■『02』メンバーの絆を深めた飲み会
――アフレコ以外に、デジモンメンバーとの交流はありますか?
片山:読み合わせの後、浦和さんの提案で『02』メンバーの飲み会があり、そこで空気感や距離感、作品に対する思いを共有できました。あの読み合わせと飲み会がなかったら、ぜんぜん違う作品になっていたと思います。
本当は僕らから「飲みに行きましょう」と誘うべきだったのかもしれませんが、みなさん予定があるかもしれないのでとても言えない(笑)。
山谷:読み合わせの後、「もしかしたらこの後何かあるのではないか……」と、わざと帰り道を遅く歩いていました(笑)。
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朝井:私は帰りのバスに乗る直前に電話がかかってきて、すぐに引き返しました(笑)。
飲み会のとき、ホークモン役の遠近(孝一)さんが「ちゃんと京だったよ」と言ってくださったのは嬉しかったです。パートナーデジモンに認めてもらえて、ようやくスタートラインに立てた気がしました。
片山:その飲み会で、遠近さんは僕たちにも「君たちが選ばれし子どもだ」と、言ってくださって。僕の演技については、「すごく悩んでいたことが伝わった。でもその姿勢がいいと思ったよ」と、あがいている姿を前向きに認めてもらえて嬉しかったです。
ちなみに山谷君は「伊織は浦和さんがいるから演じるのが難しいよな」と言われていました(笑)。
山谷:ほかの方からも「浦和さんを目の前に伊織を演じるって、どういう気持ちなの?」と(笑)。そんな冗談を交えつつも、デジモン役の先輩方はそれぞれ違う形で僕らを支えてくれました。
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野田順子さん(ブイモン役)は僕たちの気持ちに寄り添ってくれて、近くまで来て気遣ってくれるタイプ。
浦和さんは背中で語る方で、いつも言葉で伝えるわけではないけれど、なにかあったときには声をかけてくれます。
遠近さんは具体的にアドバイスをしてくれる方。打ち上げのときも、どういう姿勢でアフレコに臨んだらいいのかなどを話してくれました。
高橋直純さん(ワームモン役)は……神みたいな存在です(笑)。
朝井:神(笑)。いつも笑顔で見守ってくれます。
山谷:みなさんがそれぞれ温かいので、今となっては「先輩が怖い」といった余計な緊張感はありません。
片山:『02』組の和気あいあいとした雰囲気は飲み会やアフレコを経て自然と形成されたと思います。僕自身は、なにかと抜けているところが多いのでみなさんにかなり支えられていますが(笑)。
朝井:片山さんと野田さんはかなり仲がよくて、アフレコが終わった今でも一緒にご飯を食べに行っているみたいです。
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片山:大輔とブイモンのように、一緒にラーメンも食べに行きました!
実は本作の個人的なテーマとして、大輔とブイモンが断トツで仲よく見えるようにしたいと思っていたんです。
もちろんどのデジモンとパートナーも誰かにとってはベストコンビ。ただ、パッと見たときに大輔とブイモンは一番仲がいいと思ってもらうべきポジションだと感じていました。
そのためにはキャスト同士の距離感も詰めていくことも大事。お互いにそう思っていたのか、ふたりで食事やお茶に行く回数がどんどん増えていきました。
■変わらないものと変わっていくものを楽しんで
――最後に、映画を楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いします。
片山:熱量を持って全力で取り組んだ作品なので、ぜひ何度も見てほしいと思います。細かい部分にも設定が練られていて、セリフがないシーンも目が離せません。見れば見るほど新たな発見があるはずです!
朝井:子どもの頃から『デジモン』を楽しんでいた方にも納得してもらえる作品になったと思います。私が幼少期に『デジモン』の映画を見て心に残ったように、きっと本作でも心に残るものがあるはずです。
変わっていかなければならないもの、変わらないでほしいもの、変わってはいけないものが詰まっている物語を、ぜひ劇場で童心に帰って楽しんでいただけたらと思います。
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山谷:文字だけの台本では寂しさを感じたシーンもありましたが、完成した作品を見て受け止め方が変わりました。変化はあっても、キャラクターたちの前向きな生き方が伝わってくると思います。
過去作へのオマージュなど、『デジモン』ファンにとっては嬉しいポイントも盛りだくさんです。僕は見終わった後、お腹がいっぱいになったような満足感を覚えました。
もちろん、まだ『デジモン』を見たことがない人にとっても、1本の映画として楽しめる作品になっているので、お時間とお金に余裕があれば何度も見てほしいです。
僕らも『02』組で劇場に行けたらと思っています。
朝井:もしかすると、映画を見ているみなさんの後ろにいるかもしれません! ……あれ、ホラーみたいになってしまいましたね(笑)。
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◆◆◆
インタビュー後に「もしデジモンが本当にいたら、と考えたことはあるか」と問うと、3人は「もちろんです!」と即答。
「子どもの頃、どうして机の上にデジヴァイスがないんだろうと考えていました」と朝井が口にすると、片山も「僕は一人っ子なので、『デジモンみたいなパートナーがいたらいいのに!』とずっと思っていました」と幼少期の夢を語る。
山谷も同意しながら等身大のアルマジモンのぬいぐるみを、きらきらした表情で抱きしめていた。
仲間とともに作り上げた、成長した『02』キャラクター。彼らの新たな冒険を、ぜひ劇場で見守ってほしい。