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その際、SNSでは「よりレベルアップした寿美菜子さんをお待ちしたいと思います!」「このアクティブさや行動力はカッコいいし憧れる!」といったエールが多数送られました。
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そしてこの春、寿さんはイギリスへ。
3月25日にアップされたブログでは、言語の壁にぶつかりながらも、刺激的な日々を送っていると綴っていました。
「これからそういった発見したことや感じたことを、このブログ、そしてその他にも色々な形で発信していけるように、実は今準備中です♪」と書かれていましたが、そのひとつの場としてアニメ!アニメ!では寿さんがイギリスでどんな生活を送っているのか、寿さんの言葉でリアルに伝えていくインタビュー連載をスタート!
記念すべき第1回では、寿さんが渡英するに至った理由や、今イギリスでどんな日常を過ごしているのか。さらに、新型コロナウイルスでロックダウン中のイギリスは、どのような状況なのかを直撃。
「今だからこそ、この時間を大切にしたい」と語る寿さんのリアルな“今”とは――。
[取材・文=米田香織]
■ ロックダウン中のイギリスでどう過ごしている?
――(ビデオ通話ツールで寿さんの姿を確認して)こんにちは、寿さん、聞こえていますか?
寿:聞こえてますよ~!
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――よかったです!この連載インタビューでは、寿さんのイギリスでの日常に迫っていければと思いますが、まずは世界的に問題となっている新型コロナウイルスについて、現地イギリスはどのような状況なのでしょう?
寿:ご存知のとおり、イギリスはロックダウン(都市封鎖)中で、私がイギリスに来てすぐにこの状態になってしまいました。
そのため、私の中ではこれがイギリスの日常で、この状態しか体験していないので、そんなにストレスを抱えることもなく過ごしています。
ホームステイ先もとても広いし、素敵なイングリッシュガーデンがあるおうちなので、外に出なくても十分楽しめています。
日々コロナのニュースが流れていますけど、皆さんが目や耳にするイギリスの情報って、感染者数の増加など、たぶん暗いニュースがピックアップされていると思うんです。
イギリスではスーパーやエクササイズ以外の外出は基本的に禁止で、不要不急ではない外出や集会は、場合によっては罰金措置の対象になったりと本当に徹底されています。
心配してくださっている方もいるとは思いますが、私はとても元気に過ごしています!
■寿美菜子はなぜ渡英を決めたのか? 26歳の頃から募らせた“想い”
――お元気そうで何よりです! あらためてですが、イギリス生活を決めた経緯を教えてもらえますか。
寿:実は26~27歳くらいの時から、今まで知らなかった世界を見たい、いつか海外に行きたいと漠然と思っていました。
――数ある国のなかでも、イギリスに決めた理由は?
寿:イギリス以外にも行きたい国はたくさんありましたが、とくに語学とお芝居の勉強をしたかったので、エンターテインメントの本場であるイギリスかアメリカ・ニューヨークにしようと決めていました。
そのふたつで悩んで、なぜイギリスを選んだかと言うと、過去に兄がイギリスに留学していて、私も年末年始のお休みを使って遊びに行ったことがあって、そのときに「一度は住んでみたい場所だな」と惹かれたんです。
また、アニメ『けいおん!』の劇場版で(琴吹)紬たちがイギリスを訪れていたり、舞台『他人の目』や『Run for Your Wife』などはイギリスを舞台とした演目だったりと、出演した作品がイギリスと関連することが多く、縁を感じたことも理由のひとつです。
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――周囲に渡英のことを話されたかと思いますが、皆さんのリアクションはどうでしたか?
寿:マネジメントチームに話すときも、本当に“意を決して”という感じで話しました。「こうやって伝えたいけど、こうやって反対されたらどうしよう」とシミュレーションを頭の中でたくさん繰り広げて、「こう言われたこう返そう」と準備したり(笑)。
でもそういった心配は杞憂で、ありがたいことに「良いと思うよ」と言ってくれました。
そこからイギリスにいながら仕事ができる環境を整えられるよう、キャリアもしっかり積み重ねつつ、同業者の方やスタッフさんとの信頼関係も整えたりと、ずっと準備をしていました。
――スフィア(※)のメンバーの皆さんに話されたときはいかがでしたか?
寿:その時のことは、今でも鮮明に覚えています。
モーニングミーティングで朝ご飯を一緒に食べながら「ちょっと話があるんだけど……」と切り出して、1時間ほど話を聞いてもらいました。
「イギリスに行きたいと思っているけど、そうすると実質一緒に集まって何かをすることができなくなる。スフィアが今後どうなっていくのか、私も正直わからない」と。
迷惑をかけてしまうかもしれなかったのに、3人は「おお!いいね!がんばれ!」と言ってくれたんです。
「どんな問題が出てくるかわからないけど、やりたいことはやってみるべきだと思う」と。背中を押してくれて、悩んでいた心がすっと軽くなりました。
※寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生による声優ユニット。2019年に結成10周年を迎え、全曲ライブを開催した。
――皆さん賛成して、後押ししてくれる方が多かったんですね。
寿:ありがたいことですよね。あ、でも、反対した人もいますよ! 父です(笑)。
飛行機に乗れない人なんですよ。自分が体験したことがないからこそ、予想ができないこともあって、だから兄がイギリスに行くときも不安があったと思うし、さらに私が行くってなっちゃったので……。ことあるごとに「やめた方がええんちゃうかなあ」と何度も言われました(笑)。
――なるほど、コロナ騒動があってからはなおさらご心配されたのでは?
寿:父はもちろんですけど実は、背中を押してくれつつも、直前になって止めたのは兄で。実際に住んでいたからこそわかる不便さや、私の英語力がまだまだなので、もし何か問題が起こった時に対応できるのかと心配してくれました。
1度帰国させるべきか家族で悩んだらしいのですが、今帰ると2週間隔離されることや、さらにその隔離場所がない状態だということで、「実質、無理だと思った」と話はしましね。
――渡英直前はとくに大変だったんですね。
寿:そうですね。とはいえ、気持ち的にはイギリスに行くと決心するまでが一番大変でした。決めてからは、すごく心が楽になったんです。
それまでは、行きたいと思っていたけど、仕事のことなどを考えて、頭の奥底に閉まって気付かないようにしていたんですよね。そういう風に抑え込んでいた部分がなくなって、本当にスッキリしました。
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