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「東京マンガラボ出張コラム部」第6回 立命館大学琵琶湖漫画研究会編

全国の各学校のマンガ関連団体の学生さんたちが、お薦めマンガを紹介する「東京マンガラボ出張コラム部」。今回は立命館大学琵琶湖漫画研究会さんが、「バイオーグ・トリニティ」と「かみちゅ!」をピックアップ。 

連載 東京マンガラボ出張コラム部
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abesan ■ 「かみちゅ!」 
原作:ベサメムーチョ 作画:鳴子ハナハル


初めまして!RBM編集長のスバルです。私が今回おすすめする漫画は鳴子ハナハル先生の「かみちゅ!」という作品です。
変わったタイトルですが、神様で中学生だから「かみちゅ」なのです。中学生の女の子のゆったりした非日常を描く恋愛漫画です。不器用でのんびり屋な一橋ゆりえは、ある日突然神様に。そんなゆりえは同級生の二宮健児に片思い中。彼女を支えるのは、親友で常識人な四条光恵と神社の娘の三枝祀(サエグサ マツリ)。

舞台は瀬戸内海に面する坂の多い小さな町(モデルは尾道)。「私、神様になっちゃった」「……ふーん」という突飛な始まりで、神様になったゆりえに対して何故か誰もそれを不思議に思わない、ほのぼのとした雰囲気に包まれた世界観です。
神様になったからと言って別段変わったこともなく、相変わらずの失敗続きな日々。人の願いを叶えられても、自分の願い(健児への思い)はサッパリです。ゆりえの不器用さに健児の鈍感さも手伝って、ゆりえの思いもなかなか届かず……。ゆりえの恋は実るのでしょうか。

神様の素質は高いのですが、大きな力を持っているが故に頑張りすぎて失敗すると大変なことに。台風を発生させたり、町1つ丸ごと作り変えたり、春先に大吹雪を吹かせたりと、派手にやらかしてしまいます。小さな町が舞台ですが随分と規模が大きな失敗――もとい事件です。それを親友の2人や八百万の神様と力を合わせて解決していきます。
この失敗を1つ1つ乗り越えながら、ちょっとずつ成長していくのです。

鳴子ハナハルさんの絵は非常にレベルが高く、背景までしっかり描き込まれています。絵柄もノスタルジックな世界観にとてもよくマッチしています。何だか懐かしさを感じる風景が丁寧に描かれています。キャラクターの細やかな表情の変化も見どころです。全2巻なので手軽に読めます。

泣いたり照れたり笑ったりと忙しい毎日。大きな事件は些細な出来事で、小さな出来事が大事件。そんな中学生の生活が描かれている心温まる作品です。尾道3部作に並ぶ傑作だと思います。


『東京マンガラボ』
/http://tokyomangalab.com/
《animeanime》
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