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続いて紹介しますのがこちら!浅野いにお先生の「虹ヶ原ホログラム」です。浅野いにお先生と言えば「おやすみプンプン」「ソラニン」で有名ですね。この話も浅野いにおワールド全開の暗い展開やどろどろとした人間関係満載の、とても面白い作品です!その内容の奥深さはとても一巻完結とは思えないほどの充実感を得られます。
人間の醜さを題材にした点では「ミノタウロスの皿」と似ていますが、この話は読者へ訴えかけるようなものがなく、主人公はおろか登場人物の感情が全くと言っていいほど顔に現れません。ただ事実が淡々と描かれてゆき、独特な空気感を持つ作品となっています。
そして何と言っても場面展開が面白い!話の構成としては主人公が小学生の頃の回想や、大人になってからの話がブツ切りで続く形となっています。はじめのうちは、急激に変化する時間軸や登場人物たちに圧倒され、現実なのか夢なのか、それすらも分からないような摩訶不思議な雰囲気を味わうことでしょう。そして途切れ途切れのストーリーが読み進むにつれて次々と繋がっていく様は、一度読んだら止められなくなります!
さて、どのような内容なのかと言うと、虹ヶ原を舞台に展開する小学校のクラスメートや先生たちのお話です。一言で言ってしまうと簡単ですが子供独特の集団意識や噂話、無邪気で残酷な感情は妙にリアルで読んでいて背筋がぞくぞくしてしまいます。そして子供たちが大人になってから次々と明かされてゆく真実…多くは語れませんが、徐々に繋がってゆく人間関係やストーリーには驚きの連続です。
一巻完結なのでそこまで時間もかからず、サクッと読みたいという方へおすすめです。また、いままで明るく爽快感のある漫画しか読んだことのないという方も、とても面白いので少し挑戦してみてはいかがですか?
『東京マンガラボ』
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