【インタビュー】神谷浩史、“デスラー”山寺宏一との掛け合いで新境地へ―「演じられて本当に良かった」 | アニメ!アニメ!

【インタビュー】神谷浩史、“デスラー”山寺宏一との掛け合いで新境地へ―「演じられて本当に良かった」

インタビュー

アニメーション史に輝く不朽の名作『宇宙戦艦ヤマト』。その壮絶なる物語を新たな解釈と装いでリメイクした完全新作シリーズ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』。全七章で綴られる本作の第五章「煉獄篇」が本日5月25日(金)から上映開始。公開を記念し、キーマン役の神谷浩史と羽原信義監督の対談インタビューが到着した。

■あらすじ


“大いなる和”と“縁”を巡る人々の物語は新たな局面を迎えようとしていた。伝説の惑星テレザートへと到達したヤマトを待っていたのは、女神テレサだけではなかった。古代たちの前に、“縁”ある相手――かつての仇敵デスラーが姿を現す。ヤマトはガミラス旧体制派が集うデスラー艦隊と交戦。そのさなか、古代たちの元へと駆けつけたキーマンが取った驚くべき行動とは…。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章「煉獄篇」-(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会

■神谷浩史、羽原監督との再タッグに「より強い覚悟を持って現場に参加」


神谷が演じるのはガミラス帝国地球駐在武官のクラウス・キーマン。古代に「乗せろ、いいから」と言い放ちヤマトに同乗する。果たしてその真意は何なのか…怪しく謎の多い男だ。

羽原監督はシナリオを読んだ段階から「僕の中でキーマンのセリフは神谷(浩史)さんの声で聞こえていた」という。「スケジュール的には相当厳しかったそうなんですけど、『神谷さんしかいないのでお願いします!』と無理なお願いをさせて頂きまして。その結果はみなさんがご覧の通り、素晴らしいものになりました」。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章「煉獄篇」-(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会
全幅の信頼を寄せられた神谷は「嬉しいです、役者冥利に尽きますね」と応える。劇場アニメ『ブレイク ブレイド』のオーディションで羽原監督と出会った2人。
「過去に演じたあの役があったからこの役に辿り着けているんだというありがたみは演じている役に情熱や愛情を傾ける理由の一つになるので、より強い覚悟を持って現場に参加することができますし、その信頼関係が作品を育むことに繋がればいいなと」。

とかく“また同じキャスティングかよ…”と言われてしまうことがある昨今のアニメ作品だが、「何度も組んでいるスタッフとキャストだからこそできる何かが絶対にあると僕は思います。今回の『ヤマト』ではそれを表現できたらいいなと思っています」と並々ならぬ思いを明かした。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章「煉獄篇」-(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会
そんな熱い情熱を込めた神谷の“キーマン”。その仕上がりを聞いて、羽原監督は「僕が想像していた以上のキーマンになっていたのでとても満足」したという。
「神谷さんのアフレコを見ていてビックリすることはいくつかありますね。何もお伝えしていないのにラフで描かれた細かい表情や息遣いの変化も全部拾ってくださり、勘が鋭い方だなと。未完成の絵を見てもきちんとキャラクターを感じ取れるところは、大きな信頼を置いています」。

羽原監督よりも共に仕事をする機会が多いのが、主演を務める小野大輔だ。
「小野さんは前作の『宇宙戦艦ヤマト2199』で26本分、ヤマトのセンターとして作品を引っ張ってきた実績があるので、何の不安もなく芝居をさせて頂いています」と信頼の意を語る。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章「煉獄篇」-(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会
「ただ、古代自身はかなり不安定な人間なので(笑)、キーマンがそれとなく正しい方向に導こうとするシーンが何度か出てきます。キーマンは伝わりやすいように言葉を選んだりする人ではないので僕自身も突き放した言い方で演じているんですけど、果たして古代はその言葉の真意を汲み取ることができるんだろうかって不安になる時がたまにあります(笑)」。

■デスラー役山寺宏一との掛け合いに「自分が行けなかったところまで到達できる」


第四章まで“相変わらず何を考えているのか分からないガミラス人の男がヤマトに乗っている”という印象だったキーマン。だが、第五章では彼の大きな謎が明かされる、衝撃の展開が待っているという。

「第五章でデスラーと出会うことによってキーマンがあんな風に変化するのは驚きでした。第四章までずっとフラットにきていた彼がここにきて急にブレ始める、そのブレ幅がどこまでいってどこに収束していくのか。第五章から先の展開もすごく楽しみにしています」。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章「煉獄篇」-(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会
ブレるキーマンを演じて「楽しいですよ」という神谷。「感情のブレがない人って楽なように見えて実際はしんどいんですよね。今までは抱えている想いが本当はあったとしても表現できないですし、それっぽいことを意味あり気に言っているだけのキャラクターになってしまうのは嫌だなと思っていたので、やっと考えていることと表情と出ている音が一致してくる感覚がありました。第五章を観て、改めて良い役を頂いたなと思いました」。

キーマンが新たな一面をみせるきっかけとなるのがデスラーだ。山寺宏一演じるデスラーとの共演を、神谷は「アフレコが終わった時にすごく楽しかった」とふり返る。

「デスラーが出てきて山寺(宏一)さんと掛け合いで芝居をしたんですけど、本当にスキルがあって芝居が上手な人とやると自分が行けなかったところまで到達できるんですよね。僕でも思いも寄らないキーマンが画面の中にいて、キーマンを演じられて本当に良かったなと思いました」。声優業界を牽引する2人の役者の掛け合いには、「掛け合いが本当に凄くて、ブースにいるスタッフも息を飲んで見ていました」と羽原監督は言う。

そんなキーマンの変化は、役者たちの“演技”以外でも表現されているそうだ。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章「煉獄篇」-(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会
「ドラマの作り方のセオリーとして立場が上の人は仰角、下の人は俯瞰で見せるというものがあります」「基本キーマンは誰に対してもフラットな人なので、第四章まではカメラのアングルもみんなの目線と合わせることが多かったんですけど、第五章からは今までにないアングルのキーマンがいくつか出てくるようになります。彼の立場の変化を表したカットによって、新たなキーマン像が見えてくるんじゃないかなと思います」。

「カメラアングルも含め、今まで見たことのないキーマンが出てきますので、それがこの後の展開にどう繋がっていくのかを楽しみにして頂ければと思います」。

■第五章の注目ポイントは“デスラー家”の豪華声優たち!?


神谷と素晴らしい掛け合いを見せたという山寺だが、劇中では神谷が「半端ない」と大絶賛する妙技を披露しているという。

「第五章ではデスラーの過去が描かれますが、その微妙な年齢感を演じ分けていく山寺さんが本当に凄くて。スタジオ内で実際に聞いている時も凄いなと思っていたんですけど、マイクに乗ってスピーカーから出ている音が全然違うんですよ! 実際の映像を拝見したら、スピーカーに乗った時の効果的な音の使い分けを繊細にしていらっしゃることがよりハッキリと分かって、やっぱり山寺さんの技術は半端ないなと思いました」。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章「煉獄篇」-(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会
羽原監督も山寺の演技を聞きながら「僕らスタッフは台本と画面を見ているんですけど、『あれ、今誰が喋ったの?』と思わずスタジオ内を確認してしまうくらい自然に若い頃を演じられていました。本当に微妙な年齢差を完璧に演じ分けていらっしゃったので、『この人は声帯の太さが変えられるのかな?』と疑ってしまうほどでしたね(笑)」。

さらに羽原監督は“豪華なゲスト声優たち”にも注目してほしいという。「キャスティングの要望はまず予算とかを考えずに出すんですけど、現場に行ったらみなさん本当にい
っしゃったので、『ヤマト』は凄いなと思いました(笑)」「デスラー家の人たちは、万が一スピンオフがあっても全然いけますね(笑)。この方たちをキープしておけばどんな物語が展開しても絶対大丈夫です!」。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章「煉獄篇」-(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会
最後に、第五章の上映を楽しみにしているファンへメッセージを寄せた。

「今までは制作側のことを考えず割と自由にやってきたんですけど、最近はこの監督だったらきっとこういう絵にしてくれるはずだと思いながら演じることが多くなりました。羽原監督はそういう期待通りの絵を作ってくださる方なので、カットに含まれた意図を考えながらアニメーションを観ると物凄く深い楽しみ方ができると思いますし、そういうところから次の世代の羽原監督たちが生み出されていくんじゃないかなと思っていて(笑)。そういった目線で作品を観て頂けたら嬉しいです」(神谷)。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章「煉獄篇」-(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会
「演じている方に感情が乗って想定よりも大きな声になった場合はそちらの方が正解なので、その場合は口の開き具合を少し大きくするなど、逆に絵の方を描き直したりしています。これは絵ができていないからこそできる芸当ですよね(笑)。アニメーション作品は監督だけのものでは決してなくて、みんなで作っている感覚なんですけど、『ヤマト』では特にそれが顕著です。画面は制作スタッフで作っていますけど、フィルムとしては役者さんや音響さんを含めたみんなで高めているという印象が凄く強いですね。そう言った部分も含めて、ぜひ最後まで楽しんで観て頂ければと思います」(羽原監督)。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章「煉獄篇」-(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会
《MINAMI》
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