ドイツのシュトゥットガルト国際アニメーションフェスティバルの受賞作品が発表された。各受賞作品のうち、日本からは大川原亮さんの『空の卵』がロッテ・ライニガー賞に選ばれた。賞の名称であるロッテ・ライニガーは、ドイツを代表するアニメーション作家に由来する。彼女は繊細な切り絵アニメーションで知られている。代表作『アクメッド王子の冒険』は1926年の制作で、しかも長編とアニメーション作家の先駆者として活躍した。大川原さんは、これまでも国際映画祭などで活躍している。多摩美術大学芸術学部のグラフィックデザイン学科在籍時に、奥田昌輝さんと小川雄太郎さんとで合作した『オーケストラ』が2009年のアヌシー国際アニメーションフェスティバルの学生部門にノミネートしている。東京国際アニメフェア2009の第8回東京アニメアワード公募部門でも、入選するなどで実力を発揮してきた。今回の『空の卵』は、大川原さんは東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻3期の修了制作である。今回の受章でまたひとつ実績を積み上げた。シュトゥットガルト国際アニメーションフェスティバルは、フランスのアヌシー、クロアチアのザグレブ、カナダのオタワ、日本の広島などと並ぶ重要な映画祭として知られる。2008年には山村浩二さんの『カフカ 田舎医者』がグランプリを受賞した。今回、日本からは大川原さんの『空の卵』のほか、水尻自子さんの『布団』、和田淳さんの『グレートラビット』がノミネートされていた。コンペティション外のパノラマ上映としては久保雄太郎さんの『Crazy for it』告畑綾さんの『櫻本箒製作所』が選出されていた。[真狩祐志]シュトゥットガルト国際アニメーションフェスティバル(Stuttgart Int. Festival of Animated Film)/http://www.itfs.de/
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