■「『キノの旅』で味わった感覚をいつかどこかで書いてみたい」(大森)
――今回のようにゲームやアニメ、漫画といった小説以外の作品に触れることで、ご自身の作品にフィードバックされる感覚はありますか?
時雨沢
そうですね。私の場合はどんなものでもインプットになると思います。
大森
自分も時雨沢先生に同じですね。「このネタ面白いな」と思ったらストックして温めてます。『キノの旅』だったら「花火の国」(文庫第VI巻収録 )みたいな描写はすごく面白いなと思っていて、いつか参考にしたいなと付箋を貼ってあります(笑)。
――時雨沢先生は最近、Twitterで『ゆるキャン△』について呟いていらっしゃいますね。
時雨沢
そうなんですよ。好きなものの影響はやっぱり受けます。ただ、すぐにやっちゃうとそのまんまの表現になっちゃってパクリに見えてしまうので、みなさんの『ゆるキャン△』熱が落ち着いた頃にやろうかなと。
大森
そのお話、たしか前に飲み会で時雨沢先生から言われた気がします。「ネタに困っているんですよね」と言ったら、すごい頷きながら「大森さん、みんなが忘れた頃にアイデアを借りればいいんだよ」みたいな(笑)。
時雨沢
何かを作る時に、何らかの影響は必ず受けるんですよ。むしろ影響を受けなきゃ作れない。熟成されることで自分ならではの表現が生まれますから。
大森
これは持論なんですけど、今のクリエイションって0から1を作り上げるパターンは多分ほとんどなくて、どちらかと言えば1を2にする作業じゃないかと思ってます。まだデビューして5年目の人間が生意気かもしれませんが。
――作家さん同士の飲み会だと、やっぱりそういった会話もあるんですね。
時雨沢
まあ創作論を戦わせるというよりは、色々な話をしますね。影響を受けた作品はこれとか、あれが面白かったとか。ちょっと前の映画『バーフバリ』なんて盛り上がりましたね。作家仲間がみんな「バーフバリ!バーフバリ!」って叫んでて。あの映画は大変勉強になりました。『(機動武闘伝)Gガンダム』みたいな無駄に熱い盛り上がりが最高でした。
大森
作家同士の交流は、アンテナを張っていないところの情報が入ってくるので良いですよね。
――お互いの作品のアドバイスを聞いたりとかそういう感覚じゃないんですね。
時雨沢
あんまりないですね。ただ、たとえば私は銃やバイクが好きなんですけど、「こいつにどんな銃を持たせたらいい?」みたいな相談はあります。それぞれ詳しい人に教えてちょうだいって。
大森
あとはふつうに飲み会らしいバカ話ですよね。
■「本当に自分たちで作ったコラボという実感がある」(時雨沢)
――今回の経緯をお聞きすると、実際にコラボとして一番理想的なカタチじゃないかと思いました。原作者さんの間で密なやり取りがされていて、そのうえで実装に向けて内容が作られていくという。
大森
自分は何より時雨沢先生とふたりですごく楽しみながら作れたことが一番嬉しかったです。『ダンまち』も『ダンメモ』も『キノの旅』も関係者のみなさんがすごく熱くて、面白いことをやろうと思っている方が多いなと感じていて。だからこそみんなが幸せというか、一緒にやれて良かったという気持ちでいっぱいでした。
時雨沢
本当に自分たちで作った感があるコラボではありましたね。今までも『キノの旅』や、4月から放送されている『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』などで色々なコラボをやらせていただいていますが、基本的に相手側から企画や大筋のプロットをいただいて、それを受け身でチェックをすることが多いんですよ。
今回は自分たちがアイデアを出しながら楽しいなアハハって作ったのが、採用していただいたというか。完全に順番が逆なんですよね。だからこそ「よっしゃやってやろう!」と、チェックも今まで以上に熱が入りました。
大森
本当にそう思います。逆に今回の企画ってけっこう原作者同士が好き勝手に動いてしまったんじゃないかな思うので、グリーさんをはじめ、関係各所のみなさんにはすごい申し訳ないなと思う部分もあって。
――斉藤壮馬さんが言った一言が、成田さんが取り持った縁でおふたりにつながって企画が生まれるという。本当に奇跡みたいなコラボになりました。
大森
そうですね。個人的なノリとしては「ステーキに出会いを求めるのは間違っているだろうか」ぐらいの気持ちがあります(笑)。
【インタビュー後編に続く】
ダンメモ×キノの旅コラボを記念して
— ダンまち~メモリア・フレーゼ~@500万DL突破! (@danmachimemoria) 2018年5月2日
キノ役の #悠木碧 さんと、エルメス役&ヘルメス役の #斉藤壮馬 さんから特別メッセージをいただきました!
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https://t.co/71RiJy3GpQ
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