経産省、アニメ制作の下請取引適正化にガイドライン 書面交付義務など | アニメ!アニメ!

経産省、アニメ制作の下請取引適正化にガイドライン 書面交付義務など

経済産業省は、アニメ制作の適正な下請取引を推進することを目的に、アニメーション制作のための「下請適正取引等の推進のためのガイドライン」を策定した。

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経済産業省は、アニメ制作の適正な下請取引を推進することを目的に、アニメーション制作のための「下請適正取引等の推進のためのガイドライン」を策定した。経済産業省、中小企業庁のサイトなどで公開している。
経済産業省は、日本のアニメは国内外から高い評価を受ける一方で、下請け取引の状況は十分でないと見ているようだ。下請代金法の遵守や下請取引全般で適正化が求められ、さらに発注の際の取引条件協議や発注の書面交付などで改善すべき点が多いとする。
アニメーション制作の下請ガイドラインを策定することで、取引透明化や業界全体が利益のある関係の構築を促す。アニメをはじめとするコンテンツ産業振興は、商品化などの二次展開、海外展開などに向きがちだが、ここではアニメ制作の現場に目を向ける。

行政によるアニメ番組制作の取引については、2009年にも総務省からテレビ番組全体の取引としてガイドラインが出されている。この際は、主に放送局と映像制作会社との取引を中心に、支払い期日の起算日や、著作権の帰属について指針がだされている。
ただし、現在、アニメ制作の大半は、アニメ制作と放送会社との直接取引でなく、複数の企業から構成される製作員会からアニメ制作会社へと発注されることが多い。また、大量のスタッフが必要になるアニメ制作は、製作委員会、放送局などから直接発注を受ける元請会社、さらにそこから個別作業ごとに再受注する一次下請、二次下請と多層構造になっている。
アニメは通常の放送番組、映画に比べて、制作プロセスがより複雑になっている。独自の業界構造を持つことが、今回、敢えてアニメーション制作に絞ったガイドラインが策定された理由だろう。

ガイドラインの中身については、具体的、かつ細部のことも多い。なかでも、発注における書面の交付、金銭支払いについて大きく割かれている部分だ。業界に多い口頭のみの発注でなく、書面での交付を強く押し出していることは今後業界の課題になるだろう。
また、買いたたきの禁止や発注後の金額の変更の禁止、支払い方法変更の禁止などにも触れる。いずれも書面での契約が前提になるだけに、ここでも契約書の重要性が打ち出されている。
やり直し(リテイク)に対する言及も多い。こちらも業界内で制作過程でのリテイクが多いことを反映していそうだ。例えばDVD制作のためのリテイクは別発注といった指針などがある。

今後の課題は、こうしたガイドラインの内容を発注側、受注側の双方が広く知ることだ。これまでの調査でも、アニメ業界では、独占禁止法ほか、法務について詳しい内容を知らない人が多いとの結果も出ている。
今回のガイドラインは70ページ近くものボリュームにもなっているが、かなりきめ細かな内容で、契約を考える際の指針として利用価値が高い。発注者、受注者とも、是非、一読したいところだ。


アニメーション制作業下請取引ガイドライン
/ http://www.meti.go.jp/press/2013/04/20130426008/20130426008.html

[参考]
■ アニメ産業の委託取引に関する実態調査
及びモデル契約書策定に係る調査研究報告書(平成16年3月)
/http://www.zenkyo.or.jp/seminar/pdf/anime.pdf
■ アニメーション産業に関する実態調査報告書
公正取引委員会事務総局取引部取引調査室(平成21年1月)
/http://www.jftc.go.jp/soshiki/kyotsukoukai/kenkyukai/dk-kondan/kaisai.files/182-3.pdf
■ 下請適正取引等推進のためのガイドライン
/http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/guideline.htm
総務省「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」(平成21年2月)
/http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/090225_7.html
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