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【プロ直伝】“アニメレビュー”ってどう書けばいいの? 藤津亮太が伝授する、たった1つの心得と3つの技

アニメの感動を文章で伝えるコツや、アニメレビューの書き方をアニメ評論家・藤津亮太さんに聞きました。

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【プロ直伝】“アニメレビュー”ってどう書けばいいの? 藤津亮太が伝授する、たった1つの心得と3つの技
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  • 藤津亮太さん
  • 藤津亮太さん
  • 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(C)創通・サンライズ
  • 『風の谷のナウシカ』(C)1984 Studio Ghibli・H
  • ブルボン小林「ザ・マンガホニャララ 21世紀の漫画論」出版社:クラーケン
  • 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』(C)Magica Quartet / Aniplex・Madoka Movie Project Rebellion
  • 『ゆる△キャン』(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル

■文章にしっくりこないときの対処法


――ちょっとピンポイントな悩みなんですが、「ちゃんと構成通りに書いているつもりなのに、なんだか話の筋が通ってない気がする」ということがあるんです。そういう場合はどうやって修正すればいいんでしょう?

藤津:その場合、ふたつの原因が考えられます。ひとつは言葉選び、表現が間違っている場合です。
たとえば「成長」という言葉をキーワードにして書いていたけど何だか座りが悪い。そんな時に「変化」「変質」などに置き換えてみることで文意がすっきり伝わるようになる、というようなケースです。

もうひとつはロジックが破綻しているケースです。

――ロジックが破綻していた場合は、やっぱり書き直しですか……?

藤津捨てるしかないですね(笑)。

藤津亮太さん
――おお、それはツラい……(笑)。

藤津:最初は「この切り口面白い!」と思って書きだしたけど、よく作品を見直してみると辻褄が合ってないということは、僕もよくありますよ。
そういう時、帰るべきなのは作品です。もう一度見てみて、作品理解だったり、作品のキモの部分の圧縮のし方だったりを見直すことになります。何か違うなと感じた時は実際に何かが間違っているので、その直感に素直に従うべきです。

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そうしないと「本当にそのアニメ好きなの?」「ちゃんと見たの?」と言われてしまうような文章を書くことになりますから。

――とはいえ、書き直しはけっこうしんどいんですよね……。

藤津:でも、最初に自分が感じた感動自体は嘘にはなり得ませんから、本当に最初からやり直しということはありませんよ。
あと、文章は長くなればなるほど論理的な組み立てや、整合性が求められるので、短ければ思いつき一発で勝負できるというところはあります。くどくどと書くと、思いつきの中にある飛躍が気になってしまうけれど、短い文章なら。直感的に相手に理解してもらうようなフレーズさえ思いつけば、そうした飛躍はあまり目立たなくなります。

――確かに、究極的には「この作品は〇〇だ!」だけなら、そうかもしれないと思わせることはできそうですね。

藤津:変わった切り口で攻めたい場合などは、長く書くと野暮ったいものになりがちです。面白い視点でクスリとさせたいなら、短い文章を採用するのがオススメです。

また、似た手法として論じる範囲を文中で指定する手もあります。

――『まどか☆マギカ』を意図して「魔法少女とはこういうものだ」と書いた文章に「『魔法使いサリー』はどうなんだ」と言われると困りますね。

藤津:その場合、先に文中に「『まどか☆マギカ』における魔法少女について論じます」と書いておけばいいわけです。
またロジックにも有効範囲があるわけで、そこを意識すると、筋が通らないということは減らせます。描写を分析する時も、「このシーンにおいては」と範囲を指定することで逆に筋道を通すことができる場合もあります。

――どこまでを範囲に入れて書くのかを自分で意識しておけばいいわけですね。

藤津:書く範囲を極端に狭めることで面白い切り口の原稿ににすることもできます。たとえば「この作品に登場する銃器について」というところまで絞ってしまえば、オリジナリティのある文章にできる可能性も高まります。その分、知識の深さも必要になりますし、対象読者も絞られてしまいますが(笑)。

■アニメについて「書くこと」と「見ること」はセット


――今回、アニメについての文章の書き方を伺いましたが、大部分が自分にとっての感動ポイントを見つけ出すための、作品の見方に関するお話だったように思います。

藤津:実際、書く前の準備、特に書くべきことを見つけることが一番大事だと思います。僕にとってもそこがもっとも大変ですし、逆に言えばそれが見つかればあとは書くだけとも言えます。

――実際、見方を身に着けることでアニメもより楽しく見られるように思います。

藤津:その通りだと思います。アニメを「書くこと」と「見ること」はセットだと僕は考えています。一度アニメについて書くことで、次にその作品を見た時に気付くことが増えるんですよ。そうすると、その作品の細部までもっとよく見えて楽しめるようになります。
だから、好きな作品がある人には、ぜひ自分が感じた感動を文章にしてみてほしいですね。

藤津亮太さん

◆◆◆

……アニメの感動を文章で伝えるすべを学んだところで、実際に書いてみたくなった人も多いのではないでしょうか?
そこで今回、藤津さんにご協力いただき、アニメ作品に関しての文章を添削してもらえる機会をいただきました。題して「藤津亮太のアニメ文章道場」!

記事末にあるアニメ映画10作品を対象とし、応募作品は原則的に全て藤津さんがチェック。もれなくすべての原稿に寸評をフィードバックします!
さらに一部作品の添削過程を、アニメ!アニメ!サイト上で記事として公開予定。今回のインタビュー記事を「理論編」とするなら、次に公開する記事は「実践編」のようなイメージです。

応募要項は以下の通り。アニメについて書いてみたくなった方、大好きな作品がラインナップされていた方はぜひご応募ください(アマチュアの方はもちろん、プロも歓迎!)

■藤津亮太のアニメ文章道場 応募要項


文字数:800~2500文字
対象作品:下記10作品の中から選んでください。
応募内容:作品論や作家論、作品を横断的に語るなど書き方は自由。ただし、なるべく自分なりの切り口や感動ポイントを軸に書いてください。なお常体・敬体どちらでもOKです。

応募方法:以下アドレスに、件名「藤津亮太のアニメ文章道場」で、本文または添付にてお送りください。 (データ添付の場合、拡張子は.txtまたは.doc)
メールアドレス:present@animeanime.jp
〆切:2020年3月8日(日)23時59分
備考:匿名をご希望の方はペンネームをご記載ください。また添削過程掲載を希望しない場合はその旨お知らせください。

対象作品


・『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988)
・『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』(1997)
・『千と千尋の神隠し』(2001)
・『サマーウォーズ』(2009)
・『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(2012)
・『かぐや姫の物語』(2013)
・『君の名は。』(2016)
・『夜明け告げるルーのうた』(2017)
・『リズと青い鳥』(2018)
・『プロメア』(2019)

個人情報について


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・弊社の個人情報保護についての考え方を記載した個人情報保護についてをお読みください。
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《いしじまえいわ》
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