ケータイ小説を原作に、小説・マンガ投稿サイト「エブリスタ」で連載されたマンガ『奴隷区 僕と23人の奴隷』がテレビアニメ化。勝負に勝てば、相手を絶対服従できるという謎の装置・SCMを身につけて、総勢20人以上が欲望の渦巻くサバイバルゲームに身を投じる群像ドラマだ。
物語の中心人物として描かれるのは、荒川エイアと大田ユウガの男女2人。そこでアニメ!アニメ!では、エイア役の山村響さんとユウガ役の鈴木崚汰さんにインタビューを敢行。それぞれが演じるキャラクターの性格や魅力、ストーリーの見どころを語ってもらった。
……のだが、「それだけじゃもったいない!」ということで、山村さんと鈴木さんによるゲーム対決を用意! SCMの「どんな勝負でも勝ちさえすれば相手を奴隷にできる」という設定にちなんで「敗者は勝者の質問に必ず答えなくてはいけない」というルールで始めてみたら、だんだんと2人の目が本気に!?
遊びが遊びじゃなくなるという、まさに『奴隷区The Animation』らしい熱戦と合わせてインタビューをお届けしたい。
『奴隷区 The Animation』
2018年4月12日より放送
テレビ放送:TOKYO MX 、BS11、AT-X
>公式サイト
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■「夢にまで見た30分アニメの主役」(山村さん)
――今回、TVアニメ『奴隷区 The Animation』に出演されるお二人ですが、まずは原作をご覧になったご感想はいかがでしたか?
山村響(以下、山村)
オーディションのお話をいただいたときに原作を読んでみたのですが、話の展開にどんどん引き込まれてしまいました。SCMというSFっぽいアイテムが出てくるけど、どこか自分が生きている世界でもあり得るようなリアリティがあって続きが気になっちゃう。次も読まないと読まないと……ああダメだ、気が済まないって(笑)。
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鈴木崚汰(以下、鈴木)
僕もそうですね。初めに「奴隷」って聞いたときは、今の日本にはない制度だったのでいまいちピンと来なかったんですよ。でも実際に読んでみると、SCMの力で脳に干渉して奴隷にされていく様子がすごく恐ろしくて、いつの間にか夢中になっていました。それに、20人以上いるキャラクター全員の物語をひとつずつ追いかけ、それが徐々に収束していくという群像劇の展開も面白いなあって思ってました。
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――お二人が演じるエイアとユウガはどんなキャラクターですか?
山村
エイアっていつもクールに振る舞っていて、厳しい状況でも冷静に分析して行動できる聡明な女性です。でも、本当はそれだけじゃなくて、彼女の中ではすごく熱い思いが秘められているんです。私はそういう部分に共感できたし、演じるときもそこに寄せて役を作っていきました。ただ、そんなに役を作らなきゃっていう感じでもなくて、スッとエイアという女性が自分の中に入ってきたような気がして、すごくお芝居がしやすかったです。
鈴木
ユウガはエイアとは対照的に、俺は何でもできるぜ! っていつも自信を振りまいているキャラクターです。一方で、自分が自分が、とのめり込みすぎて、周囲が見えなくなってしまうような子供っぽさも持ち合わせています。倉谷(涼一)監督から「この作品に登場するキャラクターは全員個性が強いから、それぞれに負けないように」と言われていたので、とにかく個性をつぶさないようにと力強い演技を意識していました。
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――そういえば山村さんは以前、Twitterで「来たぜ、30分アニメの主役。夢にまで見たクレジットの一番上。とっても幸せです」と呟やかれてましたが、30分枠アニメの主演は意外にも今回が初に?
山村
実はそうなんです。これまでショートアニメでの主演はありましたが、やっぱり30分アニメの主役は憧れでした。オーディションを受けたときも、「もし決まったら(クレジットが)一番上になれるのかなあ」って思いながら演じてました。
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――スタッフさんからお聞きしたところ、オーディションでは山村さんと鈴木さんは満場一致で決まりだったそうです。こういったケースは珍しいそうで。
山村
えっ、そうなんですか!? うれしさがすごい……。
鈴木
うわあ、うれしみが強すぎてヤバいです(笑)。
■鈴木さんが声優を目指すことになった意外な秘話
――それぞれからご覧になって、ご自身と演じているキャラクターが似ていると思う部分はありますか?
鈴木
共演しながらずっと「山村さんってエイアに似ているな」って密かに思ってました(笑)。すごくクールに見えるのに実際は気さくで話しかけやすいところも含めて、雰囲気からピッタリでした。
山村
私も最初にPVのアフレコでお会いしたとき、たしか「見た目がユウガっぽいですね~」と言った気がする(笑)。
鈴木
おっしゃられてました(笑)。覚えてます!
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山村
すごく体格が良いんですよ。何かスポーツをやってるの?
鈴木
小学校のときに極真空手と水泳をやってまして、中学からは陸上競技を。
山村
なるほど、たしかに似合うなぁ。
鈴木
で、高校からは放送部に入りました。
山村
えっ!? 方向が180度違い過ぎる……。
鈴木
よく「何で?」って言われます(笑)。
――ちなみにどうして放送部に入ったんですか?
鈴木
放送部の存在を知ったのは、中学生のときに行った進学先の高校の体験入学です。本当は陸上部に入るつもりだったけど、その日がたまたま雨で説明だけで終わっちゃって。時間に余裕ができたこともあって、興味本位で覗いてみたのが放送部だったんですよ。その前から校内アナウンスでプロみたいな放送をしているなとは感じていて。
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山村
すごく有名な放送部だったの?
鈴木
はい、全国大会まで行くような実力のある部でした。それで陸上部と掛け持ちしながら放送部の活動をやっていたのですが、たまたま放送の大会でちょっと良い結果が出たので放送部に専念しまして……。そのまま声にお仕事に興味を持って声優の養成所に入ったんですよ。
山村
すごいなあ。声優さんって、私みたいに好きなアニメのことを調べているうちに声優という仕事に興味を持つパターンが多い気がしてて。崚汰君のように、アニメに関係ないところから声優のお仕事につながるケースは興味深いなあ。
■エイアの声はもっと高く、逆にユウガはもっと低く
――キャラクターを演じるうえで、苦労された部分はありますか?
鈴木
ユウガはオーディションのときのイメージと比べて、思っていたより声が低かったですね。本番になってかなり声を落として演じるようになって、それを安定させるのが大変でした。でも、倉谷監督や音響監督の阿部(信行)さんが、実演を交えながら一緒に考えてくださっているので、すごく参考になっています。
山村
私は逆に反対で、思ったよりも高かったです(笑)。エイアってすごく大人っぽいから低めの声でオーディションは受けていたけど、クールな中にも女の子らしさや弱さを入れていきたいということでトーンを調整していきました。最初、PV収録時にじっくりと時間をかけて録っていただいたおかげで、スムーズに本番に入れたと思います。
――『奴隷区The Animation』には20名以上の個性的なキャラクターが登場しますが、お二人がお気に入りの人物は?
山村
品川ゼロ君! 前髪が垂れててサブカル男子みたいな見た目がかわいくて好きなんですよ。でも、実は人のことを信じられないから周囲と関係を断っているという痛みを背負ってて、つい大丈夫?って声をかけたくなるような放っておけないタイプ。物語にも絡んでくる重要なキャラクターだから注目してほしいです。
鈴木
僕はユウガの友達、立川シンノスケが好きですね。
山村
ああー、わかる! この作品にあそこまで底抜けに明るいキャラクターは珍しいよね。
鈴木
そうなんですよ。ナンパばっかりしている遊び人で、「なんなんだこいつは?」と思っていたけど、終盤ですごい見せ場があって。チャラすぎて近寄りがたいから、友達にはなりたくないんですけど(笑)。
山村
うん、それもわかる(笑)。
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――他のキャラクターの活躍も今後注目ですね。ところで、お二人は勝負事には強い方ですか?
山村
いやー、私いつもプレッシャーに負けて自滅しちゃうタイプなんです。じゃんけん大会とかも良いところまで行くんだけど、「これに勝ったら決勝行けるかも!」と思っているとすぐに負けちゃう(笑)。
鈴木
僕はふつうのじゃんけんは弱いけど、給食がかかってるときは強かったですよ。
山村
勝負強いんだねえ。プリンとか絶対食べられるタイプだ(笑)。