“アイドルの裏”を描いた「18if」第9話の真意とは? 声優・新田恵海と制作陣のセキララ座談会 | アニメ!アニメ!

“アイドルの裏”を描いた「18if」第9話の真意とは? 声優・新田恵海と制作陣のセキララ座談会

インタビュー

“アイドルの裏”を描いた「18if」第9話の真意とは? 声優・新田恵海と制作陣のセキララ座談会
  • “アイドルの裏”を描いた「18if」第9話の真意とは? 声優・新田恵海と制作陣のセキララ座談会
  • (C)mobcast Inc./18if project
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  • 新田恵海
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  • くがつ監督
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“眠り姫症候群”にかかった他人の夢世界に引きずり込まれてしまった主人公の青年・月城遥人が、夢の世界の“魔女”を救い出そうとする、TVアニメ『18if(エイティーンイフ)』。各話監督制であり、毎話新たに登場する“魔女”を人気の女性声優たちが演じていることも注目の理由だ。
先日放送された第9話「アイドルはトイレにいかない!」は、枕営業を強制されているトップアイドルの“美咲”が、夢世界でSM女王様のような過激な服を身につけ、周りの人間たちを真のアイドルにするべく厳しいレッスンを行うという、ブラックなストーリーであった。

美咲を演じたのは声優の新田恵海。放送後には大きな反響を呼んでいたこともあり、そこで第9話監督のくがつ、第9話の脚本を書いた岸本みゆき、そして美咲役の新田の3名での座談会を実現。どのような心持ちでこの話に臨んだのかを伺ったところ、『18if』らしい「なんでもあり」な制作現場が見えてきた。
[取材・構成=大曲智子]

TVアニメ「18if」公式サイト
18if.jp/

(C)mobcast Inc./18if project
■規制が入る時代だからこその挑戦

――くがつ監督と岸本さん、第9話でアイドルをテーマにしたのはどちらからのアイデアだったんでしょうか。

くがつ監督(以下、くがつ)
僕からですね。各話監督を担当することになった際に、「監督のやってみたいことをやってください」と言われまして、他の監督たちがやっているテーマと被らないものにしようというのと、アイドルものをやってみようかなと。それで「女性アイドルの話をやりたいです」と提案しました。

岸本みゆき(以下、岸本) 
『18if』シリーズ構成の冨岡淳広さんが僕のところに来て、「岸本さんアイドル書ける?」って。「書いたこともありませんし、そもそもアイドルにそこまで興味がないのですが大丈夫ですか?」と答えました。その後、冨岡さん、くがつさんと3人で会ったところ、話が盛り上がりまして。じゃあ好き放題やってみようかという事になりました。だからくがつさんとの仕事は今回が初めてになります。


――その結果、人気アイドルの裏側を描くというブラックなストーリーになりました。

くがつ
最初は、女の子同士の友情とかあったかい感じを描こうと思っていました。

岸本 
ハッピーエンドになる友情物語と仰っていたのに、結果こうなりました。いざ書いてみたら初稿の段階で、制作スタッフの女性陣から総スカンを食らいまして(笑)。シナリオ上のワードとかは結構言葉遊びの部分もありましたが、これはいかがなものかと大問題になりました。

――美咲が使う、ちょっと意味不明な淫語などですね。

岸本 
でも総監修の森本晃司さんが、「昔だったらこんなの一発OKだったよ。今だからこそやってみようよ」って気に入ってくれて。規制がいろいろ入る時代だからこそ挑戦しようって。監督は、「最後さえほのぼのしてくれればいい」ということでした(笑)

――今回のヒロインである美咲を演じたのが新田恵海さん。新田さん、台本を読んでの第一印象は?

新田恵海(以下、新田) 
今お二人のお話を聞いていて、最初は友情とかを描こうとされていたことに驚いています(笑)。初めにシナリオを頂いた時は、ここまでやるのかと思いましたね。いままでいくつかアイドル役を演じさせていただいていますが、アイドルというとやはりキラキラした存在だし、見せなくていい部分ってたくさんあるじゃないですか。その部分をメインにしちゃっているんですから。

新田恵海
岸本 
1話限りの話だし、アイドルのいいところだけやるなら、現実のアイドルを見ていれば十分だと思います。せっかくアニメで普段できないことをやるのであれば、じゃあちょっと裏側を書いてみようと。今年もニュースになった出来事がありましたが、このシナリオを考えたのは去年ですね。

新田
じゃあ、あのラストシーンは偶然なんですね。

――魔女になった美咲はきわどいセリフも多かったですね。

新田 
美咲のセリフ以外にも、規制音が入るシーンが多くてびっくりしました(笑)。私もこの作品でしかできないことをやろうと思っていましたし、楽しんで演じました。

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くがつ
あれってBDになるときは規制音は外されるんですかね?

――規制音は殆どなくなるみたいです。

新田 
アイドルの役って可愛いことが求められるし、こちらとしてもその方がわかりやすく演じやすい。でも今回はそれをあえて描かないことが、この作品らしさなんだなって思いました。だから冒頭シーンでパフォーマンスをしている美咲も、なんかパッとしないんですよね(笑)。「最初はちょっと本調子じゃない感じでお願いします」っていう指示をされたので、自分でも「美咲テンション低っ!」と思いながら演じました(笑)。
夢の中で魔女になった美咲が好き放題やりますけど、あれって美咲が普段やりたかったことでもないと思うんです。もともと彼女自身がすごくピュアだったからこそ、芸能界の裏事情に対して嫌悪感やモヤモヤがあって、それがああいう格好や振る舞いとして出たんじゃないかなって。美咲の中ですごくタブーとしているというか……解釈合ってますでしょうか?

くがつ 
バッチリ合ってます。

くがつ監督
――毎話監督が違うと言うことで、メインキャストである島﨑信長さんへのディレクションも毎回変わると思うのですが、今回はどのように?

くがつ 
毎回ディレクションが違うと思いますが、9話の時はなんとなく察してくれましたね。

岸本 
僕は、島﨑さんがデビューした頃の作品でシナリオを担当していたので、売れっ子になった感慨深さがありました。アフレコにも行きたかったですね。

新田 
最初、美咲はシリアスにやろうかなとか演技プランを考えていたんですけど、信長さんがすごく楽しそうに「たけのこ、ニョッキニョッキ!」とか言っているのを聞いて、こんな感じなんだ!って(笑)。

岸本 
男性の役者は、こういうシナリオだと大喜びでやってくれると思います(笑)。

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新田 
おかげで、美咲って根はすごく真面目なんだろうなってイメージしやすくなりました。現実だと言わないような言い回しや言葉を使う意味はそこだなと思っていて。美咲の中での悪い女ってこんな感じっていう、美咲がもともと持っていた脳内イメージ。

岸本
積もり積もったものが爆発した結果、違うベクトルに行っちゃうみたいな。

新田
その結果、変な魔女になってしまったっていう感じなのかなって。だから魔女になった美咲って確かにすごいこと言ってるんですけど、憎めないなと思うんです。根っからの悪じゃないから。

――遥人を痛めつけることができず逃げ出してしまいますが、あれは美咲の素の部分?

新田
そうなのかもしれないですね。素の美咲と魔女を切り替えるというより、だんだんごまかしきれなくなって近づいていっちゃう。魔女も結局は美咲なので。

岸本
あのシナリオからそこまで解釈して演じてくれて。ありがたいことです。実は美咲にはモデルの人物がいて、本当にあんな感じです。美咲が所属しているシャークレディというアイドルグループのメンバーにもちゃんとモデルがいて。はちゃめちゃに見えますが、実はいろんなメタファーを含んでいます。


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《大曲智子》
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