東京マンガラボ出張コラム部 第11回「キャンディ・フラワー」「ひとさきの花」「神様がうそをつく」 | アニメ!アニメ!

東京マンガラボ出張コラム部 第11回「キャンディ・フラワー」「ひとさきの花」「神様がうそをつく」

全国の大学にある漫画研究会の有志によって運営しているマンガ系情報サイト『東京マンガラボ』。その出張コラム「東京マンガラボ出張コラム部」。今回は3作品を紹介。

連載
注目記事
このコラムをご覧になっている漫画好きの皆様、こんにちは。東京漫画ラボにて漫画家インタビュー活動をしているコダマヒカルと申します。
今回、このコラムを担当することになりましたが、紹介したい漫画が多すぎて決められなかったのでテーマを「儚きかわいさ」として手に取りやすく読みやすい単巻作3冊を選んでみました。

■ キャンディ・フラワー(講談社)/山田デイジー

最初にご紹介しますのは、『なかよし』(講談社)で『恋するふたごとメガネのブルー』を連載中の山田デイジー先生の短編集『キャンディ・フラワー』です。いかにも少女漫画という雰囲気がある、お花に囲まれたかわいらしい女の子が表紙です。
どのお話も純粋な恋を描いていて、いい年をした私は読んでいて小恥ずかしくなるのですが、それでも読みたいと思うのは、女の子の儚い顔がかわいいからです。普段の笑顔がかわいいからこそ、儚い顔に切なさが溢れていて、堪らないのですよ……!特に『トマトと14歳』の主人公が勉強することに思い詰めてしまい疲れ果てているシーンの、ため息の聞こえてきそうなその顔を見ていただきたいです!様々なことに思い悩みながらも歩んで行くそれぞれの主人公の顔に注目してみてください。

■ ひとさきの花(マッグガーデン)/藤野もやむ

次にご紹介しますのは、藤野もやむ先生短編集『ひとさきの花』です。藤野先生の描く漫画全てに言えることではありますが、純粋な性格のキャラクターの感情がダイレクトに表現されていて、なんとも言えないもどかしい気持ちになる漫画となっています。表題作の『ひとさきの花』は、歴史上の人物である木曾義高と大姫の幼い恋のお話を描いています。2人の幼いからこそ思う、苦しくなるほど純粋な気持ち全てを、台詞や情景で表現していてとても美しいです!
現在、藤野先生は「桑佳あさ」とペンネームを変えて活動されています。インターネット上に公開している作品がありますので、読んでみてはいかがでしょうか。

■ 神様がうそをつく。(講談社)/尾崎かおり

最後にご紹介しますのは、『神様がうそをつく。』です。夏、サッカー少年の七尾なつるが、川辺に捨てられた猫を拾うも、母のアレルギーにより飼うことはできず困っているところ、クラスメイトの鈴村理生とその弟に偶然会い、猫を飼ってもらうことに。そこでなつるは理生の秘密を知る……。
何も邪魔の無い場所にて一人で最初から最後まで読んでください。その夏の空間に引き込まれるはずです。その感覚は本当に感動的で、自然と涙が出ますよ……!特に注目していただきたいのは、理生の姿です。弟の面倒をみる健気な姿、無邪気に喜ぶ姿はとてもかわいらしいです。なつるが怯える理生を抱き留めるシーンでは、理生の細い腕、震える肩、薄いお腹が儚くて、ああもう守ってやりたいと心底思います……!第1話をWebコミックサイト『モアイ』にて公開されているので、今すぐ読みましょう!


3作紹介してみましたが、いかがでしょうか。気になる作品が1つでもあると幸いです。ここでいきなりですが、オススメの読み方を紹介させてください。それは、いろいろな視点で繰り返し読むことです!キャラクターそれぞれの視点や作者の視点で最初から最後まで繰り返し読むと、毎回新しい発見があるのです。「このキャラクターの視点からだと、このシーンは違って見える」「作者はこのシーンをこう表現したかったのか」と同じ漫画を違う漫画のように読むのは楽しいですよ!
最初に、インタビュー活動をしているとお伝えしましたが、3作目に紹介させていただいた『神様がうそをつく。』の作者である尾崎かおり先生にインタビューしました。東京マンガラボサイトにて、そのインタビューを公開しているので、是非読んでください!

『東京マンガラボ』
/http://tokyomangalab.com/  
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集