日本アニメの国際共同製作はどこにいく? アヌシー映画祭トークで見えた最新事情 | アニメ!アニメ!

日本アニメの国際共同製作はどこにいく? アヌシー映画祭トークで見えた最新事情

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左から山口晶氏、ジェローム・マザンダラニ氏、数土直志氏
  • 左から山口晶氏、ジェローム・マザンダラニ氏、数土直志氏
  • 日本アニメの国際共同製作はどこにいく? アヌシー映画祭トークで見えた最新事情
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6月11日から17日まで、フランスで開催されたアヌシー国際アニメーション映画祭。世界で最も長い歴史と規模を誇るアニメーション映画祭だ。
ここ数年、ますます規模が大きくなり、世界中の業界関係者が集まるとして台風の目になっている。日本アニメの人気もそのひとつだ。今年は『未来のミライ』の細田守監督、アニメ『GODZILLA』の静野孔文・瀬下寛之の両監督、『ラディアン』岸誠二監督と脚本・上江洲誠氏といったビッグネームのゲストで賑わった。

6月13日の午後には、国際見本市(MIFA)の特別企画として「Emerging Opportunities for International Co-production with Japanese Animation」が行われた。映像産業振興機構の主催セミナーで、日本と海外との国際共同製作の可能性を探るのがテーマだ。
ゲストには、イギリスで日本のアニメーションのビジネスを行ってきたマンガ・エンタテイメントのジェローム・マザンダラニ氏、フランス出身で現在はカナダでワールドワイドなアニメーションビジネスを行うブリッジ取締役代表の山口晶氏が登場。日本からは数土直志氏が、モデレーターを務めた。

左から山口晶氏、ジェローム・マザンダラニ氏、数土直志氏


セミナーのスタートは、日本と海外との協業ビジネスの現在だ。マザンダラニ氏は、マンガ・エンタテイメントがプロデュースする『Cannon Buster』のケースで説明する。アメリカのコミック作家のレッシン・トーマス氏と、当時日本のアニメスタジオのサテライトに所属していたロマン・トマ氏との交流からアニメ企画が生まれ、クラウドファンディングを行い、それがNetflixのアニメシリーズになった。トーマス氏は日本に滞在し、サテライトと一緒になってアニメーションを制作した。
これまで関心の強かった国際共同出資のかたちとは違うが、新しいかたちの日本と海外のアニメーションの共同事業だ。

山口氏も、海外ビジネスの取り組みは変化していると話す。日本と海外とのアニメーションでの取り組みは、国際共同製作だけでないかたちがいろいろあるのだ。
各国政府の映画・アニメーションとの関わり方は、それぞれ違う。それが例えば日本とヨーロッパとの国際共同製作の課題になると、山口氏は説明する。ヨーロッパやカナダでは、映画や番組製作に政府から補助金が出ることが多い。それに対して日本やアメリカは、製作費のほとんどが民間資金だ。そこでビジネスがうまくマッチしないのだという。そうした違いを理解したうえで、どういったかたちで国際共同製作を成立させるのかを考える必要がある。


その新しい国際共同製作のやりかたは、どこにあるのだろう。トークでマザンダラニ氏は、新しいビジネスチャンスとして、「日本スタイル」と「配信プラットフォーム」を強調していた。いま日本アニメへの興味は世界で非常に強い。日本アニメのスタイルを取り入れた企画が人気となる。
そこに日本と海外との協力の可能性がある。ただ『Canon buster』では、アニメーション制作はサテライトだったが、日本からは出資していない。何もしなければ、国際プロジェクトから日本が外されてしまう危険もある。
日本スタイルを注目するトレンドに、日本がどう関わるかが重要だ。まず必要なのは、海外との対話だ。レッシン・トーマス氏とロマン・トマ氏のコミュニケーションからアニメ『Canon buster』が生まれたように、まず互いを知ることで企画も誕生する。

アヌシーのような国際的な映画祭・見本市は、そうした対話のきっかけになる。アヌシーへの日本からの参加者はここ数年で伸び続けている。日本から海外とのコミュニケーションを求める人が増えている。
映画祭最終日、クロージングセレモニーでアヌシー映画祭は、2019年の「日本アニメーション特集」実施を発表した。世界もまた日本とコミュニケーションを求めている。決して先行きは暗くない。日本と海外の国際共同製作のチャンスは、確実に存在するのだ。


[アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.bizより転載記事]
《animeanime》
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