ブリッジでは常にハーロック風が吹いています 「キャプテンハーロック」荒牧伸志監督インタビュー | アニメ!アニメ!

ブリッジでは常にハーロック風が吹いています 「キャプテンハーロック」荒牧伸志監督インタビュー

インタビュー

荒牧伸志監督
  • 荒牧伸志監督
  • (c)LEIJI MATSUMOTO/CAPTAIN HARLOCK Film Partners
松本零士さんのマンガ『宇宙海賊キャプテンハーロック』を原作としたCG大作映画『キャプテンハーロック』が9月7日よりついに公開となる。
総制作費3000万ドルという超大型プロジェクトとして東映アニメーションが制作。巨匠ジェームズ・キャメロンが「空前の出来、もはやこれは伝説だ」と絶賛したことでも話題を呼んだ作品だ。

公開の期待が高まる中、監督である荒牧伸志さんにインタビューを行った。『APPLESEED アップルシード』以降、CGの世界の最先端で挑戦を続けている荒牧監督は『キャプテンハーロック』でいったいどんな境地へたどり着いたのか。様々な視点から話をうかがった。
[インタビュー取材・構成:細川洋平]

『キャプテンハーロック』
配給: 東映
/http://harlock-movie.com/


■ ハーロック=ダークヒーロー

―― 原作だとマゾーンという異星人が敵ですが、今作では出てきません。

―― 荒牧伸志監督(以下、荒牧)
そうですね。物語を人間に絞ることで、宇宙進出などでどれだけ成長しても「人類の種としての限界、衰退」という現代の我々に通じる閉塞感を表現しようと。

―― また原作には軽く、コメディータッチで描かれた部分も多いんですけど、そういうものも刷新されていて「おお!」と思いました。

―― 荒牧 
コメディーリリーフなところは一つもない作品にはなっていますね。ズドンと重いものをと思っていましたから。ハーロック=ダークヒーローという部分を強調するためですね。

―― これは実写なのかと見間違えるような作品です。でも同時に目を惹いたのは、実写では難しそうなケレン味のある動きでした。

―― 荒牧
よくアニメとかマンガの実写化っていくつもあるし、国内でも海外でもそれはそれで一つのジャンルとしてあります。でも原作のテイスト、動きにもルックにも世界観とかも含めて理想的にリアルにしていくということはできないかなというのはずっと思っていて、一つの答えが今回出せるといいなと。
だからただ「まるで実写ですね」というより、「元のデザイン、元の世界を大事にした、本当にあるかのような世界を作る方法」みたいな、一つのフォーマットになるといいなと思って作ったところがあります。

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(c)LEIJI MATSUMOTO/CAPTAIN HARLOCK Film Partners

■ ブリッジでは常にハーロック風が吹いています

―― 今回、印象的だったのがハーロックが思いっきり舵を切るシーンでした。あれが決まった時に「キター!」とテンション上がりました。

―― 荒牧
ハーロックって船の中にいる時は基本、座ってるか舵を切ってるかしかないんですよね。だから変化を出しづらいんです(笑)。彼がたくさん操作するわけでもないし。舵にしても「回す」しかないんで、その中で決め技というと変ですけど、バーッと回したシーンが一番のキメの絵になるだろうと。あんまり何回もやるのもわざとらしいし、どの辺りに入れようか、というのはかなり計算しました。
実はその時にもですけど「マントがどう動くか」というのでもずいぶん印象は変わるんです。リアルにマントを動かすだけじゃなくてそこに芝居を、ハーロックの気分がちゃんと乗ったマントの演技にならないとそれらしくならないので。ハーロックの場合はだから「マント芝居」というのが非常にポイントになっています。

―― 確かにマントの動きはケレン味がありました。

―― 荒牧
物理計算でやるよりはアニメーションで作った方がいいね、と。アニメーターに手作業でやってもらいました。

―― マントの面積も大きいですから存在感もありますしね。

―― 荒牧
去っていく時にそんなにバサッと行かないよ、って言う時でもバサッとやった方が決然とした感じが出たりとかするじゃないですか(笑)。

―― あれは格好いいですね。

―― 荒牧
そういうことです。

―― 髪の毛の表現もすばらしいなと思いました。柔らかそうで。

―― 荒牧
あんまりキレイに動かしすぎてもわざとらしすぎる感じになるし、目がそっちに行きすぎても困るので、そこは自然プラスαぐらいにしないと。そこだけチェックしてくれって言われるんですけど、どの辺が適当なのか結構難しいんですよ。
ハーロックの髪なんかもゴワゴワしてそうだけど、なびいてほしい髪じゃないですか。なのであの辺の適正値を見つけ出すのは苦労しました。

―― 躍動感が出ていました。

―― 荒牧
アクションしている時はいいんですけどね。アップショットとかで船の中にいると……。何にも動かないのも寂しいので「常にブリッジは微風が吹いているようにしよう」みたいな話をしてたんですよ。
実はマントも常になびいてるんですよ。船の中なのに(笑)。「ハーロック風」というのが吹いていて。

―― ハーロック風!。

―― 荒牧
ええ。「ちょっと吹かせておいてください」ってお願いしてました。メラの位置に合わせて(!)いい案配で常に吹いています。

《animeanime》
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