その漫画原作版『デビルマン』をアニメーション監督・湯浅政明の手によって初アニメーション化するのが本作『DEVILMAN crybaby』である。
全10話の配信を前に、主人公・不動明(ふどう・あきら)を演じた内山昂輝と飛鳥了(あすか・りょう)役を演じた村瀬歩に、二人のキャラクターの関係と作品への思いを伺った。
[取材・構成=いしじまえいわ]
『DEVILMAN crybaby』
http://devilman-crybaby.com/
2018年 1月5日(金)Netflixにて全10話一挙公開
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■内山「とても入り組んだ関係性の話」
――漫画史に残る名コンビである不動明と飛鳥了ですが、彼らを演じられたおふたりに、それぞれのキャラクターについて伺いたいと思います。まず明は、どのようなキャラクターでしょう?
内山昂輝(以下、内山)
明は巻き込まれ型主人公ですよね。小さい頃に出会った了と久々の再会を果たして、信頼関係があるからこそ「君の言うことならついていくよ」と彼に誘われるがままについていったら、大変なことに……
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村瀬歩(以下、村瀬)
(笑)
内山
そこからは様々な試練が彼を待ち受けているわけで、ほんと大変な人生だなあ、と。
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村瀬
あとクライベイビーというくらいですから、涙もろいというか、すごく天真爛漫な「子ども」の面がありますよね。他の人よりもすれてない。
作品全体を通して子どもがすごく純粋な存在として描かれていると思うんですが、明は背丈は高校生だけど子どもの心を持っている。そんな彼が悪魔の力を身につけてしまったら……というのが、ああ、『デビルマン』という事なんだなあ、と。
――そんな明の相棒役となる了についてはいかがですか?
内山
序盤の了の印象は何でもできちゃう万能人間という感じで、いろんな危機も乗り越えるし財力もありそうだし、とんでもない人間だと思いました。
村瀬
何でもできちゃうし、あの若さで教授やってて、マンションの屋上にプールがあるようなところに住んでて、夏なのに全身真っ白で長いコート着てて、他の人とはひと味もふた味以上も違うような人間。
内山
マシンガン持ってるしね。
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村瀬
躊躇せずに撃つよね(笑)。明らかに物語の中で異質な存在。冷静で淡々とした了と、熱くなったり涙したりする明が対比になっているんだけど、実は序盤では了自身も自分のことがよく分かっていない、言い換えると目覚めていない状態なんですよね。了も物語の中でちょっとずつ成長や自己探索をしていって、そうしているうちに最後に全てが分かる。
内山
全10話を最後まで観ると、了のことを含めて様々な謎が解ける構造になっている。
村瀬
あ、こういう事だったんだな、と思わせてくれるキャラクターだと思います。
――二人の関係についてはどのように感じられましたか?
内山
子どもの頃に知り合って、久々に再会すると今度は大変な出来事に巻き込まれていって……。二人の出会いによって激動の人生が始まった、というか。
村瀬
あと、(デビルマンなので)そもそも人間じゃないしね(笑)。
内山
人間じゃない(笑)。物語が進むと二人の関係性は変化していくし、ラストまで観るとまた捉え方は変わってくると思います。
――そうですね。そこはぜひご覧いただいた方それぞれに捉えていただきたいですね。
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