前回は、ついにスタートしたYouTubeチャンネル『寿美菜子の~マジ寿!~』(以下、マジ寿)の撮影秘話を聞いたほか、スフィア4人のYouTubeチャンネル『スフィアの4 colors LABO』(以下、4 colors LABO)の今後の展開についても伺いました。
第3回となる今回は、規制緩和後のイギリスの現状、コロナ禍におけるアフレコ収録への思いなどを直撃!
また、学校でのクラスメイトとのエピソードや、『4 colors LABO』での高垣彩陽さんの料理動画に思わずツッコんでしまったことなど、たっぷりとお話をお聞きしました。
[取材・文=米田果織]
■規制緩和後のイギリスの現状、日本のアニメ制作・収録環境への思い
――前回のインタビューから約1カ月経ちました。その後、ご体調などお変わりはありませんでしょうか?
寿:はい、おかげ様で元気に過ごしております!
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――よかったです! 前回のインタビューで、イギリスはロックダウンから少し緩和されたとおっしゃっていましたが、現状はいかがでしょうか。
寿:6月から、イギリスは一気に変革期に入りました。新型コロナウイルスの感染者数がピークを越えたことをきっかけに、イギリス政府から「次のステップに進みます」と発表がありました。
今までは、外では2m離れていれば、1日1人には会って良いというルールだったのですが、それが6人までOKになったんです。
なんで6人なのかは謎なんですけど、友だちとは「6月だからかな?」なんて話していました(笑)。
――日本でも緊急事態宣言が解除されました。日本の状況については、ご家族やお友だちなどとやり取りされるなかで把握されているのでしょうか?
寿:そうですね、友だちや家族、スフィアのメンバーとも連絡を取っているので、話はよく聞いています。
――スフィアの皆さんや声優さんと連絡を取る際、日本のアニメのアフレコ収録などの現状ついても話題に出ることはありますか?
寿:私は現地にいるわけではないので、話し合うというより、話を聞くだけにはなってしまうのですが……。日本では、人数を絞った状態での収録が多いと聞きました。
「元通り」になるのはまだまだ先かと思いますが、色々な対策をして現状でのベストな収録スタイルを模索し、工夫されているんだなということを感じています。
今、新型コロナウイルスの影響でこのような事態になっていて、リモートでお仕事ができる状況が整ってきています。
個人的な思いを言えば、もしこれから先、今まで通りの生活が送れるようになったとしても、薬が開発されるまでは、充分に対策を練られた今のままでの収録を続けていってほしいです。
「ウィズ・コロナ」時代が続き、不安はまだまだぬぐえないと思いますが、とにかく家族やお友だち、ファンの皆さんなど、大切な方々には無事でいてほしい。
簡単に「家にいてほしい」なんて言えないし、難しい問題だとは思いますが、本当に大事にすべきものは何なのかはしっかり考えないといけないと感じています。
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――ちなみに、昨年行われたスフィア10周年記念全国ツアー「A10tion!」にて、ルーレット企画コーナーに成功したご褒美として「他のメンバー3人が寿さんに会うためにイギリスに行ける」というくだりがありました。この状況下だとなかなか難しいところがあるかと思いますが、その後お話はどうなっているのでしょう……?
寿:ありましたね! みんなに会いたいという気持ちは強いのですが、気軽に「おいでよ、おいでよ!」とはなかなか言えない状況です……。現状イギリスに来てもらうこと自体は可能なんですが、2週間は隔離されてしまいますからね。
今後ワクチンが開発され、みんなの生活も元に戻り安全が確保されるようになったら「おいでよ!」と言えるようになるかもしれません。
■「間違えるのが怖くて話せなかった私はいない」渡英3カ月で英語力に自信!
――渡英してから早3カ月。自身の英語力に、自信がついてきた頃では?
寿:まだまだ勉強中ですが、授業で困ることは少なくなってきました!
イギリスに来たばかりの頃は、頭の中には色々な言葉や感情が浮かんでいるのに、それを言語化できないこと、間違えたら恥ずかしい、ともどかしさを覚えることが多々ありました。
日本では思ったことをすぐ言葉にして表現できるのが日常だったので、それが全て崩れていく感じ……疲労感とストレスがとてつもなくて、ほぼ毎日、悔しくて泣いていました。
でも今はぐちゃぐちゃでも話し続けることは可能になってきました。知っている単語をひたすら並べているだけのときもありますが(笑)、間違えるのが怖くて話せなかった私はもういません!
あと、クラスメイトに友だちができたのも大きいです。やはり親しくなると「もっと話したい!」と思えますからね。
――仲良くなることによって、会話の幅も広がりますしね。素朴な疑問なのですが、クラスメイトの皆さんは、寿さんが声優さんだと知っているのですか?
寿:みんな知っています! どこまで認識しているのかわからないのですが、「アニメの声優をしています」って自己紹介すると、「カートゥーンの!」って言われるんですよね。カートゥーンって言われると、ちょっとニュアンスが違う気がしているのですが……(笑)。
わかりやすい作品として自分が吹き替えとして参加していた『ヒックとドラゴン』(※)を例に出すと、みんな「あー!」と理解してくれます。
また、それをネタにしてくれる先生だったのも良かったです。
授業で感情の形容詞を学んでいる時に「angryってどんな表情? 誰かやってみて」と言われて、「オンライン画面にデカデカと顔が写った状態で怒った表情をするのもなぁ……」と恥ずかしがっていたら、先生に「Minakoは役者でしょ!」って言われてしまいました(笑)。
※『ボス・ベイビー』などで知られるドリームワークス・アニメーションが手掛ける人気シリーズ。少年ヒックとドラゴンのトゥースとの友情と冒険を軸にした物語が描かれる。寿はアスティ役を演じている。
――授業はとても楽しそうですね! クラスメイトの皆さんからの接し方もそんな感じなのでしょうか?
寿:そうですね。「声優だから」「芸能活動をしているから」といった特別扱いはなく、フランクに接してくれています。
あ、そういえばこの間の授業で、「私ってこんな風に思われていたのか」と感じたことがありました。
クラスで男女のグループに分かれてゲーム対決することになったのですが、男子生徒から「Minakoは賢いから同じグループの人は有利だ。だから男女混合グループにしたい!」と言われたんです。
――へー、寿さんは学校では優等生キャラなんですね。
寿:たぶんそれは、宿題をちゃんとやってきてるってだけなんですけどね。ビックリするくらい、他のみんなは宿題しないんですよ(笑)。
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――(笑)。他に、何か外国人のクラスメイトだからこそというエピソードはありますか?
寿:アラビックの方が多いのですが、「Minako」が発音できなくて「Monako」になることが多いです。
その中にけっこう年上のクラスメイトがいて、おそらく私が娘と同じくらいの年齢なんでしょうね。いつも気にかけてくれるんです。でも、挨拶は「Hello,Monako」で(笑)。
また、韓国ドラマがきっかけで仲の良くなった、いつも連絡を取り合っている子にも、まだ「Monako」って呼ばれてます(笑)。
――アラビックの方にも韓国ドラマは人気なのですね。日本のアニメはいかがでしょう?
寿:「宮崎駿が大好き! 『ハウルの動く城』が大好きだ!」というイタリア人の子がいます。その子に、「今Netflixで見られるようになったから、あなたも見た方が良い!」ってオススメされました(笑)。
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――外出自粛期間中の「おうち時間」で、映像作品をよくご覧になられていたそうですね。イギリスの作品でオススメはありますか?
寿:ブログでも紹介しましたが、今ドハマりしている『SHERLOCK』ですね! まずイギリス英語が聞けること、そして1本1時間半と少し長く感じるのですが、1話完結型で気持ちよく終わるんです。だから「早く続きが見たい!」と夜更かしする心配はありません(笑)。
韓国ドラマもよく見るのですが、1話1時間くらいのものが20話くらいあって、さらに続きが気になる作りになっているので、ついつい“次のエピソード”ボタンを押してしまうんですよね。そういう意味で『SHERLOCK』はオススメです。
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