「カーズ/クロスロード」原点に立ち返ってマックィーンの岐路を描く プロデューサーインタビュー | アニメ!アニメ!

「カーズ/クロスロード」原点に立ち返ってマックィーンの岐路を描く プロデューサーインタビュー

『カーズ/クロスロード』が7月15日に全国公開を迎える。アニメ!アニメ!ではピクサーのアンドレア・ウォーレン プロデューサーにインタビューを行った。マックィーンの挫折を描いた理由や、新たにチャレンジした表現など、本作の様々な魅力について話を伺った。

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「カーズ」シリーズの第3作『カーズ/クロスロード』が7月15日に全国公開を迎える。2006年に誕生した『カーズ』は、世界を股にかけるスパイアクションの『カーズ2』や、レッカー車のメーターが活躍するコミカルなスピンオフなど、多彩なシリーズが作られてきた。最新作ではベテランレーサーになったライトニング・マックィーンが、人生の岐路に直面する姿を描き出した。
アニメ!アニメ!ではピクサーのアンドレア・ウォーレン プロデューサーにインタビューを行った。マックィーンの挫折を描いた理由や、新たにチャレンジした表現など、本作の様々な魅力について話を伺った。
[取材・構成=高橋克則]

■ マックィーンの岐路をどう描いたのか?

――『カーズ/クロスロード』はベテランレーサーになったマックィーンの心境が丁寧に描かれていて、シリーズ第1作の続編であることを強く意識させる作品になっています。本作が生まれた経緯について教えてください。

アンドレア・ウォーレン プロデューサー(以下、ウォーレン)
『カーズ』の原点を意識した理由はマックィーンの物語に立ち返りたいという気持ちがあったからです。私たちはマックィーンをアスリートとして描いています。アスリートにとっての第二の人生は普通の人より早く訪れるものです。人生の岐路を迎えたマックィーンに立ちはだかる試練とは一体何なのか。レース中に大事故を起こした彼がどのような道を選ぶのか。その問いに興味を抱いたことが作品を生み出すきっかけになりました。「クロスロード」という邦題は、マックィーンが置かれた状況を示した良いタイトルになったと思っています。

――マックィーンがクラッシュする場面はポスターにも使われていますが、非常にショッキングな仕上がりですね。

ウォーレン
私はマックィーンが可哀相で今でもポスターを直視できないんですよ(笑)。クラッシュのシーンでは彼を無機質な車として表現するようにしました。生き生きとしたキャラクターではなく単なる金属の塊のように見せるため、フロントガラスにある目も描かないことにしました。そんな残酷な描写にしたのはマックィーンをアンダードッグ、勝ち目のないキャラクターに変えるためです。
『カーズ』を観た人ならマックィーンが非常に優れたレーサーであることはすでに知っています。もし劇中で起こるクラッシュがちょっとしたアクシデントであれば、彼は難なく乗り越えてしまうでしょう。そんなマックィーンに挫折を経験させるためには、観客にショックを与えるほどのシーンが必要だったんです。それは真の「クロスロード」となる瞬間を生み出すために不可欠なポイントでした。

――新世代ルーキーのジャクソン・ストームもマックィーンを脅かすキャラクターとして描かれています。

ウォーレン
そうですね。ベテランになったマックィーンがどんな車たちと闘わなければならないのか、その象徴がストームなんです。彼は圧倒的な速さを誇るだけではなく、デザイン面でもマックィーンにプレッシャーを与える存在です。ストームは若さと力強さに満ちたフォルムを目指して作り上げていきました。二人を横並びにすると「マックィーンって古くない?」と感じる人も多いのではないでしょうか(笑)。

――女性トレーナーのクルーズ・ラミレスはいかがですか?

ウォーレン
彼女はマックィーンのカムバックを支えるために全力でサポートするという役柄です。でも実はストームと同世代の車で、彼と同じようにマックィーンに焦りを感じさせるキャラクターでもあります。衰えを感じているマックィーンに「子供のころからファンでした」と言ってしまったり、特訓メニューを「シニアプロジェクト」つまり「おじいちゃんプロジェクト」と名付けたりと、年齢を意識させるような発言をするんですよ。ストームがマックィーンを直接的に追い詰めるのに対して、クルーズは間接的にメンタルを攻めてくるタイプですね。彼女自身にはまったく悪気がないところが憎めないのですが(笑)。ただクルーズは大きな力を持っていますし、物語においても非常に重要なキャラクターです。マックィーンと同じ時間を過ごすことで、彼女にも変化が生まれてきます。
《高橋克則》
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