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AA
今回の映画で監督が思い入れのあるキャラクターはいらっしゃいますか。
―― 錦織
今回の劇場版は、それぞれのキャラクターが苦悩を持っているというところで作っていきました。レディリーというキャラクターはわりと悪役的な出し方なのですが、運命に対して抗い、あがいているのが少し哀愁があって、悪役なんだけど好きなキャラクターですね。
AA
監督から見ると感情移入をしやすいというイメージでしょうか?
―― 錦織
運命に対して向かって行くところは、レディリーも上条もあまり変わらないかなと思っています。そこがちょっと対比的に出るといいかなと思いました。脚本の吉野さんが神話的モチーフをより深く掘り下げてくださいました。
AA
アリサとシャットアウラはどうですか?
―― 錦織
シャットアウラは、鎌池さんから原案をいただいたときからかなり思い入れがあったキャラクターです。
彼女の自分の中にある怒りとか悲しみ、葛藤を内面に閉じ込めて秩序とか規律に向かって行動をする姿がすごく魅力的なんです。
AA
アリサの素直さとすごく対照的ですよね。
―― 錦織
だからこそアリサをすごく素直な、頑張っていくというポジティブなキャラクターにできたと思います。劇中にいる2人のキャラクターとしてはすごくいいなと思っているんです。
AA
宇宙のシーンはメカニックもかなり華やかです。相当、力を入れられたと思います。
―― 錦織
今回はプロットの段階からかなり細部まで映像的なイメージを決め込んでいるんです。それに対してお話やキャラクターの動きを当てはめていった感じです。
脚本以前から先行して舞台になる場所の美術やメカなどを3DCGで作り始めています。画コンテが完成してから必要な画面や動きを切り取っていくというアプローチにしました。
作品全体のスタイルとして、画面の密度感やスケールの大きさを出すことがテーマとしてありましたから、制作フローから見直す部分も必要だったんです。それから劇場版の狙いとして光の表現にこだわっています。そのために美術やメカなどを3DCGで作成することはとても有効でした。
AA
最後に読者の方にメッセージをお願いします。
―― 錦織
「とある」シリーズは原作もずっと続いていますし、コミカライズやゲームなど色々な方面に大きく拡がってきています。ともすると、どこから入ってよいのか迷うこともあると思います。
今回の劇場版がその入り口のひとつになってくれればと。そして4月からはじまる『とある科学の超電磁砲S』も宜しくお願いします。
劇場版『とある魔術の禁書目録-エンデュミオンの奇蹟-』
/ http://www.project-index.net/
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