国際共同製作には文化と距離の差が横たわる。「国際共同製作とは、予算が増えるという良いことだけではない。制作が分散し、円滑なコミュニケーションのための移動時間が増え。ワークフローを管理するツールも購入しなければならない」と、フランスで130万動員のヒット作『Zarafa and U(Zarafa et U)』を製作したPrima Linea Productions(http://www.primalinea.com/index-basic.htm)のプロデューサーで、創立者のヴァレリ・シェルマンは指摘する。 しかもアニメーションは実写映画よりも制作費が高くなる。Les Armateursが製作した今年の話題作『Ernest & Celestine(原題 アーネストとセレスティーヌ)』の制作費は920万ユーロ、10億円近い。CNC(フランス映画・動画センター)の調査によると、01年から10年の間に製作されたフランスのアニメーション映画の制作予算で、実写映画の平均制作費300万ユーロを下るものはなかった(11年でも最低予算は280万ユーロを超えた)。 シェルマンは、「CNCはアニメーションに他のジャンルより手厚く支援する傾向があるが、長編アニメーション映画への割当金の増額や自動的助成などの基準を見直すべき」とする。CNC助成金で大きな比率を占める自動的助成は、過去4年間に最低でも3本の映画を制作していなければならないという基準が壁になる。税額控除の6ヶ月という期限も実体に則さない。