は東映アニメーションの制作ですが、東映アニメーションはオーソドックスというイメージも多いと思います。一方で、『京騒戯画』は、これまでと違う新しさを目指した映像という印象を受けました。新しいものをという意識はあったのでしょうか?

松本理恵監督(以下松本)
私はあれを自然にやっているんですよ。むしろ、私は王道が作りたいんです。
プリキュアの時も、私は王道で作っている感じでした。プリキュアの時と、『京騒戯画』の時と感覚はあまり変わらないんです。

AA
今回キャラクターデザイン、作画監督で参加されている林(祐己)さんは監督と同じ世代ですが、林さんとのやりとりはどうしたかたちですか?

松本
私と林さんは専門学校から一緒で、東映アニメーションでも同期なんです。それとアニメをやるきっかけが同じなんですよ。
私も林さんも『ぼくらのウォーゲーム』(『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』)を観てアニメをやろうと思ったんです。多分テーストが似ているんですよね。興味のあるところが近かった気がします。

fd

■ 狙ったのは、与えられ時の最大瞬間風速

AA
最初に5分の映像があり、その次にネットでもミニシリーズとなりました。今回テレビシリーズになりますが、物語は混沌としてそこが魅力にも思えます。物語を構成することを、どう考えられていますか?

松本
最初の時に、「次はないからね」と言われたんです。毎回次はないからねと。それで、その時に与えられたなかでベストを尽くすんです。いまあるもので必要なことをやるとなると、その時の最大瞬間風速の大きなものを狙うわけです。

松本
30分の時は、これで終わったらこのキャラクターの映像作品はもうないと思ったので、全部のキャラクターを出すというのを自分に課したんです。
5分の時に作った世界観と、全員のキャラクターを出す。それでなんとなく概要が出来て、これで終わりなら、終わりだと思っていたところで、もう一回やれと。

今度は40分の尺があったのですけれど、フォーマットも自由で、1本40分でもいいし、分けていいというかたちでした。
いままではPV的な世界観紹介をやらざる得ない感じだったので、キャラが多いから、キャラひとりひとりにスポットをあてるかたちになりました。少し方向性を変えてドラマを推すかたちになりました。

AA
今回のテレビシリーズは?

松本
いままで飛び石状にあったキャラクターやお話の間を埋めていくようなかたちです。そう作れればいいなと思っています。

AA
作品はネット発ということで始まったのですが、テレビとの違いは意識されるのですか?

松本
シリーズと劇場といった違いなら、レイアウトの取り方を変えたり、演出的な違いはあるのでしょう。けれど、見せるターゲットさえ決まっていれば、何で放送しようと、あまり変わらないと思います。

AA
そのターゲットはどのように考えられたのですか?

松本
10代後半から20代のアニメの好きな層、というのがありました。

fd

《animeanime》
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