「キックハート」で起こったこと ファン支援はアニメ制作を変えるのか? 湯浅政明監督、I.G石川光久社長 インタビュー 前編
日本の著名なアニメ監督によるひとつの企画が、世界の注目を浴びた。湯浅政明監督による短編アニメ『キックハート』である。製作プロジェクトが、米国のクラウドファンディングの大手Kickstarterに掲載されたことがきっかけだ。
インタビュー
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AA
支援者に対するリワードも、随分と練られていました。
石川
原画をあげちゃう、とかね。普通だったら許されない行為です。魂を売るのかと。
監督を含めてクリエイターが、世に問うて、そうしたサービスを含めて、人に対して何か訴えたいという気持ちで動いた結果です。監督とスタッフの協力と理解がなかったら、こういうリワードはあり得ないですよ。
湯浅
スタッフは、こういう仕事をやりたいとの思いでやっているんです。だから必要以上の仕事をしても、頑張って、これが次へつながるといいなという思いでやっています。
AA
作品ができる前に素材を先に見せてしまうことも大胆です。抵抗はないのでしょうか?
石川
今回はパイロット的要素が強かった。だからいいんじゃないのかなと思います。これが長編90分作品なら出せないですね。内容に関しても、シナリオを全部見せて、それでいいのかというのはあります。
湯浅
そうですね。見る側も情報を見てお金を出すけど、あんまり出さないでそれは見るまで楽しみにしたいという人もいました。
後編に続く