「ダンまち×キノの旅」奇跡のコラボが生まれた舞台裏とは…大森藤ノ先生&時雨沢恵先生インタビュー【前編】 2ページ目 | アニメ!アニメ!

「ダンまち×キノの旅」奇跡のコラボが生まれた舞台裏とは…大森藤ノ先生&時雨沢恵先生インタビュー【前編】

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~メモリア・フレーゼ~』と『キノの旅』によるコラボイベントを記念して、原作者の大森藤ノさん&時雨沢恵一さんにインタビューを行い、Wシナリオ原案という異例のコラボの舞台裏をたっぷりと語っていただいた。

インタビュー
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■「カラオケの一夜から時雨沢先生にはメロメロです」(大森)



――そもそものお話で恐縮ですが、おふたりの面識はいつ頃まで遡られるんですか?

時雨沢
たしか別の作家仲間が飲み会を企画された時にお会いしたのが最初だったかな?

大森
2015年頃だったと思います。でも、あの時どうして自分が誘われたのか、経緯がまったく分からなくて……。

時雨沢
誘ったのって、成田良悟さんですよね?

大森
そうです、成田先生。『デュラララ!』と『ダンまち』のイラストが同じヤスダスズヒトさんという縁で交流はあったのですが、あの日は「なんか面白い飲み会があるから行かない?」という塩梅で、現地に行くまで何の集まりなのか全く知らなかったんですよ。アレって本当は電撃文庫の作家さんの飲み会ですよね?

時雨沢
あー(笑)。たしかに電撃の編集さんや作家さんたちが中心でしたね。

大森
現地に行って気付いて「えっ、ええー!?」みたいな衝撃を受けて。成田先生って、ご本人も折原臨也みたいなところがありますよね……。あの時は右往左往して、ひたすら正面にいる成田先生にしか話しかけられなかったです。

――初めて時雨沢先生とお会いした印象はいかがでしたか?

大森
時雨沢先生、でっかいバックパックを持っていらっしゃいましたよね。成田先生に「時雨沢先生は何を持って来ているんですか?」と聞いた記憶があります。そしたら「時雨沢先生はいつ地球が滅んでもいいようにサバイバル道具を常に持ち歩いているんだよ」なんて、またウソかホントか分からないことを言われて。

時雨沢
いや、半分は本当です(笑)。あの時は鞄だったんですけど、寝袋とかが入ってたと思います。

大森
そうなんですか(笑)。その後、カラオケにも連れて行っていただいたんですけど、時雨沢先生って本当に歌が上手なんですよ。しかも、別の日に行った時は『ダンまち』のエンディング曲で分島花音さんの「RIGHT LIGHT RISE」を歌ってくれたんです! 女性シンガーなので音域が高いのに、めちゃめちゃ渋い声でしかも上手いという。

時雨沢
いやいや。ちゃんとキーは変えて歌いやすくしてますよ?

大森
ともあれ、自分は時雨沢先生にメロメロになりました(笑)。すっかりもう嬉しくなっちゃって、動画に録って家宝にすればよかったです。それがご縁になりまして、時雨沢先生にお誘いしていただけるようになったんだと思います。

時雨沢
大森さんとはその日からお会いする機会が増えましたね。私も電撃文庫以外の作家さんとは顔の広い成田さんとかがきっかけになることが多くて。あとはフットサルとかかな。私は最近行ってないんですけど、大森君も来てたよね? 作家のフットサルチームがあって、そこに興味があったら来てねみたいな。

大森
はい、夜とかに時々顔を出させてもらってます。いやー、いつもかわいがっていただいてありがとうございます(笑)。

――今回のコラボの原点に成田さんも関わっていらしたとは。

時雨沢
そういう意味ではたしかにそうですね。知り合って仲良くなっていないとコラボみたいなお話は振れませんから。その上で、斉藤壮馬さんのネタがあって話が進んだという。

大森
不思議と言いますか、やっぱり出会いって良いなあって思いました。

■「いきなりプロット見せたらグリーのみなさん笑顔が引きつっていた」(大森)



――実際にコラボシナリオをつくってみていかがでしたか?

時雨沢
キノたちって旅人として色々な国に行って、そこで何らかの出会いがあって、去って終わりというエピソードが基本なので、正直な話、その国に行ったという体(テイ)にしちゃえば、後は何でもいいんです。
今回も『ダンまち』の世界に行くというコラボだったから、ちょうど上手くハマったと思います。逆だったら相当大変なことになっていたでしょうね。キノの世界に来るという……。
でも、そのためにはやっぱり街ごと来てもらうしかないから、結果的に同じなんですよ。キノは呼ばれればどこへでも行けるので、そこはあまり悩まず、スパスパと決められたのかなと思います。

――そこで組み上げられたプロットを大森さんが持ち帰ってまとめて、グリーさんにお渡しされたわけですね。

時雨沢
見開きでノート2ページ分ぐらいありました?

大藤
それぐらいありましたね。その後、グリーさんと打ち合わせで「じゃあプロットどうしましょうか?」という流れになった時、目の前に原案をドンと置きまして。あの時のプロデューサーさんたちの引きつった笑顔をすごい覚えてます。ああもう、これはKADOKAWAさんに許諾を取りに行くしかないなと観念した感じで……。

――(笑)。さぞかしグリーのみなさんも驚かれたでしょうね。

大森
正直ちょっと『バクマン。』みたいに、「実はかなりできてます!」みたいなことをやりたいなと思っていて(笑)。

時雨沢
大森さんが原案提出をして進めてもらって。私はグリーさんのゲームシナリオライターさんから上がってきた第一稿から参加して、内容をチェックさせていただきました。その時点で要望通りのものができていたんですけど、セリフとかを膨らませてさらに濃くしたみたいな感じだと思います。
《小松良介》
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